食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu01570220329
タイトル 英国海綿状脳症諮問委員会(SEAC)、手術用器具の汚染物質除去技術に対する評価方法に関する現状報告書を公表
資料日付 2006年8月31日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  英国海綿状脳症諮問委員会(SEAC)は8月31日、手術用器具の汚染物質除去技術に対する評価方法に関する現状報告書を公表した。概要は以下のとおり。
1.課題
 科学工学諮問委員会(Engineering and Science Advisory Committee)は、手術用器具の汚染物質除去技術に対する評価及び確認に関する方針を策定するための科学的原理について、SEACの助言を求めた。
2.背景
(1)プリオン等の生体物質に由来する残渣は、手術用器具の表面に付着し、通常の洗浄、消毒及び殺菌工程では十分に除去出来ず、特にステンレススチールに付着したプリオンは非常に除去しにくい。そのため、手術用器具を介して感染者からその他疾病患者へ汚染物質の伝達の可能性がある。また、汚染した器具による孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病(sCJD)の伝達については、少数ではあるが既に報告されている。
(2)変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の手術用器具による伝達は報告されていないが、効果的な器具の汚染物質除去技術を確立することは緊急の課題である。
(3)多くの汚染物質除去技術が報告されているが、これらの効果を評価し比較できる標準化されたシステムは確立されていない。
3.評価システムの鍵となる判断基準
(1)鍵となる判断基準は、以下のとおり。
①広い領域における定量化、②実験方法の標準化、③除去技術の効果に対する信頼に足る予測等
(2)精細な評価を得るために、新たな試験法で使用される試験用サンプルは、滴定法に使用されるサンプルと同一のものを、同様の方法で調製されなければならない。また、汚染物質を6桁のレベルで減らす必要があることから、評価方法は、これ以上のダイナミック・レンジで汚染物質の減少を定量化する必要がある。
(3)動物モデルによる感染価バイオアッセイが汚染物質除去の効果を定量化するのに最も適している。生化学アッセイ法は、特定条件下ではプリオンの除去、分解及び不活性化の測定の際に、非定型プリオンたん白質(PrPsc)の濃度が感染性の滴定結果と相関性が見いだせないなどの理由から不適である。
(4)正確な比較のため、分析法、使用する汚染物質、試験材料の調製法及び滴定法に用いる材料等の標準化が必要である。
(5)より臨床環境に合わせた中で、除去技術の評価を実施すべきである。
(6)単独の動物モデルでは、完全にヒトの状況を再現できないため、複数の動物モデルを使用すべきである。
(7)評価に当たり、他の病原体除去についても考慮すべきである。
4.各アッセイの選択について
 十分に大きいダイナミック・レンジを持つ細胞を使用する感染価のアッセイは、新規の汚染物質除去技術の効果に対する予備評価(感染価バイオアッセイを用いる大規模な評価の前の)には有効である。 生化学アッセイ法は、汚染物質除去の機序を検査するため、並びに既に確立された除去技術の性能を殺菌サービス部(Sterile Service Departments:SSDs)が監視するために有効と考えられる。
5.手術用器具上での乾燥した汚染物質の除去に関する抵抗性
 SSDsから受け取る器具は、汚染物質が乾燥された状態で提出されることが多い。乾燥した状態の方が、湿潤状態より分解しにくいという証拠もあるため、汚染物質除去効果の評価に際しては、乾燥及び湿潤状態でのステンレススチールからの除去結果を比較すべきである。
6.結論
 新しい汚染物質除去技術の実施前に、その効果及び信頼性について中立的かつ定量的な方法で評価することを強く推奨する。今後の評価方法は、標準化を実施し、vCJD感染価又はそれに類似したプリオンのステンレススチールへ付着した汚染物質の除去効果の定量化を含むべきである。また乾燥及び湿潤状態での汚染物質のステンレススチールからの除去のし易さを検証する研究を実施すべきである。
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国海綿状脳症諮問委員会(SEAC)
情報源(報道) 英国海綿状脳症諮問委員会(SEAC)
URL http://www.seac.gov.uk/statements/statement310806.htm
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