食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu01740170343
タイトル フランス衛生監視研究所(InVS)、2002年?2004年のフランス本土におけるヒトのブルセラ症に関する研究
資料日付 2007年1月4日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス衛生監視研究所(InVS)は、2002年?2004年のフランス本土におけるヒトのブルセラ症に関する研究報告書(59ページ)及び概要(英語版併記)を公表した。概要は次のとおり。
①背景
 ブルセラ症は、公衆衛生の観点からは届出が義務づけられ、動物衛生の観点からは殺処分及びワクチン接種に基づいた伝染病予防措置が講じられている人獣共通感染症である。動物のブルセラ病対策が功を奏し、フランスは2005年に「公式に牛ブルセラ病フリー」の地位を獲得しており、2003年以降反すう動物のブルセラ病症例は報告されていない。こうした背景から、フランスで診断されたブルセラ症のヒト症例に関する調査を行なうことで、残存するリスク要因を突き止め、ヒトにおける予防措置の方向付けを行なうことにした。
②調査の材料及び方法
 2002年6月?2004年6月にフランスで報告されたブルセラ症症例について記述的研究を行なった。症例の定義は、次に示す確定症例及び推定症例に一致する臨床所見を示す全ての患者とされた。すなわち確定症例については、菌が分離されるか、凝集反応・間接免疫蛍光法のいずれかを用い15日間の間隔をあけて採取した2検体から抗ブルセラ血清の抗原価の4倍増が確認されるか、又は血清変換がある場合とする。推定症例については、1検体で血清学的な力価が高くなるとともにブルセラ症以外の診断が排除される場合とする。規格統一された質問表を用いることで、各症例について、臨床・生物学的データ及びブルセラ症のリスク要因(生乳製品の摂取、動物との接触)に関するデータが収集された。
③結果
 当該期間中に105件の通報があり、うち症例は72人、症例定義にあてはまらない誤った症例(faux cas/false case)は26人(25%)であった。ブルセラ症の年間発生率は10万人につき0.05人である。症例の32%が局部の臨床症状を示し、関節炎が最も多かった。49症例(65%)が、菌の分離により診断が確定した。80%が輸入症例であった(風土病地域への旅行中に感染したか、またはその地域から持ち帰ったチーズの摂取による)。滞在中に症例が感染した主な国はポルトガル(n=14)、アルジェリア(n=7) 及びトルコ(n=6)である。症例は偽症例に比べ、風土病地域で動物と接触する機会が有意に多く(p=0.05)、輸入された乳製品を摂取する機会も多かった(p=0.004)。
④結論
 今回の調査によって、動物衛生の観点から講じられる伝染病予防措置の有効性が確認された。フランスで動物のブルセラ病が消滅するとともに、ヒトのブルセラ症の発生率も大きく低減し、今や症例の大半が輸入症例となった。このように有病率が非常に低く、偽症例が多い状況では、直接診断を優先して誤った症例の数を少なく止めるべきである。サーベイランスの質を向上させるためには、菌の分離又は血清学的な力価の増加により診断が下された症例だけを考慮に入れるなど、サーベイランスの特異性を高めるための対策を講じるよう勧告する。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス衛生監視研究所(InVS)
情報源(報道) フランス衛生監視研究所(InVS)
URL http://www.invs.sante.fr/display/?doc=publications/2007/brucelloses_2002_2004/index.html
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