食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu03050820208
タイトル 豪州・NZ食品基準機関(FSANZ)、3種類の遺伝子組換え(GM)とうもろこしの哺乳動物の健康に及ぼす影響に関する研究論文についての対応を公表
資料日付 2010年1月18日
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概要(記事)  豪州・NZ食品基準機関(FSANZ)は、3種類の遺伝子組換え(GM)とうもろこしの哺乳動物の健康に及ぼす影響に関しGilles-Eric Seralini氏及び共同研究者が学術誌に執筆した最新論文に対しFSANZの対応をファクトシートとして公表した。
 Seralini氏らは、International Journal of Biological Sciences(Vol.5 No.7 2009)に発表した新たな研究論文で、統計解析により遺伝子組換え(GM)とうもろこしを給餌したラットに有害な健康影響が確認されたと主張している。同氏らが2007年に発表した同様の論文では、GMとうもろこし MON863の給餌が取り上げられたが、今回の論文においては、MON863、MON810及びNK603の3種の給餌実験からのデータに同じ統計解析法を適用している。
FSANZの対応
1. 最新の論文でも、Seralini氏らは動物の毒性試験データの解釈に従来と同じ統計的アプローチを使用している。今回は、3種のGMとうもろこし(MON863、MON810、NK603)をラットに投与した別々の給餌実験に同じ方法を用いて、”GMとうもろこしの摂取に関連する新たな副作用”が確認されたとしている。
2. 著者らは、実験の結果、主に腎臓や肝臓に”毒性の兆候”が見られたとしているが、他に心臓、副腎、脾臓、造血系に対する影響も確認されたとも報告している。これらの研究結果に基づき、GM食品のin vivoの安全評価には少なくとも3種類の動物種で長期間(最大2年)の給餌実験が必要と強く主張している。
3. Seralini氏らの2007年論文に対し、科学専門家パネルは、著者らの同様の主張を却下した。FSANZも独自に論文の内容を精査し、GMとうもろこし(MON863)を給餌された動物における統計的な有意差が正常な変動の範囲に収まっているとの結論に達した。
4. Seralini氏らは、最新の論文でかかるコンセンサスを拒否する一方、論文で提示した結果が各GMとうもろこし種に特有な新しい農薬(除草剤または殺虫剤)と因果関係があると主張し、また遺伝子組換えプロセス自体から生ずる意図しない影響と関連付けている。しかし、著者らは、これらの仮説について説得力のある科学的説明をしておらず、また、論文で用いた統計が、病理学、組織病理学及び組織化学的研究で使用される他の調査方法と一致していないことを考慮していない。
5. Seralini氏らは、データの統計的処理を過剰に強調し、他の関連要因を考慮せず、彼らの結果の毒性学的意味を歪めている。このような試験において因果関係を単に統計だけに頼って決めるのは、頑健な毒性学的分析とは言えない。毒性学的に意味のある影響がみられたとの結論につながる根拠は何もない。FSANZとしては、これらの研究で報告された変化は性や容量による依存性がなく、単なる偶然によるものと従来どおり確信している。
国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報 No. 1/2010 (2010.01.06) P. 28
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2010/foodinfo201001.pdf
地域 大洋州
国・地方 豪州
情報源(公的機関) 豪州・NZ食品安全庁(FSANZ)
情報源(報道) 豪州・NZ食品基準機関(FSANZ)
URL http://www.foodstandards.gov.au/educationalmaterial/factsheets/factsheets2009/fsanzresponsetoseral4647.cfm
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