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資料管理ID syu06650640535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、「母体の食事におけるエキナセアの潜在的健康影響に関する第一声明案」を公表 (1/4)
資料日付 2025年12月17日
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概要(記事) (この記事は 1 / 4 ページ目です)
 英国毒性委員会(COT)は12月17日、2025年12月9日会合用の協議事項及び文書として、「母体の食事におけるエキナセアの潜在的健康影響に関する第一声明案」を公表した(TOX/2025/45、PDF版88ページ)。概要は以下のとおり。
《序説》
 2020年、「食品、消費者製品及び環境における毒性に関する委員会(英国毒性委員会(COT))」は妊娠中に広く使用されているハーブ・サプリメント類をレビューしたスコーピング・ペーパー(TOX/2020/51)を検討している。これは、母体の食事に由来する潜在的リスクを評価するCOTの継続的プログラムの一環であり、妊娠中・分娩時・分娩後24か月までの母体の転帰に焦点を当てている、栄養に関する科学諮問委員会(Scientific Advisory Committee on Nutrition(SACN))の栄養及び母体の健康に関するレビューを支援することを目的としている。
 当該スコーピング・ペーパー(TOX/2020/51)は、食品として規制され、医薬品・ヘルスケア製品規制庁(Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency (MHRA))監督下にある伝統的ハーブ医薬品とは見なされないハーブ系ダイエタリー・サプリメントに限定されている。調査対象には、免疫サポート、風邪予防、風邪・インフルエンザ様症状の治療に広く使用されるエキナセアが含まれている。
 2024年12月、エキナセアが母体の健康に及ぼす影響に関するディスカッション・ペーパーがCOTに提出されている(TOX/2024/43)。当該ペーパーでは、in vitro・in vivo・ヒトを対象とする研究から得られた利用可能なデータがレビューされており、エキナセアの作用機序、薬物-ハーブ相互作用、含有汚染物質、遺伝毒性を含む毒性、生殖毒性・発生毒性、ヒトを対象とする研究にて報告されたエキナセアの有害影響が網羅されている。限定的なデータではあるが、妊娠中のエキナセアへのばく露に関して利用可能なデータについても議論されている。
 COTは、妊娠中のエキナセアへのばく露に由来する母体の健康へのリスクは低い可能性があると判断しているが、確固たるリスク評価を実施するには情報が不十分である点を強調している。COTは、製剤・抽出物・用量という点において複雑であり、さらに、明確な安全性上のリスクを判断するための十分かつ高品質のデータが不足していることから、POD(point of departure)の導出は困難である点に合意している。また、アトピー性疾患や自己免疫疾患を有する場合、一般集団よりもエキナセア製品類へのばく露に起因するリスクは高く、リスク評価においてこの点を考慮すべきである点も認識している。
 COTは、多くの食品サプリメントではエキナセアの短期使用が提案されている点、さらに、ばく露に関するセクション内にてこの点をより明確に強調すべき点に留意している。一過性のばく露であることから、妊娠の各段階にてエキナセアを使用する女性の割合を正確に推定することは困難であり、また、多様な研究設計から得られた知見を外挿することの意義を評価することは困難である。
 COTは、生殖・発達データの区分をより明確化し、母体の食事におけるエキナセアの安全性を検討する際に対象とされている生殖・発達期間においてデータギャップを強調すれば、当該ペーパーは改善されると指摘した。COTはまた、利用可能な動物及びヒトの研究において対象とされている生殖・発達に関するエンドポイントを、表や図式的な要約の形にて提示することを提案した。
 さらにCOTは、母体の健康プロジェクトが扱う範囲、中でも、評価対象となる生殖・発達サイクルの各段階に関して明確化を要請した。これは、附属書「栄養及び母体の健康プロジェクトの対象範囲」(TOX/2025/44附属書A参照)に取り入れられた。
 COTは、動物及びヒトの研究の双方において、生殖エンドポイントに関する高品質なデータが不足している点に合意している。COTが特定した潜在的なデータギャップは、胎盤及び妊娠維持を調査した研究の欠如である。エキナセアに対しては短期の使用が推奨されていることから、生殖・発達サイクルの各段階においてばく露期間は一過性となる点を踏まえると、これらのデータギャップの特定は、特に重要であると強調している。
 COTは、マウスを用いたin vivo研究1件、及び、疫学研究1件について詳細に議論している。エキナセアが妊娠初期に流産を誘発する可能性があることを示すマウスを用いたin vivo研究の結論は、リッターサイズの小さいマウス系統(DBA)が使用されており、胎児死亡に関する結果に関して範囲/標準偏差が提示されていないため、説得力に欠けると判断された。COTは、上記疫学研究におけるサンプルサイズ(n=206)では、検討対象とされた先天性異常及び奇形を検出するのに十分な統計的検出力は得られないと指摘している。
 COTはまた、妊娠中のエキナセアの使用に関するヒトの研究は限定的であり、出生時に検出可能な観察結果に重点を置いており、かつ、エピジェネティックな変化等の長期的な影響は考慮されていない点を指摘している。この点をリスクの判定のセクションにて、注意事項として追加すべきであるとの提案がなされた。
 さらにCOTは、複雑かつ矛盾する知見に関しては表や要約を用いる等、データをより明確に構造化する必要性を強調している。これは、中でも、エキナセアの免疫調節作用に関するセクションにおいて重要である。同セクションには、エキナセアが様々な免疫系細胞種に及ぼす多様な作用、及び、当該作用に伴うサイトカイン産生に関する情報が含まれている。またCOTは、エキナセアの抗炎症作用及び免疫調節作用は、別項目ではなく同一セクションにて検討すべきであると提案した。
 本声明草案には、エキナセア成分の薬物動態に関するセクションが追加されている。
 委員の意見を反映した声明草案を作成し、附属書Aに掲載している。声明では、各研究が達した結論とCOTの結論を明確に区別すべきとの提案がなされている。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06650641535)
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/First%20Draft%20Statement%20on%20the%20potential%20health%20effects%20of%20Echinacea%20in%20the%20maternal%20diet