食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu01580140188
タイトル フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、食品中の臭素系難燃剤に起因するリスクの評価に関する意見書
資料日付 2006年7月24日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、食品中の臭素系難燃剤に起因するリスクを評価し、フランス人の当該汚染物質への暴露量をより正確に把握するために分析すべき化合物の種類及び検体を特定するよう食品総局から依頼された。本意見書は、情報源のURLから全文入手可能(参考文献付きで全31ページ)。
1 背景
 臭素系難燃剤は、電気製品及び電子回路のプラスティック原料等に使用される化学製品である。主な臭素系難燃剤として、テトラブロモビスフェノールA(TBBPA)、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE) (欧州で許可されているのはdeca-BDEのみ)及びポリブロモビフェニル(PBB)(欧州では禁止されており、2000年以降製造されていない)が挙げられる。世界の臭素系難燃剤生産量は、2003年に約20万トンにのぼり、そのうちの60%近くがTBBPA、30%以上がPBDE、5%~10%がHBCDである。臭素系難燃剤は幅広く使用されており、残留性があるため、環境を経由してフードチェーンを汚染する可能性がある。
2 検討内容
 本意見書では、食品中の臭素系難燃剤に起因する消費者へのリスクを評価するため、臭素系難燃剤に用いられる分子の健康への影響、食品の汚染状況及び集団への暴露について得られた知見を報告する。検討対象をPBDEに絞り、次の5点を軸に考察を行なった。
①PBDEの主な毒性学的データの紹介
②これまでに分かっている暴露源並びに文献及びフランス国内で入手可能な食品汚染データ
③文献で報告されている人体への浸潤レベル
④サーベイランス及び検査計画に指針を与えるための化合物の種類及び検体の特定
⑤分析方法の特定
3 結論及び勧告
①deca-BDEは世界規模で最も使用量が多い。この化合物は、その物理化学的特性から生体内での蓄積及び生物学的利用能は比較的低いが、紫外線の影響下で変質し、臭素の数が少ないPBDEを産生するおそれがある。
②PBDEの毒物動態学に関する研究は比較的資料が少なく、deca-BDE、特定のpenta-BDE及びtetra-BDEに限定される。脂肪組織におけるBDE-209の残留性は比較的低いが、BDE-47及びBDE-153の残留性はより高い。この結果は、肉類及び魚類など脂質が豊富な食品にこの2種のBDEが多く見られる事実と一致する。
 PBDEに起因するリスクを評価するにはこれらの生体内での動態及び代謝に関する資料を十分に収集することが必要不可欠であることから、国際的に認められた手順に従い毒物動態学試験の実施を促進するよう勧告する。
③毒性学的データが不十分で、適切な毒性学的参照値を設定することができない。
 PBDEの影響評価に向けて、国際的に認められた手順に従い毒性試験を実施するよう勧告する。
④食品からの暴露の主要なベクターとして、暴露量の多い順に、魚類、海産物、乳・乳製品及び肉類が挙げられる。海産物に関するデータは既に入手されているが、肉類及び乳・乳製品など暴露に大きく関与するおそれのある製品については、国内ではデータが入手されていないことから、これらの製品中のPBDE調査を優先的に行うよう勧告する。
⑤ヒト又は食品由来の検体に多く見つかるPBDEの分析が優先課題である。
 PBDEのなかでも、28、47、99、100、153、154、183及び209の測定を行なうよう勧告する。また、他の臭素系難燃剤に関するデータの収集が今後必要になる可能性があることから、HBCD、TBBPA及びPBB153についても調査するよう勧告する EFSAの意見書に賛同する。
⑥検査法については、今のところガスクロマトグラフィー/質量分析法が、ヒト又は食品由来の検体中のPBDE測定に最も適している。しかし、サンプル汚染等の問題があることから、検査は専門的な研究所だけが行うべきである。PBDEの分析を担当する研究所においては、結果の信頼性を保証するのに必要なあらゆる措置が講じられていることを確認するよう勧告する。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
情報源(報道) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
URL http://www.afssa.fr/Ftp/Afssa/36913-36914.pdf
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