食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu02390300188 |
タイトル | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、パン製品の表面殺菌方法として光パルスを使用することについての意見書を公表 |
資料日付 | 2008年4月10日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、パン製品の表面殺菌方法として光パルスを使用することについて競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)から諮問を受け、2007年11月30日、意見書を公表した。 1. 光パルス殺菌は高出力の白色光パルス(300μs)を1回から数回照射し行うものである。殺菌対象は、腸管出血性大腸菌O157:H7を含む大腸菌群、Listeria monocytogenes、Bacillus subtilis、Aspergillus niger、Penicillium属菌、黄色ブドウ球菌、Klebsiella terrigenaなどの細菌及び、クリプトスポリジウム[訳注:原文Cryptosporium parvumをCryptosporidium parvumの誤記と判断]やウイルスである。試験には、紫外線21%、赤外線30%、可視光49%から構成される照射光が用いられた。 2. 殺菌効果に関する評価 Pichia anomalaとAspergillus nigerについて行った試験では、照射8J/cm2でPichia anomalaは1/(10の5乗)、Aspergillus nigerは1/(10の6乗)に減少した。同様に照射4J/cm2の場合、Pichia anomalaは1/(10の3乗)、Aspergillus nigerは1/(10の5乗)に減少した。この殺菌処理による製品では、より長期間にわたりカビ類の発育を抑えることができた。光パルス殺菌の効果は認められるが、照射前の汚染程度が不明であることなど、効果を証明するデータに不備がある。 3. 製品の品質や栄養面への影響に関する評価 (1)微生物学的事項。光パルス殺菌は、紫外線処理や従来からある熱処理と比較して、より多くの好ましくない副産物を生成するようには考えられない。しかし、製品の再汚染の危険性等は考慮すべきである。 (2)栄養・毒性に関する事項。申請資料では、当該処理は栄養面に変化をもたらすものではないとしている。ただし、脂質が多い製品においては表面から深さ1mmまでの脂質を溶解する。しかし、光源、波長スペクトル、フルエンス[訳注参照]、処理時間などの詳細についてのデータが無い。また、食品中のたん白質変成を示す指標であるメイラード反応生成物に関するデータが無い。当該反応生成物は増加しており、アクリルアミド量を計測する必要性を示唆している。官能テストではパルス殺菌処理の影響はなく、45日間保存後でも栄養学的に満足のできるものであった。 4.包材の影響 ある波長における光パルス殺菌は、芳香族化合物の構造または共役二重結合C=Cを有する分子(特にDNA)に影響を及ぼす可能があると示唆する研究文献が存在する。これらは紫外線(UV)の影響で、UVは同様に揮発性成分も生成し、製品の官能品質にも影響をもたらす可能性があり、揮発成分や官能テストのデータの提出が必要である。 5.結論 光パルス殺菌はパン製品のビタミンや脂質の成分を有意に変化させるものではなく、有害微生物の突然変異や耐性を発生させるものではないと考える。 しかし、申請者は本試験と同じ成果を事業用プロセスで得られることを実証しなければならないとともに、製造のどの段階でどのように利用するのかを明らかにすることが望ましい。 よって、最終結論の前にAFSSAは下記のデータの提出を求める。 ・殺菌処理と計測までの時間経過に関するデータ、もし無い場合は、申請書の目的製品に含まれるチオバルビツール酸(TBA)と反応する物質(TBARS)に関するもの。 ・光パルス殺菌の効果とメイラード反応生成物に関するもの。 ・光パルス殺菌が包装材に及ぼす影響(包装材成分の移行及び包装材が受けるエネルギー) ・光パルス殺菌のエネルギー及び回数に関する処理上限。 [訳注:単位面積を通過する粒子やエネルギーの量を示すもの。単位時間当たりのフルエンスを粒子束密度やエネルギー束密度と言う場合もある。] |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
情報源(報道) | フランス食品衛生安全庁(AFSSA) |
URL | http://www.afssa.fr/Documents/MIC2006sa0318.pdf |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
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