食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu02660160188
タイトル フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、硝酸塩と亜硝酸塩の飲料水水質基準超過状況における健康リスク評価について意見書を公表
資料日付 2008年10月14日
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分類2 -
概要(記事)  フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、飲料水中の硝酸塩と亜硝酸塩の水質基準超過状況における健康リスク評価について保健総局(DGS)から諮問を受け、2008年7月11日付けで意見書(58ページ)を公表した。
1. 背景
 WHOの硝酸塩水質基準は50mg/Lである。
 公衆衛生法に定める水道原水及び水道水の水質基準値に関する2007年1月11日付省令の付属書では、硝酸塩50mg/L、亜硝酸塩0.5mg/Lと規定されている。
 AFSSAの2003年12月2日付意見書では、乳児や低年齢児童に健康リスクが生じない天然ミネラルウオーター及びボトル詰め飲料水の硝酸塩水質基準を10mg/Lとした。
2. 検討
(1) SISE-Eauxデータベース
 2006年中の硝酸塩については、水供給量の99.5%は平均値で水質基準に適合しており、不適合となった水供給量の99%以上は平均濃度が50~75mg/Lの範囲に収まっている。
 2003年1月~2006年12月の期間の亜硝酸塩については不適合となった水の分析結果の50パーセンタイルでは0.62mg/Lであり、95パーセンタイルでは1.85mg/Lであった。
(2) 乳児のメトヘモグロビン血症
 乳児のメトヘモグロビン血症発症における硝酸塩の役割、殊に微生物の役割及び消化器系の炎症機序は科学的に明らかになっていない。
(3) 国際がん研究機関(IARC)の評価
 IARCは下記のように考えている。
1)飲料水に含まれる硝酸塩の発がん性に関しては十分なデータがない、
2)亜硝酸塩の発がん性に関しては動物実験で得られたデータは限定的である、
3)体内でニトロソ化合物の生成する条件で硝酸塩及び亜硝酸塩を摂食したとき、発がん性を生じる可能性がある。
(4) JECFAの評価
 JECFAは2003年にラットの慢性暴露試験で硝酸塩のADIを3.7mg/kg体重/日に設定した。但し、ラットでは硝酸塩の消化管唾液再循環がないのでヒトのリスク評価にラットを毒性モデルとして使用することは適切でないと思料される。 
 2003年にJECFAがラットの実験から設定した亜硝酸塩のADIは0.07mg/kg体重/日である。
3. 暴露データ
 暴露に関しては下記の点を考慮した。
(1)亜硝酸塩の食品経由(固形食品及び飲料水)摂取量のレベル
(2)外部から摂取した硝酸塩及び亜硝酸塩から生成する可能性のあるN-ニトロソ化合物の定量に関しては科学的不確実性があること
(3)水道水摂取に関しては2005年にTNS-Sofres社が64名を対象に3ヶ月間実施した調査のみで、この調査では乳児は水道水を摂取していないこと
4. 勧告
(1)水道原水の水源における水質を最大限に保全すること
(2)水道水の硝酸塩及び亜硝酸塩濃度を可及的速やかに少なくとも水質基準まで下げるような措置を講ずること
5. 結論
(1)硝酸塩水質基準濃度50mg/Lを遵守すれば、乳児のメトヘモグロビン血症リスクについては無視しうる範囲にある。
(2)乳児のメトヘモグロビン血症リスク評価の要素は統一されておらず、きちんとしたADIが設定されていないため、硝酸塩水質基準超過の場合に適用できる特例措置としての許容値を提案することはできない。従って、適切な動物試験で毒性試験を実施するべきである。
(3)日々の食品からの亜硝酸塩摂取量は、控えめな見積もりであるが、2003年にJECFAが提案した子供及び摂取量の多い大人の基準のADIの0.07mg/kg体重/日よりも高い、即ち亜硝酸塩濃度が水質基準0.5mg/Lを超える水の摂取は勧められない。
(4)現在の知見では、硝酸塩と亜硝酸塩の摂取量からN-ニトロソ化合物の体内生成量を定量することはできない。従ってこれらの摂取量と発がんリスクの関係を評価することができない。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
情報源(報道) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
URL http://www.afssa.fr/Documents/EAUX2004sa0067.pdf
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