食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu01040080188
タイトル フランス食品衛生安全庁(AFSSA)、りんご中の残留物質に係るリスク評価意見書
資料日付 2005年8月9日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は、チリから発送された複数品種のりんごにおける2種の化学物質(TBP:トリブロモフェノール及びTBA:トリブロモアニソール(TBPの代謝産物))のヒトの健康に対するリスク評価を競争消費抑止不正総局から依頼された。
 TBPは、チリで木材加工に許可された防黴剤であるり、ヨーロッパでは農薬(植物用薬剤:produits phytopharmaceutiques)としても、殺生物剤としても許可されていない。TBPで加工処理された運搬用パレットがりんごの汚染源とされる。
【TBPの物理化学特性に関するデータ】TBPは水に70mg/Lで溶けるが、親脂肪性を示す。微生物によって分解されることはほどんどない。
【TBPの毒性学的特性に関するデータ】急性毒性試験から、ラットの経口投与でLD50(半数致死量)が1905~5012mg/kg、ラットの吸入投与(4時間)でLC50(半数致死濃度)が1.63~50mg/L、兎の経皮投与でLD50が2000~8000mg/kgとされ、TBPは急性投与でほとんど毒性がないことが示された。反復経口投与試験及び発がん性試験は入手できなかった。TBPの遺伝毒性について、in vitroではエームス試験等によって、またin vivoではマウスの小核試験によって調査した結果、いずれも陰性であった。TBPの生殖・成長作用に係る試験から、NOELは100mg/kg体重/日、NOAELは1.2mg/kg体重/日と特定できることなどが示された。しかし以上の結果にはいくつかの不備があることから、かなり慎重に扱う必要がある。TBAについては、いかなる毒性学的データも入手できなかった。
【毒性学的参照量】100mg/kg体重/日のNOELは信頼性が低く採用することはできない。1.2mg/kg体重/日のNOAELは条件付で規定することが可能であり、当該試験の不確実性を考慮し500の安全係数を適用すると、毒性学的参照値は2.4μg/kg 体重/日と考えることができる。
【暴露アプローチ】この毒性学的参照値は短期間で得られた試験結果に由来するものであることから、暴露量の算定は大量摂取者(95パーセンタイル)に限定する。当該りんごを4回分析した結果、TBPは0.25~2.2mg/kg、またTBAは0.04~0.45mg/kg含まれていた。一般集団又はりんごを特に摂取する傾向がある集団におけるりんご摂取データ及び最大汚染データ(2.65mg/kg)に基づくと、大量摂取者の暴露はいずれも毒性学的参照値を大きく上回っていた(一般集団:子供は7.9μg/kg体重/日、大人は6.6μg/kg体重/日、りんごを特に摂取する傾向がある集団:子供は11.5μg/kg体重/日、大人は9.9μg/kg体重/日)。
 入手可能な毒性学的データ及び推定暴露レベルを考慮すると、当該物質で汚染されたりんごを生又は加工して摂取した場合の衛生安全は確保できない。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品衛生安全庁(AFSSA)
情報源(報道) AFSSA
URL http://www.afssa.fr/Ftp/Afssa/31057-31058.pdf
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