食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06670040535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、妊娠中の女性の食事における緑茶と紅茶に含まれる化学物質(カフェイン以外)の潜在的リスクに関するスコーピング・ペーパーを公表【3/4】 (1/3)
資料日付 2026年1月27日
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 英国毒性委員会(COT)は1月27日、妊娠中の女性の食事における緑茶と紅茶に含まれる化学物質(カフェイン以外)の潜在的リスクに関するスコーピング・ペーパーを公表した。概要(抜粋)は以下のとおり。【3/4】
 マンガン
 OzdemirとGucer(1998)(※補足28)は、茶葉及び茶葉抽出液におけるマンガンを同定するための元素形態別分析手法を開発した。5種類の茶葉におけるマンガンの含有量は、1,107~2,205 μg/g(乾燥重量)の範囲であった。また、茶葉抽出液へはMn(II)(補足 マンガン(Mn)が2価の陽イオン(Mn2+)として存在する状態)の30%が移行することが確認された。
 小児における極めて高いレベルのマンガンばく露は、脳の発達に影響を与える可能性がある。しかし、小児が成人よりも感受性が高いかどうかは不明である。妊娠中のマンガンばく露は、母体に影響が認められない用量であれば、胎児に障害を引き起こす可能性は低い(UKHSA, 2024)(※補足29)。しかし、いくつかの研究では、マンガン濃度が高いほど、妊娠合併症のオッズ比が上昇すること(Iqbal et al., 2020)(※補足30)、早産のリスクが上昇すること(Bakoueiら, 2015)(※補足31)、子癇前症(preeclampsia)のリスクと関連すること(Liuら, 2020)(※補足32)が報告されている。
 FSAにより2000年に実施され最新のTDSが利用可能になっていることを受け、COTはマンガンの安全性に関する評価を更新した(COT, 2003b)(※補足33)。しかし、食事によるマンガンへのばく露に関連した毒性学的リスクの有無を判断するには情報が不十分であり、COTは妊娠、授乳中の女性などの特定集団について特に検討しなかった。また、0~12か月の乳児及び1~5歳の小児の食事におけるマンガンによる潜在的リスクに関する評価では、子宮内マンガンばく露による神経学的有害影響を考慮したデータを含めて検討したが、COTは「ヒトで観察された有害影響を食事性ばく露に関連付けることはできず、したがって、現在の食事性ばく露が0~5歳の小児の神経発達に及ぼす影響について明確な結論を導くことはできない」と結論した(COT, 2018)(※補足34)。
 2023年、EFSAの栄養・新食品・食物アレルゲンに関するパネル(NDAパネル)は、マンガンの耐容上限摂取量に関する科学的意見書を公表した。利用可能なヒト及び動物の研究に基づき、神経毒性が重要な有害影響として特定された。しかし、用量反応関係を特徴づけ、マンガンによる神経毒性の基準値(reference point)を特定するには、データが十分ではなく、また適切でもなかった。EFSAは、通常の食事からのマンガン摂取の主な寄与源は、穀物ベースの食品(主にパン及び類似製品、朝食用シリアル)、茶、その他のマンガン含有量の多い飲料(例:ハイビスカス茶、マテ茶)であると指摘した。茶やその他マンガンの多い飲料を多く摂取する人、または菜食主義者は、一般集団の摂取量分布の上位範囲に相当する習慣的なマンガン摂取量をもつ可能性がある。菜食主義者は、雑食の人と比べてマンガン摂取量が1.5~2.4倍高い。茶を飲む人については、英国の食品成分データベースで、茶100 gあたり0.14 mgのマンガン含有量が示されていた。茶を飲む人の平均マンガン摂取量は5.5 mg/日(範囲2~12 mg/日)または10 mg/日(範囲5~20 mg/日)であり、茶を飲まない人の平均摂取量3.2 mg/日(範囲0.5~6.5 mg/日)と比べて高かった。EFSAの摂取量評価に含まれた調査データに基づき、自然の食品に由来するマンガンの推定バックグラウンド摂取量の95Pは、妊娠では最大8.27 mg/日、授乳婦ではと8.97 mg/日と見積もられた。
 天然毒素
 アルカロイド
 ピロリジジンアルカロイド
 チャノキ自体はピロリジジンアルカロイド(PA)を生成しないが、栽培や収穫方法によっては、PAを生成する他の植物(例えば雑草)による汚染の可能性がある。
 2014年、FSAは食品中のPA含有量に関する研究プロジェクト/市場調査を委託した(FSA, 2014c)(※補足35)。調査対象検体には、茶とハーブティーが含まれていた。分析結果は表1に示す(訳注 表1のデータは、茶の分析結果のみ)。
 表1 茶検体(n = 55)で検出されたPAの分析結果(FSA, 2014c)(※補足35)
 検体/茶(紅茶、緑茶、アールグレイ)、検体数/55、PAが検出された検体数/11、検出されたPAレベル範囲(μg/kg)/定量限界未満~1,170 (内訳(PAレベル範囲(μg/kg)(検体数) 0~100(6)、100~500(4)、500~1,000(なし)、1,000~3,000(1)、3,000より高レベル(なし)))
 2016年にEFSAは、新たな存在データを含む新しいばく露評価を公表し(EFSA, 2016)(※補足36)、これが2017年のEFSAによるリスク判定評価の更新に用いられた(EFSA, 2017)(※補足37)。この評価では、蜂蜜、茶、ハーブティー、栄養補助食品に含まれるPAの存在が考慮された。EFSAは、PAの発がんリスクを評価するための新しい基準値として237 μg/kg体重/日を設定し、特に茶やハーブティーを頻繁かつ大量に摂取する消費者において、PAへのばく露がヒトの健康に対する懸念となる可能性があると結論した。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06670041535)
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Background - green and black tea in the maternal diet