食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu01060390188
タイトル フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、リコピン使用に関するリスク評価意見書
資料日付 2005年8月26日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は競争消費不正抑止総局から、食品成分としてのリコピン使用に関するリスク評価を依頼された。
 依頼の対象は、特にサプリメントとして、リコピン含有食品を繰り返し、かつ/または長期間摂取した場合の消費者の健康リスク評価であり、従ってリコピンの合成型を含む全般的な見解を示すものとなる。
【背景】リコピンは着色料として、欧州レベルでは1987年に食品科学委員会(SCF)が、国際レベルではFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)が1978年に評価を実施した。天然由来リコピンにADIを設定することはできなかったが、着色料としての使用を許可した。SCFは1999年に、酸素の作用に高い感受性を示すとしてシス型異性体を高濃度に含む合成リコピンへの許可拡大申請を却下した。欧州食品安全機関(EFSA)は2005年、Blakeslea trispora菌によって合成したリコピン使用について意見書を出し、通常の平均摂取量に加え、本製品により2mg/dayを摂取しても消費者へのリスクとはならないとしたが、これはサプリメントによる摂取を除いたものである。フランスでは着色料として赤トマト抽出リコピンの使用は許可されている。米国食品医薬品庁(FDA)は化学合成で得られる結晶化リコピンを「GRAS物質」(一般に安全と認められる物質)リストに記載している。AFSSAは食品成分としてのリコピン使用について3回(2004年1月、6月及び10月)意見書を出している。
【結論】
①現在フランス国民において観察される最も高いリコピン摂取量は、およそ20mg/dayと推定される。
②慢性疾患(がん、心血管疾患)悪化リスクに対するリコピンの保護作用を示唆するデータは決定的であるとはいえない。
③リコピンの腸内吸収は、容量に応じて飽和状態となる。
④リコピンの生体内利用能はベータカロテンより低く、リコピンはヒト体内でベータカロテンに変化せず、またビタミンAの活性代謝産物の前駆体ではない。
⑤ベーターカロテンで実施された同様の方法でのリコピンの酸化促進作用のモデルはない。
⑥現在の知見からは、食品成分としてのリコピンの長期摂取に結びつくリスクを評価することはできない。
 AFSSAは以上の点を考慮し、サプリメント摂取も含めて、リコピンの全摂取量が20mg/dayを超えることは必要かつ有益であるとは考えない。現在の優先課題は、リコピンの摂取量を大幅に増やすのではなく、どのような条件で生体内利用能が高まるのかを検討すると同時に、利用可能な上限値(今のところ20mgと推定)を明確にすることである。これらのデータ入手して初めて上限摂取量の見直しが可能となる。リコピンの摂取形態はその生体内利用能を大きく左右する。合成リコピンを油を含む複合物として摂取するほうが、天然リコピンをトマトピューレ抽出物として摂取するより生体内利用能は高い。
 リコピンの合成型使用は、トマト抽出物由来リコピンと比較した生体内利用能のデータに基づき、案件ごとに個々の評価を行なうべきである。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
情報源(報道) AFSSA
URL http://www.afssa.fr/Ftp/Afssa/31230-31231.pdfku
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