食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu06760110535 |
| タイトル | 英国毒性委員会(COT)、ビスフェノールA(BPA)に関するCOTポジションペーパーへの補足声明書を公表【2/3】 (1/4) |
| 資料日付 | 2026年7月6日 |
| 分類1 | - |
| 分類2 | - |
| 概要(記事) | (この記事は 1 / 4 ページ目です) 英国毒性委員会(COT)は7月6日、ビスフェノールA(BPA)に関するCOTポジションペーパーへの補足声明書を公表した。概要は以下のとおり。【2/3】 生殖への影響 EFSAは2015年、当時利用可能であったエビデンスに基づき、BPAが生殖に有害な影響を及ぼすと結論した。しかしながら、その影響には、幅広い用量範囲にわたって大きなばらつきが認められた。2023年、EFSAは、BPAが実験動物において発達及び雌・雄の生殖機能に有害な影響を及ぼす、すなわち有害影響が「あり得る(likely)」との結論を改めて示した。しかし、前回の評価と同様に、ヒトにおけるBPAばく露と発達影響及び/又は生殖影響との因果関係を立証するには、利用可能なヒトのデータは不十分であると判断した。 BfRは2023年、新たな知見を含めてもデータのばらつきは依然として大きいことを認めながらも、雄の生殖への影響をBPAの重要な有害影響とみなすに足る科学的根拠があると判断した。この判断は、EFSA(2023)(文献2)が最も有力なエンドポイントとして特定した精子の運動性、精巣組織及び精巣上体組織の変化に着目したWoEアプローチに基づくものであった。BfRは、ラットを用いた2件の試験で観察された精子数の減少を根拠としてTDI(耐容一日摂取量)を導出した。Liuら(2013)(文献17)は、9週齢の雄ウィスター(Wistar)ラットにBPAを2、20、又は200 μg/kg体重/日の用量で60日間強制経口投与し、200 μg/kg体重/日において精子数への有意な影響を報告した。また、SrivastavaとGupta(2018)(文献18)は、成体の雄ウィスターアルビノラットをBPA 5、50、及び100 μg/100g体重/日(それぞれ50、500、及び1000 μg/kg体重/日に相当)に90日間ばく露した。その結果、500 μg/kg体重/日で精子数への有意な影響が認められ、500及び1000 μg/kg体重/日では精巣重量の用量依存的な減少が認められた。一方、50 μg/kg体重/日では影響は認められなかった。 COTは、EFSA及びBfRが採用したWoEアプローチを詳細に検討した結果、BfRが主要なエンドポイントとして選択した「雄の生殖」に同意した。しかし、関連する情報が漏れなく評価されるようにするため、COTはBfRの評価以降に公表された生殖影響に関する知見についても検討した。BfRが用いたWoEアプローチとの整合性を保ち、適切なエンドポイントを評価するため、新たなエビデンスは発生・生殖過程の3つの段階に基づいて分類され、さらに雄及び雌の生殖生物学に関する研究に区分された(図1(略))。 生殖エンドポイントに関する70件の新たな研究の大部分は、作用機序に関する研究、又はin vitro試験であった。これらの研究は、比較的一貫した用量範囲における作用機序に関する情報を提供するという点では補足的なエビデンスとなったものの、生殖影響に関するBPAの作用機序について、新たな知見をもたらすものではなかった。 in vivo試験の多くは、各種物質(天然由来物質を含む)によるBPAの影響を軽減する介入に焦点を当てていた。一方、Molangiriら(2022)(文献19)及びSturmら(2022)(文献20)は、それぞれ妊娠期間中に0.4~40 μg/kg体重/日及び25 μg/kg体重/日の用量でBPAにばく露した後の雄の生殖に関するエンドポイントを評価した。 Molangiriら(2022)(文献19)は、血漿中テストステロン濃度の上昇、精巣組織膜の肥厚及び精子運動性の低下など、雄の生殖への影響を報告した。これらの影響には、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ-プロテインキナーゼB(phosphatidylinositol 3-kinase-protein kinase B(PI3K-AKT))シグナル伝達の障害及び精巣発現遺伝子11(TEX11)の発現増加が関与しているとされた。また、本研究は、胎内における感受性の高い期間が存在することを示唆しており、この時期のばく露が雄の生殖機能に長期的影響を及ぼす可能性があるとしている。 対照的に、Sturmら(2022)(文献20)の研究では、生殖への影響は報告されなかった。精巣組織において、精細管上皮高の低下などの軽微な変化は観察されたものの、これらの変化はアピカル・エンドポイントには影響を及ぼさなかった。本研究で用いられたBPA投与量は、他の研究においてLOAEL(最小毒性量)又はNOAEL(無毒性量)として報告されている用量と同程度であった。そのため、本研究は既存のデータベースを拡充するとともに、NOAEL及びLOAELに関する知見の根拠基盤を強化するものと考えられた。 近年のBPAに関する疫学研究は限られていた。2件のバイオモニタリング研究により、ヒトのBPAばく露及び集団に対する潜在的リスクに関する追加的なエビデンスが得られたものの、生殖又は生殖能に関するエンドポイントのデータは不足していた(Hwangら(2023)(文献21)、Holmboeら(2022)(文献22))。Jesetaら(2024)(文献23)が2019~2021年に17~62歳の男性385名を対象として実施した横断研究は、男性の精液試料中のBPAについて有用な評価結果を提供した。その結果、BPAばく露は精子運動能の低下及び精子形態の変化と有意な相関を示した一方で、精子濃度、精液量、総精子数などの従来の精子健康指標や、精子DNAの完全性との関連は認められなかった。 (次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06760111535) |
| 地域 | 欧州 |
| 国・地方 | 英国 |
| 情報源(公的機関) | 英国毒性委員会(COT) |
| 情報源(報道) | 英国毒性委員会(COT) |
| URL | https://www.gov.uk/government/publications/supplementary-statement-to-the-cots-position-paper-on-bisphenol-a-bpa/supplementary-statement-to-the-cots-position-paper-on-bisphenol-a-bpa |