食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu03200520475 |
| タイトル | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、伝達性海綿状脳症(TSE)に耐性を有するめん羊の遺伝育種の長期計画について意見書を提出 |
| 資料日付 | 2010年8月19日 |
| 分類1 | - |
| 分類2 | - |
| 概要(記事) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、遺伝的に伝達性海綿状脳症(TSE)に耐性のあるめん羊育種の長期計画について食品総局(DGAL)から諮問を受けて、2010年7月13日付で意見書を提出した。 DGALは2002年からTSE(定型スクレイピー)対策としてめん羊の遺伝子改良プログラムを実施してきている。本格的に品種改良に取組むための長期プログラムを企画し、Ansesの意見を求めた。 1.結論 定型スクレイピーの管理に遺伝的手法を用いることに関して、ANSESはARR対立遺伝子頻度を上げ、VRQ対立遺伝子頻度を下げることが次の点で適切であることを確認する。 i) 定型スクレイピー感染動物群の定型スクレイピー管理 ii) 定型スクレイピーに対するフランスのめん羊全体の感受性の低減 iii) 定型スクレイピー病原体の食品経由暴露リスクの低減及び予防 しかし、これらの目標は同じ遺伝子決定に従わないめん羊の他の伝達性海綿状脳症(TSE)の出現リスク対策を怠るものになってはならない。 めん羊全体にARR対立遺伝子頻度を上げることでは、採用したARR対立遺伝子の普及政策及び定めた目的が何であれ、目的達成には数年かかる。反対に、育種の核(コア)となる動物群でARR対立遺伝子頻度が急増したならば、めん羊の様々な種でのARR対立遺伝子以外のPrP対立遺伝子の多様性を保護する体制を直ちに取る必要が出てくる。 従って当面、ANSESは以下のように考える。 ・TSE管理及び予防に有効なARR対立遺伝子をめん羊全体に増やすことを継続実施しなければならない。 ・特に育種の核となる様々な種のめん羊の動物群でPrP対立遺伝子の多様性を保護する体制を直ちにとらなければならない。 同時にANSESはめん羊のTSEに対する遺伝子対策プログラムの中長期的目標設定について熟慮する必要がある。この選択の潜在的影響を考慮すると、この方法はめん羊全体にARR対立遺伝子を広める戦略の実施に当っての必須前提条件である。 ARR対立遺伝子を広めるために「雄」経路のみを用いること、又は代替戦略(例えば「雄」経路と「雌」経路の組合せ)に関しては、ANSESは育種目的が決定する前に育種を実施するのは時期尚早と考える(5.3章参照)。 ANSESは、ARR対立遺伝子保有めん羊が流行性定型スクレイピー感染に高い耐性を持つことによって、他のプリオンたん白質(PRNP)遺伝子多型がTSE病原体、特に非定型スクレイピーに対して感受性を有する可能性についての機序の研究を怠ることがあってはならないと考える。同様に、対立遺伝子多様性の保護を超えて、主なTSE病原体(定型スクレイピー/BSE/非定型スクレイピー)に対するめん羊の耐性/感受性に及ぼす対立遺伝子の影響について合理的な研究を行うことを勧告する。 2. DGALの諮問に対するANSESの答申 1) 公衆衛生及び動物衛生の面から、他の対立遺伝子を選択または排斥する政策と比べて、長期的にARR対立遺伝子のみを育種しVRQ対立遺伝子を排除する政策の有効性評価について。 (答) ARR対立遺伝子頻度を増加させ、VRQ対立遺伝子頻度の低減を狙った遺伝育種は、現在の知見においては、定型スクレイピーのリスクを抑制する効果的手段であるようにみえる。 2) 定型スクレイピーに対して完全に耐性があるホモ接合体(ARR/ARR)を有する動物群を求めることの妥当性及び代替遺伝育種政策提案について。 (答) ANSESは、代替案を提案することの妥当性は実施政策の運用目的に直接リンクするものである。異なるシナリオが本意見書で取上げられている(消費者暴露管理/めん羊全体の病気管理と予防)。 実施する動物衛生及び公衆衛生の面から目的を決めるのはリスク管理者である。 全てARRホモ接合体動物群にすることを目的とする遺伝子選択政策は、この対立遺伝子が充分な耐性レベルを持たない、あるいはより感受性を有する可能性をもつ、発展したTSEにこの動物群を暴露させる可能性がある。他方、この政策はこの現象を根絶するのに必要な遺伝子資源をなくしてしまう可能性がある。 過去10年間に実施されてきたARR対立遺伝子育種政策は、その結果として既にめん羊育種のコア動物群ではこの対立遺伝子を有する動物の頻度が有意に増加し、他の対立遺伝子の多様性を失わせている。 従って、様々なめん羊種育種のコア動物群内にPrP対立遺伝子の多様性を維持する体制を遅滞なくとらなければならない。 3) めん羊飼業者にARR/ARR遺伝子に構成した雄めん羊しか使ってはならない、またはARR/ARR遺伝子を有する雄めん羊の精液しか使用してはならないとする省令の妥当性について。 (答) このような省令は動物全体にARR対立遺伝子を広めることを加速する(メリットと同様にリスクもある)。この省令が施行されると仮定して、めん羊全体の遺伝子構造上の変異(modification)に数年を要するとしても、ANSESはめん羊の育種戦略を選択する前に遅滞なくめん羊のTSEに対する遺伝的対策プログラムの中長期的目標設定について熟慮することを勧告する。 |
| 地域 | 欧州 |
| 国・地方 | フランス |
| 情報源(公的機関) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
| 情報源(報道) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
| URL | http://www.afssa.fr/Documents/ESST2009sa0168.pdf |
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