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資料管理ID syu06760120535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、ビスフェノールA(BPA)に関するCOTポジションペーパーへの補足声明書を公表【3/3】 (1/3)
資料日付 2026年7月6日
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概要(記事) (この記事は 1 / 3 ページ目です)
 英国毒性委員会(COT)は7月6日、ビスフェノールA(BPA)に関するCOTポジションペーパーへの補足声明書を公表した。概要は以下のとおり。【3/3】
 PODに関する検討
 EFSA(2023)(文献2)は、HBGVの導出に用いるPODとして、BMDL40である0.53 μg/kg体重/日を特定した。これは、妊娠マウスをBPA 0.475、4.75及び47.5 μg/kg体重/日に相当する用量にばく露したLuoら(2016)(文献9)の研究に基づくものである。一方、BfR(2023)(文献3)は、Liuら(2013)(文献17)の研究(用量範囲2~200 μg/kg体重/日)から導出したBMDL10(26 μg/kg体重/日)及び、SrivastavaとGupta(2018)(文献18)の研究(用量範囲50~1,000 μg/kg体重/日)に基づくNOAEL(50 μg/kg体重/日)をPODとして採用した。
 Molangiriら(2022)(文献19)及びDarmaniとAlkhatib(2024)(文献31)の研究を除くと、最近の文献検索で特定された研究の用量範囲又はPODは、EFSA及びBfRが採用したPODより数桁上回るものであった。Molangiriら(2022)(文献19)は、ラットを0.4 μg/kg体重/日のBPAにばく露した。この用量は、EFSAが2023年に導出したBMDL40をわずかに下回り、BfRが採用したPODの約100分の1に相当した。著者らは、雄の出生仔における体重増加、エストロゲン関連受容体γ(ERRγ)の発現低下及び遺伝子発現の変化などの有意な影響を報告した。また、精巣の形態学的変化として、精細管の配列の乱れ、形態が不規則なライディッヒ細胞(訳注 ライディッヒ細胞は、精巣の精細管の間にある間質に存在する内分泌細胞である)及び精細管内腔における成熟精子数の減少が認められた。DarmaniとAlkhatib(2024)(文献31)は、BPAジメタクリレート(dimethacrylate)(BPA-DMA) 10 μg/kg体重/日のばく露後に血清ホルモン濃度の変化が認められたと報告した。この用量は、BfRが採用したPODを下回る一方で、EFSAが採用したBMDL40の20倍であった。
 DarmaniとAlkhatib(2024)(文献31)の研究で報告された影響は、BfRが設定したPODを下回る用量で認められたものの、その対象はBPAそのものではなくBPA-DMAであった。したがって、これらの結果は有害影響の可能性を示唆するものではあるが、BPA-DMAで認められた影響が、同一用量におけるBPAの影響と整合するかどうかは明らかではない。また、影響が認められた用量は、依然としてEFSAが採用したPODを上回っていた。一方、Molangiriら(2022)(文献19)の結果は、より低い用量ではあるものの、胎内ばく露後の雄の出生仔に有害影響が認められることを示した点で従来の研究結果と一致していた。しかし、この研究はBPAよりもBPSを主たる対象としたものであった。報告された用量レベルで当該影響が一貫して認められることを十分に立証するためには、さらなるデータが必要である。
 これら2件の研究は、いずれもBPAに関する知見の蓄積に貢献するものではあったが、COTは、これらの新たなエビデンスだけでは、現在のBfRとの見解の一致を見直すほどのものではなく、また、現行のTDIがBPAの有害影響に対して十分に保護的ではないことを示唆するに足るものでもないと判断した。
 TDIの設定
 EFSA及びBfRはともに、利用可能なエビデンスの解釈及びリスク評価結果の相違が、適用した評価手法及び方法論の違いに起因することを認めていた。主な相違点は、有害影響の定義、科学的情報の採用又は除外、中間エンドポイントとアピカル・エンドポイントのいずれを用いるか、不確実性解析の方法、及びHEDF(ヒト等価用量変換係数)の取扱いにあった。
 BfRは、HBGVの導出に用いるPODを設定するため、適切と判断されたすべての試験についてBMDモデリングを実施した。雄の生殖への影響がクリティカル・エンドポイントとされた一方で、免疫毒性試験についてもBMDモデリングを行い、導出されるHBGVが免疫学的影響に対してもどの程度保護的であるかを評価した。利用可能なすべてのエビデンスを総合的に評価した結果、BfRは、ラットを用いた2件の亜慢性試験(Liuら(2013)(文献17), SrivastavaとGupta(2018)(文献18))で認められた精子数減少の影響用量に基づいてTDIを導出した。NOAELが試験最高用量であった研究については、ベンチマーク応答がどの用量で到達したか、あるいは到達したかどうか自体が不明であったため、その後の評価から除外した。選定された2件の試験については、世界保健機関/国際化学物質安全性計画(WHO/IPCS(2017)(文献32))の手法に基づく確率論的不確実性評価が実施された。EFSAが採用した決定論的アプローチとは異なり、この手法ではトキシコキネティクス・データから得られるHED(ヒト等価用量)の分布を、その他の不確実性に関する典型的な分布と組み合わせて評価された。
 EFSA及びBfRはともに、PODからTDIを導出する際に、種間外挿に用いるトキシコキネティクスの標準サブファクター(訳注 種間外挿係数のうち、吸収・分布・代謝・排泄(ADME)の種差を補正するための標準係数)をBPAに特異的なHEDFで置き換えた。COTは、両機関が同じヒトデータを適用したものの、異なる動物試験を用いた結果、算出されたHEDに約2桁の差が生じたと指摘した。さらに、この違いに加え、TDI導出の方法論(決定論的アプローチと確率論的アプローチ)の違いによって、最終的なHBGVには約3桁の差が生じることとなった。BfRが採用した手法には、TDI導出において相当程度の保守的な仮定が組み込まれていたものの、COTは、全体的な評価において不必要な保守性は回避されていると判断した。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06760121535)
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://www.gov.uk/government/publications/supplementary-statement-to-the-cots-position-paper-on-bisphenol-a-bpa/supplementary-statement-to-the-cots-position-paper-on-bisphenol-a-bpa