食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06550931149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、遺伝子組換え植物にて新たに発現するタンパク質の安全性評価における現行の実践事項、課題、及び、今後の可能性に関する科学的意見書を公表 (後半2/2) |
資料日付 | 2025年8月5日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06550930149) 《結論》 現行戦略の最新化を達成するためには、ステークホルダー及び専門家との対話を促進し、安全性評価における新たな方法論の活用に関するコンセンサスを確立する必要がある。GMOパネルは、NEPsの評価に対しては「証拠の重み付けアプローチ」が最良の戦略であると判断しているが、リスク評価の改善に向け、本文書にて概説される以下の新たなツール及び方法論を統合可能であると考える。 (1) 安全な使用歴・リードアクロス(read‐across)・系統発生から必要なデータの種別を定義し、特定のin vitro又はin vivo試験の必要性の排除 さらに、ヒトと動物における安全性という観点において、2種のタンパク質が類似していると見なされるケースを明確に特定はできないものの、構造の予測及び分析に向けた最新の方法論(例:進行中のリスク評価)に関するGMOパネルの新たな、そして、蓄積された経験により、評価は促進される。現行のリスク評価アプローチを更新するためには、以下の点に関するコンセンサスが必要となる。 (i) 安全な使用歴/リードアクロス、関連用語を定義するための基準 (ii) 安全性が確認されている適切な比較対象タンパク質の選択 (iii) タンパク質間の配列類似性/相同性を確立するためのベストプラクティス (2) 予測計算モデルや改良された系統解析等、高度なin silicoツールを適用し、既知のアレルゲン・毒素・「安全な」タンパク質とのより正確な比較の実現 in silico解析においては、配列アラインメントの原理に基づく高度なバイオインフォマティクスツールを使用して、NEPsと既知のアレルゲン・毒素・「安全な」タンパク質との比較が可能である。しかしながら、目的に適うデータベースの構築に向けた基準は依然として不足している。さらに、リスク評価においてin silicoツールを適用する際のベストプラクティスは確立されておらず、中でも、タンパク質構造解析に用いられる新たな手法に対してはその傾向が顕著である。 (3) 生理的条件を再現する標準化されたin vitro消化管モデルの使用 in vitro方法論に関しては、生理的条件を考慮した標準化・調和化されたin vitro消化管プロトコルの開発において、過去10年間に著しい進展が達成されている。しかしながら、存在量・持続性・分子サイズを踏まえたアレルギー性リスク及び毒性リスクの評価と適切に関連する消化断片を特定するための基準が必要となる。 (4) 標的を定めたin vivo試験の開発 in vivo試験に関しては、毒性学試験は、そもそも、単純な化学物質を対象に設計されており、タンパク質の評価に有用か否かは不明である。よって、GMOパネルは、潜在的ハザードが予測された場合又は必要な情報が提供できない場合に限り、動物試験を要求する段階的アプローチを推奨する。評価を完了するために必要となる、標的を定めた特定のin vivo試験を追加する場合は、仮説駆動型アプローチに従い選択されるべきある。GMOパネルは、高水準の消費者保護を一貫して確保しつつ、可能な限り動物試験の削減及び代替に尽力している。これは、動物試験の段階的廃止に向けたECのロードマップにも合致するものである。 (5) 安全性評価におけるばく露の役割の評価 ばく露は、NEPsの全体的な安全評価に効果的に統合されるべきである。現在、主たる焦点がハザードの特定となっており、ばく露への考慮が限定的となっている。 (6) 必要に応じた、リスクの特性評価に対応させた市販後モニタリングの検討 リスクの特性評価が必要となったケースでは、市販後モニタリングも検討対象となり得る。当該モニタリングは、仮説駆動アプローチに従い実施されるものであり、特定の意図した用途に適合させたばく露評価により証拠立てられるものである。これは、市販前のリスク評価の過程にて設定された安全性の仮定を経時的に確認するため重要であり、また同様に、栄養強化作物の栄養評価において求められるモニタリングも重要である。 《総括》 アレルゲンへのde novo感作、加工がタンパク質安全性に与える影響、オミクスアプローチ、複雑なケースの評価は、NEPsの全体的なリスク評価において重要な要素である。 GMOパネルは、多様な学術分野に渡る高度な専門知識の活用及びECからの資金支援の拡大が、タンパク質リスク評価の改善に極めて重要であると考えている。さらに、成長を続ける世界において、より安全・健康的かつ持続可能な食品/飼料に対する社会の要求に応えるためには、安全な使用歴の定義に関してコンセンサスを形成し、さらに、新たな方法論を現行のNEP安全性評価に効果的に統合することが不可欠となる。そのためには、バイオテクノロジー製品に含有されるNEPsが適切に、一貫して、かつ相応に評価されるよう、タンパク質安全性リスク評価の目標を再検討し、精緻化することが求められる。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9568 |