食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu02150010149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、食品及び飲料中のカルバミン酸エチル及びシアン化水素に関する科学パネルの意見書を公表
資料日付 2007年10月29日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は、食品及び飲料中のカルバミン酸エチル及びシアン化水素に関する科学パネルの意見書(44ページ)を公表した。
 カルバミン酸エチルは、パン、醤油及びヨーグルトなどの発酵食品、ワインやビールなどのアルコール飲料に自然と存在しており、動物に対して遺伝毒性と発がん性、ヒトに対して発がん性を持つ可能性がある。欧州委員会は、食品及び飲料、特に石果の果実酒中のカルバミン酸エチル及びシアン化水素がもたらすヒトの健康へのリスクに関して評価を行うよう科学パネルに要請を行った。
 EU加盟国、米国のオンタリオ州やカリフォルニア州の酒造業界などから入手したデータによると、カルバミン酸エチルはアルコール飲料以外ではごくわずかの食品にしか含まれておらず、食品の41%には検出限界以下しか含まれていなかった。一方、ビールの約93%、ワインの42%、蒸留酒の15%以下でカルバミン酸エチルの含有量は検出限界以下であった。アルコール飲料中のカルバミン酸エチルの中央値は、ビール及びワインで5μg/L、果実酒以外の蒸留酒で22μg/L、果実酒で260μg/Lとなった。これらのデータから、アルコールを消費しない人が食品経由でカルバミン酸エチルに暴露する量は17ng/kg体重/日と推計される。また、様々なアルコール飲料を消費する人では、この値は65ng/kg体重に上昇し、もっぱら果実酒を消費する人の場合、この値は95パーセンタイルで558ng/kg体重/日にまで上昇すると考えられる。
 推計の結果、シアン化水素への食品経由でのヒトの暴露量は約1.6μg/kg体重/日となる。一般的な消費者のシアン化水素への暴露源は、主に食品であり、アルコール飲料からの暴露量はごく少量である。果実酒の消費量の95パーセンタイル、シアン化水素水準の95パーセンタイルを基に食品経由でのシアン化水素の暴露量を推計すると24μg/kg体重/日となり、これは望ましくない量である。
 カルバミン酸エチルへの暴露シナリオに基づき、暴露マージン(MOE)とBMDL10を使用してリスク評価を行った。MOEは、アルコール飲料に含まれる中央値のカルバミン酸エチルを摂取し、BMDL10の値を0.3mg/kg体重/日と設定して計算した。ここで、MOE10
,000以上が公衆衛生に対して危険性が低いと判断される数字である。
 計算の結果、アルコール飲料を除いた食品中のカルバミン酸エチルのMOEは18
,000となり、ヒトの健康に対する危険性は低いという結論に至った。しかし、様々なアルコール飲料とともに食品を摂取した場合、MOEは約5
,000となり、果実酒やテキーラを大量に消費した場合、MOEは600以下となった。以上から、特に果実酒やテキーラの消費者は、MOEが低くなる可能性があり、これら酒類中のカルバミン酸エチルは健康に対して危険性があると考えられる。
 今後、果実酒などの特定の酒類中のカルバミン酸エチルの水準を引き下げる措置をとり、シアン化水素やカルバミン酸エチルの前駆物質に注目し、果実酒などの貯蔵期間中にカルバミン酸エチルの生成を抑える対策を検討する必要がある。
 EFSAは2008年8月1日、当該意見書からテキーラに関する記述を削除した旨を公表した。当初の意見書に記載されたテキーラ中のカルバミン酸エチル濃度に関するデータが未確認のものであり、ほかに入手できるテキーラの関連データがないための措置。当該意見書は、改訂されたものに置き換えられた。
 当該情報は以下のURLで入手可能。
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1178655060600.htm
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL http://www.efsa.europa.eu/EFSA/Scientific_Opinion/Contam_ej551_ethylcarbamate_en
,1.pdf
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