食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu03130470470 |
タイトル | 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、Q熱に関するリスク評価の技術的報告書を公表 |
資料日付 | 2010年5月24日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | " 欧州疾病予防管理センター(ECDC)は5月24日、Q熱に関するリスク評価の技術的報告書(46ページ)を公表した。概要は以下のとおり。 1. 欧州委員会(EC)の要請により、Q熱に関する問題や血液経由のQ熱の伝播、慢性Q熱の健康影響及び妊婦のリスクを評価するリスク評価を行った。現在発生中のオランダにおけるQ熱の集団感染に関連して、国境を越えた伝播の問題及びサーベイランスシステムの向上について対処するようECDCは求められた。本リスク評価は、各問題について検索用語の定義、特定した研究の収載及び除外基準の設定、並びに、科学的根拠の優良性の評価によって、科学的根拠に基づく方法論の原則に従って行われた。利用可能な最良の科学的根拠を精査したものをオランダ、フランス、ドイツ、英国及び米国の代表者を交えた専門家パネルに提供し、討議した。この作業は、欧州食品安全機関(EFSA)によるQ熱のリスク評価と協調して同時に行われた。 2. 急性Q熱は、一般的に穏やかなインフルエンザ様の疾病であるが、ときには肺炎、肝炎及びその他の症状を呈する。急性Q熱は、2週間のドキシサイクリン投与によって一般的に治療することができる。 3. Coxiella burnetiiは、血液及び組織を経由して伝播しうる偏性細胞内寄生性細菌である。そうした伝播リスクは低く、文献中の記載症例は1件のみである。 4. 慢性Q熱は、急性Q熱感染症の重篤な合併症で、急性症状をきたした症例の約2%が発症し、致死率は5%~50%に変化する可能性がある。慢性Q熱は、心臓弁膜症の既往歴や人工弁、移植血管を有する人々のようなリスク群に心内膜炎を引き起こす。がん患者又は免疫抑制状態にある人々も高リスク群である。慢性Q熱は、1年以上の治療を必要とし、1種類以上の抗生物質の生涯投与の必要な場合もある。損傷した心臓弁の外科的置換が必要な場合もある。 5. 妊娠期におけるQ熱に関する科学的根拠は非常に限られており、主に家畜動物及び実験動物の所見や研究、血清疫学研究、症例報告及び妊婦53人の15年間にわたる症例集積検討(Case series)からのものである。現在利用可能な科学的根拠からは、妊婦の重篤なQ熱への転帰リスクを一般(女性)集団のリスクと比較定量化することはできない。妊娠中のC. burnetii感染が有害な妊娠結果を引き起こした症例が数例報告されている。当該症例の中には、胎盤及び胎児の組織中からC. burnetiiが検出された症例があった。また、Coxiellaはヒトの母乳中に同定されたことがあるが、母乳児への伝播は確認されていない。妊婦に対しては、感染地域(affected areas)内の農場に行かないよう助言することが望ましい。ECDCは、母親の長期治療を必要とする慢性疾患の症例を除き、母乳保育に反対する勧告をしない。 6. Q熱のホルマリン不活性化全菌体ワクチンが豪州で製造され、許可されている。当該ワクチンは有効であるが、既にC. burnetii感染歴のある人々に高い反応源性があるため、ワクチン接種前検査(pre-vaccination testing)が必要である。これによって、当該ワクチンを、定義されたリスク群にとって一般的な予防接種より適したものにする。 7. C. burnetiiの空気伝播の有効範囲は5km未満であることが、利用可能な科学的根拠によって示唆される。したがって、オランダからの空気伝播リスクは、隣接国(すなわちドイツやベルギー)及び感染の集団発生地に近い地域に限られる。地域レベル、かつ、定義された期間におけるアクティブ・サーベイランス又はリスクの可能性のあるグループ(妊婦、心臓弁疾患又は血管疾患の患者)における急性Q熱の症例発見(case finding)が、実行性と有効性のある急性感染者の検出法であると報告されている。Q熱の蔓延地域に隣接した地域(感染の中心地から5km以内)においては、医療関係者に対する注意喚起活動を開始することが望ましい。 当該報告書に関する報道発表資料(3ページ)は以下のURLから入手可能。 http://ecdc.europa.eu/en/press/news/Documents/100524_Press_release_RiskAssessment_Qfever.pdf 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(微生物)No.12/2010 (2010.06.02) P10 http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2010/foodinfo201012m.pdf" |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | その他 |
情報源(報道) | 欧州疾病予防管理センター(ECDC) |
URL | http://ecdc.europa.eu/en/publications/Publications/1005_TER_Risk_Assessment_Qfever.pdf |
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掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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