食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu02850420314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、PETボトル入りミネラルウォーター中のホルモン様物質に関するフランクフルト・ゲーテ大学の研究に対する暫定評価を公表
資料日付 2009年3月20日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、最近公表されたPETボトル入りミネラルウォーター中のホルモン様物質に関するフランクフルト・ゲーテ大学の研究に対する暫定評価を公表した(2009年3月18日付/2ページ)。当該研究では、メーカーの異なる複数のミネラルウォーターが調査され、in vitro試験でサンプルの一部にホルモン様物質(未特定)の存在が示唆された。研究者らは、それは特にPETボトル入りサンプルで確認されたとしている。BfRの暫定評価は以下のとおり。
 当該研究でエストロゲン活性を持つ汚染物質の存在は示唆されるが、その原因となる物質は特定されなかった。遺伝子組換え酵母を用いたin vitro試験 (YES-test)の結果から、著者らは当該物質がエストロゲン様に作用する濃度で含まれる可能性があると解釈している。しかし当該試験における外来性エストロゲン類の活性は、(天然エストロゲン類に比べ)極めて低いため、そのように高濃度で含まれる可能性が示唆されたことは信じがたい。
 ミネラルウォーターの試験結果はメーカーにより大いに異なっていたが、ボトルの素材(PETあるいはガラス)による差異はなかった。又、特に産地による差異があった。水源で直接採取したミネラルウォーターと比較することが望ましい。
 カタツムリの繁殖率を比較する試験では、PETボトル入り水(ミネラルウォーターではない)とエストロゲン添加水との結果が類似していた。ガラス瓶入り水の繁殖率はそれより低いと思われる。この試験から、消費者の健康リスクに関する見解を表明できるかどうか疑わしい。
 PET製造に使われる物質で、ミネラルウォーターに溶出し、PETボトル入りサンプルのエストロゲン活性の原因であるかもしれない物質をBfRは知らない。ポリ塩化ビニル(PVC)などプラスチックに使用される特定の可塑剤は、内分泌かく乱物質モジュレーターだと立証されているが、PET製造にそのような可塑剤は使われていない。
 汚染原因を蓋のガスケットと考えることもできる。過去にノニルフェノール(エストロゲン作用を持つ化学物質)が問題となったが、近年BfRに、蓋の検査でノニルフェノールが見つかったとの報告はない。又、ガラス瓶にもPETボトルにも様々な蓋が使用されることを考慮すると、YES-testで見られたように、双方のボトルで同様に高いエストロゲン活性が示されるはずはない。
 水源から直接採取した未処理のミネラルウォーターがエストロゲン活性を示すことはこれまで知られていない。製造や充填工程の部品から当該汚染物質がミネラルウォーター移行する可能性は排除できない。
 ミネラルウォーター中のエストロゲン様物質は問題であるので、提出された試験結果の確認が必要である。観察された作用を合理的に評価するためにはまず、原因物質の特定及び汚染濃度の分析・算定が最も重要である。又汚染経路の解明も重要である。消費者の健康リスクを評価するためには、エンドポイントがより明確なin vivoの研究が必要であろう。
 当該研究の結果から、消費者がPETボトル入りミネラルウォーターの摂取をやめ、ガラスビン入り製品に切り替える必要はない。
 なお、本暫定評価の概要部分の英訳は以下のURLから入手可能。
http://www.bfr.bund.de/cm/230/substances_with_hormone_like_activity_in_mineral_water_from_pet_bottles.pdf
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/208/hormonell_wirkende_substanzen_in_mineralwasser_aus_pet_flaschen.pdf
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