食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu02770420149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、サプリメント成分のカルシウムの原料としてのL-トレオン酸カルシウムに関する科学的意見書を公表
資料日付 2008年11月24日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は11月24日、欧州委員会(EC)の諮問を受けて、サプリメント中のカルシウムの原料としてのL-トレオン酸カルシウム(Calcium L-threonate)に関する科学パネルの科学的意見書(20ページ)を公表した。概要は以下のとおり。
1. 本意見書は、サプリメントの栄養成分として使用されるカルシウムの特定原料であるL-トレオン酸カルシウムの安全性及び生物学的利用能についてのみ検討する。L-トレオン酸カルシウム由来のカルシウムは生体内に吸収されることがヒト試験及び動物試験によって示されている。L-トレオン酸カルシウムには低い急性経口毒性があり、マウスに対する無毒性量(NOAEL)は40g/kg体重、ラットに対するNOAELは32g/kg体重である。
2. L-トレオン酸カルシウムの亜慢性試験で、EFSAの科学パネル(ANSパネル)は、ラットの血液凝固時間及び甲状腺癒着への影響に関する4g/kg体重/日のNOAEL、並びに、イヌの甲状腺過形成への影響に関する1g/kg体重/日のNOAELを設定した。これらのNOAELは、ラットの516mgカルシウム/kg体重/日及び3484mg L-トレオン酸/kg体重/日、並びに、イヌの129mgカルシウム/kg体重/日及び871mg L-トレオン酸/kg体重/日に相当する。異なる試験方法を用いたin vitro及びin vivo試験において、L-トレオン酸カルシウムに遺伝毒性がないことが示された。発がん性試験のデータは利用可能ではないが、L-トレオン酸が生体内の内因性化合物で、かつ、L-トレオン酸カルシウムが遺伝毒性のいかなる可能性も示さなかったとすれば、発がん性試験等は不要であるとANSパネルは考える。マウスを用いた生殖発生毒性試験では、繁殖及び胎仔発育に対するL-トレオン酸カルシウムの有害影響は6g/kg体重/日の投与量まで認められず、また、母体毒性も引き起こさなかった。
3. 食品科学委員会(SCF)は、成人における全供給源からのカルシウムの耐容上限摂取量を2500mg/日に設定している。申請者は、1錠あたりカルシウム100mg及びトレオン酸675 mg含有のタブレットを2~4錠/人/日の用量でL-トレオン酸カルシウムの使用を求めた。当該タブレットの用量及び申請者が求めたL-トレオン酸カルシウムの使用濃度におけるカルシウムへの暴露量は、200~400mgカルシウム/人/日に達する可能性があるが、安全性に関する懸念はない。
4. L-トレオン酸の経口摂取に関するデータは利用可能ではない。L-トレオン酸は、特定の食品に含まれている可能性がある。たとえば、L-トレオン酸は、食品製造中におけるアスコルビン酸の分解産物である。申請者の求めた使用法及び使用濃度におけるL-トレオン酸への暴露量は、体重60kgの人で22.5~45mg/kg体重/日に相当する1350~2700mg/人/日と推定される。L-トレオン酸のヒト推定暴露量と、イヌ及びラットを用いた亜慢性毒性試験で明示されたL-トレオン酸カルシウムのイヌ及びラットに関するNOAELに相当するL-トレオン酸の量の間における安全マージンは、39~19(イヌ)及び155~77(ラット)であった。トレオン酸が生体内の内因性化合物であり、かつ、イヌ及びラットの亜慢性試験におけるNOAELがL-トレオン酸ではなくむしろカルシウムの投与量による影響について設定されたとの前提で、ANSパネルは、この安全マージンは十分であると考える。
5. ANSパネルは、L-トレオン酸カルシウム由来のカルシウムは生体利用能を有し、申請者が求める使用法及び使用濃度でL-トレオン酸カルシウムをサプリメント中のカルシウムの原料として使用することに安全性に関する懸念はないと結論づけた。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL http://www.efsa.europa.eu/cs/BlobServer/Scientific_Opinion/ans_ej866_Calcium_L-threonate_op_en.pdf?ssbinary=true
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