食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu01440390305
タイトル Eurosurveillance、バリン同型接合体でもvCJDを確認
資料日付 2006年6月5日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  EUのEurosurveillanceは、「バリン同型接合体でもvCJDを確認」と題する報告書を掲載している。(情報源:National Creutzfeldt-Jakob Disease Surveillance Unit
, University of Edinburgh
, Edinburgh
, United Kingdom(以下全文翻訳))
 今や新たなヒト遺伝子型がvCJDの感染に影響されやすいという証拠がある。以前の有病率研究で、vCJD感染の指標であるプリオンたん白質の蓄積が、虫垂および扁桃の検体12
,674件中3件に見られたが、これは現在報告されている臨床件数に照らして予想以上の数である。この最近の研究で、陽性3例中の2例についてプリオンたん白質遺伝子(PRNP)の配列が分析された(1例は分析に利用不能であった)。2例はPRNPのコドン129においてバリン同型接合体(VV)であった。この遺伝子型は英国人口の約10%に見られる。これは、vCJD感染の証拠がコドン129バリン同型接合体において発見された初めての例である。
 現在までに世界で191例のvCJD確定(definite)例およびほぼ確実(probable)例が報告されている。このうち161例が英国、25例が欧州諸国、5例が欧州以外である。検査を実施した全例がPRNPのコドン129においてメチオニン同型接合体(MM)であったが、これは英国人口の約40%に見られる。また、以前の症例として、医原性感染(供血経由)が1例報告されているが、当該患者はPRNPコドン129においてメチオニン/バリン異型接合体(MV)であった。英国人口の50%は同遺伝子のコドン129において異型接合体であると推定される。
【重要な含意】
 PRNPコドン129遺伝子型に関する本情報は、全英国民(つまりあらゆるPRNPコドン129遺伝子型)がvCJD感染に感受性であることを示すもので、これまでに知られていなかったことである。有病率研究で用いる免疫組織化学法は特殊と見られるが、100%の感度は見込めないことから、英国民における真の有病率は本研究の推定よりもむしろ高くなるとみられる。したがって、結果が示唆するところは、疾患のキャリアーたる母集団の部分集合が存在する可能性があり(非MM遺伝子型を持つ60%の人口)、このようなキャリアーは、長期の潜伏期を有するかCJDを発現する前に死亡する可能性がある。本所見は、PRNPコドン129MV及びVV遺伝子型は異種の表現型を持ち、MM遺伝子型よりも潜伏期間が長いという、クールー病研究及び最近のトランスジェニック・マウスにおける研究により支持される。
 このようなキャリアーは供血、外科的手技又は器官・組織提供を通じて疾患を波及させ得るため、本所見には公衆衛生上重要な含意がある。予防対策を講じなければ、自続的(self-sustaining)な二次流行の恐れがある。よって、世界の諸国家は、かかる結果を予防すべく各種公衆衛生対策を講じてきたところである。しかしながら、信頼できる検査が利用できるようになるまでの間、特定可能なリスクや血液成分中の白血球減少が認められる供血者の排除、医療・外科器材の除染及び血液用プリオン・フィルターの開発等の対策に頼らなければならない。
 かかる基本的公衆衛生対策の実施に加えて、MV及びVVコドン129遺伝子型が別の臨床上の表現型を呈する可能性を探るため、またvCJD感染の二次伝播をモニターするため、我々はvCJDのサーベイランスを続行しなければならない。もう一つの優先課題は、英国民における不顕性のvCJD感染の有病率判定に努めることである。これは現在、英国健康保護庁が全国無記名扁桃記録(National Anonymous Tonsil Archive)の形で実施中である。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州連合(EU)
情報源(報道) Eurosurveilance
URL http://www.eurosurveillance.org/ew/2006/060601.asp#3
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