食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu02720350188
タイトル フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、類結節症菌汚染魚貝類の公衆衛生リスク及び動物衛生リスク評価に関する意見書を公表
資料日付 2008年11月26日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、類結節症菌(Photobacterium damselae subsp. piscicida)に汚染された海域の魚介類摂取に起因する公衆衛生リスク及び魚介類の動物衛生リスクの評価について食品総局(DGAL)から諮問を受け、2008年10月1日付けで意見書を公表した。
1. 背景
 2008年9月15日からランド地方沿岸(フランス大西洋岸スペインに近い地方)の浜にボラの屍骸が大量に打ち上げられるようになった。同海域の多くの漁船で、良好な状態の魚に混じって網底に異常な量のヒメジやシタビラメが腐敗した状態でかかっているのが見つかるようになっている。この海域の食用貝養殖業者からは貝類の大量死などの異常は報告されていない。
2. 類結節症菌
 類結節症菌は以前はパスツレラ・ピシシーダ(Pasteurella piscicida)の名称で知られた海生魚類によく見られる細菌で、水温の変化などをきっかけに病原性を持つように変化し、広い海域で多種の天然魚や養殖魚に感染が集団発生することがあった。この菌は、14℃または22℃の海水中で増殖型で最低1年間は生存し、5℃では生存はするが増殖はしない形態に変化する。この形態でも感染性は残存しており、22℃で培養した後は再度増殖型となる。海水温度25℃付近で病気が発生する。感染養殖場における死亡率は40~50%である。
3. リスク評価
(1) ヒトのリスク
 類結節症菌はヒトに対して病原性があるとは考えられていない。
(2) 貝類の動物衛生及び公衆衛生
 現在のところ類結節症菌が貝類を汚染しないとはいえないが、現在の知見からは貝類に病原性があるかどうかは明らかでない。
4. 結論
 魚の大量死に関し現時点で得られた知見から以下の点が考えられる。
(1) 類結節症菌が存在する海域で漁獲された魚類を食した場合のヒトの健康に及ぼすリスクの評価
 類結節症菌はヒトに対して病原性がないので、今の時点では汚染海域で漁獲された魚類の消費制限を設ける必要はない。
(2) 類結節症菌に関して、貝類に関する動物衛生及び公衆衛生リスクの評価
 二枚貝類から類結節症菌が分離されているものの、現在の知見では類結節症原因菌が貝類に病原性があるかどうかは明確ではない。よって食用貝生産海域で、
1) 天然や養殖の魚類に大量死が発生していない場合は、貝類サーベイランスを強化する必要はない、
2) 天然や養殖の魚類に大量死が発生している場合は、貝類サーベイランスを強化する必要がある。
(3) 類結節症菌汚染伝播及び再流行リスク抑制の勧告を出すこと
 魚類の大量死の現象は一般的には時間の経過と共に減少し、また天然魚の感染を防止する手段を講ずることは不可能である。よって、類結節症菌の伝播や再流行のリスクを抑制するような勧告を出す状況にない。もし類結節症の流行が収束しないなら、他の病因を調査することも必要になってくる。
5. 勧告
 以下の実施を勧告する。
(1) 大量死発生海域における汚染の地理的分布を明らかにするための、及び類結節症菌に関する他の病因を調べるための補足調査
(2) 食用貝養殖海域での魚大量死サーベイランス
 加えて、死魚に触れないよう、また死魚を見つけたら市町村当局に届け出るよう当該海域住民に周知させ、衛生問題が起きないように死魚を速やかに回収すべきことを付記する。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
情報源(報道) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
URL http://www.afssa.fr/Documents/MIC2008sa0290.pdf
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