食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu02940390314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、第2回「農薬・残留農薬」委員会の議事録を公表
資料日付 2009年7月21日
分類1 -
分類2 -
概要(記事) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、第2回「農薬・残留農薬」委員会(2009年5月6日開催)の議事録(同日付)を公表 。概要は以下のとおり。
1. 農薬の内分泌かく乱作用の健康影響評価
EUでは将来、ヒトの健康を阻害する可能性のある内分泌かく乱作用を持つ有効成分は認可から除外されるため、内分泌かく乱性を決定するための科学的基準を4年以内に作成すべき。委員会には、欧州化学物質生態毒性及び毒性センター(ECETOC)の作業部会及びBfRの評価概念案が提出。委員会は双方の評価概念に基づき、ヒトに対する内分泌かく乱作用の評価に伴う困難及び課題について議論。委員会は、6月末までにBfRの評価概念を検討し、問題点及び疑問点をBfRに伝達することを決定。2. ヒト体液中のジアルキルリン酸(DAP)及び、食品中の残留農薬との関連
 DAPに関する様々な調査結果が委員会に提出。ヒトの尿の調査では中程度の汚染が示され(6件の合計:17μg/L)、以前の検出結果が裏付けられた。食品(特に果物)の残留調査では、DAP含量は大抵、DAPの親化合物として問題となるリン酸ベースの様々な殺虫剤有効成分の残留量より一桁は多いことが示された。これらの調査で当該リン酸エステル有効成分のほとんどは既に農産物中で主にDAPに分解されることが確認。BfRは、DAPの毒性に関する既存データのスクリーニングで、ジエチルジチオリン酸に関してのみ十分なデータが存在することを確認。しかし、構造・活性研究から、DAPのアセチルコリンエステラーゼ(AChE)及び神経毒エステラーゼに対する活性は当該有効成分よりかなり低いと推測。遺伝毒性についても同様。BfRは、DAPによる急性の健康危害はわずかだと判断。慢性毒性についてはデータ不足のため現時点では最終的な見解は出せない。in vitroのDAPの毒性データ(特に変異原性及びAChE阻害に関するデータ)が必要。
委員会の見解は次のとおり。分析結果により、尿中のDAP含量は、食品に残留したリン酸エステル有効成分による被験者の曝露を調査するのに適していない、という以前に公表された検査結果が裏付けられた。委員会はBfRの見解を支持。
3. 残留農薬の評価
 残留農薬の短期摂取による健康影響評価を簡素化するため、IESTI(※)計算式を用いたARfD占有率の算定に検査当局の残留検査データを用いる際の問題について議論。実際IESTI等式は残留検査データをそのまま用いる計算を想定したものではない。又、欧州食品安全機関(EFSA)はIESTI等式を修正する予定。BfRからARfD占有率の正確な算定に必要なデータ及び情報を更にHPに公表する予定だと報告があったため、委員会は当面本件を扱わないことを決定。(※IESTI(International Estimate of Short Term Intake):国際推定短期摂取量)
4. キノコ(山鳥茸)中のニコチン
 昨年、乾燥キノコ(山鳥茸)からニコチンが0.22~5.87μg/kg検出。様々な調査にもかかわらず汚染原因は未だ不明。しかしBfRの評価(2009年2月28日付)によると、直接的な健康危害はない。委員会は可能性のある様々な汚染原因(特に乾燥時)について議論。多くの国ではタバコ栽培地域でキノコを乾燥させ虫除けにタバコ(の残余)を焼却することが一般的。これが汚染原因の一つである可能性がある。分析エラーで検出値が高くなった可能性は非常に低いが、比較調査の実施は有益であろう。
これらの情報及び議論から委員会は対処の必要はないと考える。
なおEFSAは5月11日に生鮮野生きのこに対するニコチンの残留基準値として0.036mg/kg(乾燥きのこで1.17mg/kgに相当)を提案。5. ハーブ中のビフェニル
 昨年来、ハーブからビフェニルが検出(中央値0.02mg/kg)。従来型栽培でもエコ栽培でも検出量は同程度なので、農薬が汚染源ではないようだ。様々な調査にもかかわらず汚染原因は不明。委員会は可能性のある様々な汚染原因(大気汚染など)について議論。汚染原因の解明が望ましい。
WHOは1999年にビフェニルの暫定耐容一日摂取量(PTDI)を0.038 mg/kg体重/日に設定。BfRの暫定的な算定では0.1 mg/kg残留していた場合のPTDI占有率は約4%。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/207/2_sitzung_der_bfr_kommission_fuer_pflanzenschutzmittel_und_ihre_rueckstaende.pdf
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