食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03091000328
タイトル 英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)、2008年人獣共通感染症年次報告書を公表
資料日付 2010年3月1日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)は3月1日、2008年人獣共通感染症年次報告書を公表した。
 同報告書は、2008年における英国でのヒト、動物、食品及び飼料中の人獣共通感染症の傾向及び感染源に関する概要を提示するものである。その要約は下記のとおり。
1. カンピロバクター
 カンピロバクターは、従来と同様に依然として最も報告が多く55
,609件であった。この件数はおそらくかなり過小評価されている。全国で2007年以降報告件数は減少している。
2. サルモネラ属菌
 全国でヒトのサルモネラ症報告件数の減少がみられ、1990年代後半から観察された長期的な低下が続いている。カンピロバクターと同様に、サルモネラの感染性胃腸疾患(IID)としての正確な件数は、全国サーベイランス・プログラム下で報告されているものよりは若干多い。英国全国での食料品及び動物群中のサルモネラ調査が2008年に実施され、2009年も継続された。小売の生鮮鶏肉、仕出し施設からの保存されている殻つき生卵、特産肉製品及びサラミ、非加熱喫食用ナッツ製品などにおけるサルモネラ属菌について調査が行われた。これらの調査では、サルモネラ属菌の汚染が検出され、ヒトの健康への潜在的リスクが示唆された。繁殖豚におけるEU全体のサルモネラ・ベースライン調査が2008年に行われ、七面鳥におけるサルモネラ属菌のベースライン調査報告書が同年に発表された。採卵鶏群におけるサルモネラ属菌に関する全国管理プログラム(National Control Programme: NCP)は2008年に開始され、繁殖鶏群におけるNCPの実施は2年目に入った。
3. 腸管出血性大腸菌 O157 (VTEC O157)
 VTEC O157は、特に幼児及び高齢者にとって深刻な疾病であり、英国では報告件数が2007年から11.1%上昇した。特にオープン・ファームと関連した散発的及び多発事例において保菌動物との接触がこの疾病の重要な特徴となっている。
4. 牛結核病 (bTB)
 牛結核病は、英国の養牛業にとり依然として深刻な問題である。しかし、英国のbTB流行地域ではウシ型結核菌感染症(Mycobacterium bovis infection)の散発的症例が他の非ウシ科動物での発生が報告されている。ウシ型結核菌感染症は、イングランド南西部において犬及びその所有者での発生が報告された。
5. 炭疽
 輸入皮革を使用して肺炭疽に感染した太鼓製造者の症例がイングランド及びウェールズで1974年以降初めての死亡事例であった。英国では、ヒト及び動物での炭疽は極めて稀である。
6. 狂犬病
 英国においては狂犬病は非常に稀であるが、しかし今年、南アフリカで定型狂犬病に感染した北アイルランドの女性1人が死亡した。2008年にはEBLV-2 (European bat lyssavirus- 2: ヨーロッパコウモリリサウィルス-2)のヒトへの感染報告はなかったが、ウイルスは英国の一部のコウモリ種に低レベルで存在している。明らかに病気もしくは瀕死のコウモリを拾い上げる人々がいるが、これは登録したコウモリ取扱業者に任せるべきである。
7. 包虫症(Hydatid disease)
 ウェールズ南東部における包虫症抑制プログラムは、ウェールズ議会政府の資金協力を受け継続されている。イヌでの検査結果では、イヌの糞サンプル中の寄生虫の検出率が大幅に増加していないことが示された。このプログラムは、2009年及び2010年にも続けられ、情報・教育キャンペーンが行われる。
8. レプトスピラ症(Leptospirosis)
 ヒトへの感染は大部分が職業的及びレクレーションに関連したもので、幾つかの症例はこの疾病が流行している国々への旅行の結果発生している。英国では、感染が時として野生動物または家畜の尿との接触に関連している。今年、野生ラットの飼育と関連したヒトへの感染事例が1件発生した。
9. リステリア症
 英国では、ヒトへの感染は比較的稀であり、アウトブレイクが起こるものの、ほとんどの症例は散発的なものである。北アイルランドにおけるアウトブレイクからの微生物学的証拠では、包装済みサンドウイッチが潜在的な感染源として示された。
10. ライム病 (Lyme borreliosis)
 近年、ライム病のヒトへの感染件数は、年間の総件数に若干の増加があったが、比較的安定している。現在、英国における症例の疫学評価及び報告は向上している。症例の相当数は、英国の永住者及び英国で働いている外国人が休暇で本国に帰国した際に感染したものが多い。
11. オウム病クラミジア (Chlamydophila psittachi)
 オウム病のヒトへの感染は一般的に散発的であるが、アウトブレイクも発生する。2008年の前半において家きん処理・加工施設の従業員9人が感染と診断され、さらにクリスマス関連の仕事に従事した臨時従業員5人が感染疑い例とされた。
12. Q熱
 最近の英国でのアウトブレイク及び現在オランダで発生しているヒトへの感染アウトブレイクにより、特に胎盤或いは羊水からの高濃度の細菌に暴露する人たちに対しこの細菌感染症の重要性に関する認識が高まった。感染防止に関する農家への助言が最近更新された。また、健康保護局(HPA)及びDEFRAは毎年、感染リスクについて強調している。
13. トキソプラズマ病 (Toxoplasmosis)
 この疾病は、めん羊及び山羊における流産の主要な原因となっている。ワクチン接種により抑制出来るが、分娩を手助けする人々にとっては大きなリスクである。
 同報告書の全文(PDF 92ページ)は以下のURLから入手可能。
http://www.defra.gov.uk/foodfarm/farmanimal/diseases/atoz/zoonoses/documents/report-2008.pdf
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)
情報源(報道) 英国獣医学研究所(VLA)
URL http://www.defra.gov.uk/foodfarm/farmanimal/diseases/atoz/zoonoses/reports.htm
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