食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06610291535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、欧州食品安全機関(EFSA)「食品及び飼料に含まれる化学物質の安全性評価におけるリードアクロスの使用に関するガイダンス」の科学的見解の要約をディスカッションペーパーとして公表【2/2】 (2/3)
資料日付 2025年10月8日
分類1 -
分類2 -
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(前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06610290535)

 ステップ6:不確実性の評価
 EFSAは、このステップの主な目的は、リードアクロスの科学的妥当性と目的適合性を判断することであり、不確実性を許容可能なレベルまで低減するために、さらなるデータや精緻化が必要かどうかを明らかにすることであると説明している。このプロセスでは、リードアクロスの各ステップにおける不確実性の程度を特定し、それが問題定式化の段階で定義された許容範囲内に収まっているかどうかを評価する。
 不確実性の評価は、定性的(すなわち、記述的な説明による)または定量的(すなわち、確率的手法や半定量的手法を用いる)いずれの方法でも実施することができる。
 リードアクロスワークフローの各ステップには、固有の不確実性が伴っており、それらを明確にする必要がある。EFSAは、評価者がリードアクロスの各ステップを進める中で、それぞれの不確実性を把握することを推奨している。簡単に言うと、ステップ1では、許容可能な不確実性のレベルを把握することが重要であり、ステップ2では、具体的な規制の状況に応じて異なるレベルの不確実性が許容される。ステップ3では、検索に使用する構造表現の選択が評価に与える影響と、それが体系的に評価可能かどうかを検討する必要がある。ステップ4では、3つの不確実性の要因(類似性の根拠の強さと裏付けとなるデータの質、複数のエビデンスの統合、透明性があり科学的に正当化された専門家の判断の導入)を考慮する必要がある。ステップ5では、データマトリックスが乏しい場合(エンドポイントがほとんど入力されていない、または評価対象物質に関するエンドポインのトデータがほとんどない場合)、全体的な評価における不確実性が高まる可能性がある。一方、情報提供物質と評価対象物質の両方についての関連データのギャップが既に解消されている場合、不確実性は低減される。
 不確実性の包括的評価は、不確実性のあらゆる側面を考慮し、最終的な評価に専門的な判断を必要とするものであり、EFSAの「不確実性に関するガイダンス」(※補足7)を参照して実施する必要がある。すべてのステップと評価基準が低い不確実性を示している場合、全体的な影響も低いと判断できる。このような場合には、残存する不確実性についての記述的な説明があれば、リードアクロスの妥当性を正当化するのに十分である。逆に、1つ以上のステップで適切な手順が守られていない場合には、全体的な不確実性は中程度~高レベルに及ぶ可能性がある。
 不確実性が過度に高く、リードアクロスが目的に適していると認められない場合、より詳細な不確実性分析(例:半定量的評価、定量的な統計解析)を行うか、追加の証拠(NAMs)の組み込みを通じて、さらに評価を行う必要がある。これらの改善にもかかわらず不確実性が依然として高い場合には、リードアクロス法は実行可能ではない可能性があり、評価対象物質に対する実験的な試験が必要になる可能性がある。
 EFSAのガイダンス(※補足1)で議論されている不確実性は、ハザード評価に関するものであることに留意すべきである。一方、リスク評価では、他の証拠や追加の不確実係数の適用に応じて、中程度または高レベルの不確実性が容認される場合がある。
 EFSAは、リードアクロスのワークフロー全体で標準化された手順を適用することが、不確実性を最小限に抑え、規制当局による受け入れを高めるために重要であると強調している。各ステップが、OECDの試験ガイドラインや優良試験所規範(GLP)に基づいて実施された試験など、認められた方法を用いて実施される場合、全体的な不確実性は低いと考えられる。一方、ガイドラインに準拠していない試験、GLPに基づかないデータ、または十分な文書化がなされていないNAMsに依存する場合は、不確実性が高まる可能性がある。
 全体として、評価対象物質と情報提供物質の明確な識別と詳細な解析を確実に行うことが重要である。リードアクロスのプロセス全体を通して、透明性があり、再現可能で、科学的に正当化された手順を用いることは、評価の妥当性と規制当局からの信頼性を維持する上で重要である。これは特に、不確実性を許容可能な範囲内に抑える必要がある場合に重要である。
 リードアクロスの適用領域
  ある手法の適用領域とは、その予測や測定結果が信頼できると考えられる化学的、生物学的、または機能的な範囲のことを指す。リードアクロスにおいて、EFSAは、この適用領域を定義することは、適切な類似物質を特定することを意味すると強調している。
 明確に定義された適用領域は、カテゴリーアプローチによるリードアクロスにおいて特に重要である。この手法は、カテゴリー内の複数の物質に共通するパターンに依存しており、カテゴリーの基準を満たす複数の評価対象物質に対して同じ予測を適用することが可能である。一方、アナログアプローチによるリードアクロスは適用範囲が限られており、予測結果は特定の評価対象物質にしか適用されない。予測結果を他の物質に適用するには、その物質が評価対象物質と非常に高い類似性をもつ必要がある。
 類似物質を特定した後、選定をさらに絞り込むためにフィルターが適用されることが多い。これらのフィルターは、リードアクロスの適用範囲を定義するために役立ち、明示的に記載されるべきである。データの内挿が用いられる場合、適用領域はより明確に確立される。
 EFSAは、リードアクロスの信頼性を高めるために、複数の情報提供物質を使用することを推奨している。これは、共通する特徴の数を増やし、適用領域を拡大することにつながる。もし1つの情報提供物質のみを使用する場合には、その物質が評価対象物質と非常に高い類似性をもち、結果に影響を及ぼす可能性のある差異が最小限である必要がある。
 リードアクロスは常にエンドポイント特異的である。したがって、適用領域は、特定の毒性エンドポイントに関する化学的及び生物学的データの質と量に依存する。

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06610292535)
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Summary%20of%20the%20EFSA%20Scientific%20Opinion%20on%20the%20Guidance%20on%20the%20use%20of%20Read-across%20for%20Chemical%20Safety%20Assessment%20in%20Food%20and%20Feed%20-%20Introduction