食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06541000149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、新食品としてのオロチン酸マグネシウム二水和物の安全性及び当該供給源由来マグネシウムのバイオアベイラビリティに関する科学的意見書を公表 (前半1/2) |
資料日付 | 2025年7月10日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は7月10日、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としてのオロチン酸マグネシウム二水和物の安全性、及び、指令2002/46/ECの文脈における当該供給源由来マグネシウムのバイオアベイラビリティに関する科学的意見書を公表した(6月25日採択、PDF版11ページ、 https://doi.org/10.2903/j.efsa.2025.9528)。概要は以下のとおり。 《背景》 欧州委員会からの要請を受け、EFSAの栄養・新食品・食物アレルゲンに関するパネル(NDAパネル)は、「新食品に関する規則(EU) 2015/2283」に準拠する新食品としてのオロチン酸マグネシウム二水和物の安全性に関して科学的意見を表明し、「食品サプリメントと関連する加盟国国内法の近似に関する欧州議会及び理事会指令2002/46/EC」の文脈において、当該供給源に由来するマグネシウムのバイオアベイラビリティに対処するよう要請された。 1. 食品科学委員会(SCF)の評価 2001年、SCFは、成人及び小児を対象とするヒトの研究に基づき、補給されるマグネシウムの耐容上限摂取量(tolerable upper intake level(UL))を設定している。当該研究では、マグネシウムサプリメントの摂取後に軽度の下痢が確認されているが、食品及び飲料由来のマグネシウムの摂取に関する情報は記述されていない。SCFの意見書では、1日あたり約360 ? 365 mgのマグネシウムを補給的に経口摂取した成人被験者の極一部にて軽度の下痢が確認されたことから、当該値が最小毒性量(LOAEL)とされている。これらのヒトの研究から、250 mg/日の無毒性量(NOAEL)が導出され、不確実係数1を適用し、妊婦・授乳婦を含む成人及び4歳以上の小児に対するUL・250 mg/日が設定された。SCFは、当該ULは食品サプリメント・水・食品・飲料に添加される易解離性マグネシウム塩(塩化物、硫酸塩、アスパラギン酸塩、乳酸塩等)、及び、酸化マグネシウム(MgO)等の化合物に適用されると判断している。当該ULには、食品や飲料に通常含有されるマグネシウムは含まれない。 2. EFSAの食品添加物及び食品に添加される栄養源に関するパネル(ANSパネル)の評価 2009年、ANSパネルは、食品サプリメントに栄養補給を目的として添加されるミネラル源としてのオロチン酸塩類の安全性を評価している。評価されたオロチン酸塩類の一種は、当該新食品に相当するオロチン酸マグネシウム二水和物(CAS番号34717-03-8)である。提案された用途では、錠剤・分包・カプセル・粉末の形態のオロチン酸マグネシウム二水和物が対象となっており、用量は900 ? 3,811mg/日である。用量3,811mg/日はULである250 mg Mg/日に相当し、オロチン酸塩への最大1日ばく露量は3,192 mgとなる。安全性評価は、オロチン酸が多様な既知の腫瘍イニシエーターに起因する腫瘍形成の促進及び増強作用を有することを示す一連の研究に基づき実施された。これらの作用は主としてラットの肝臓で確認されたが、他の臓器や生物種も腫瘍イニシエーターと併用されるオロチン酸ばく露に対して同様に反応することが示されている。1993年の研究では、ラットを用いた20週間の試験において、1%のオロチン酸を含有する飼料(500 mg/kg体重/日)を摂取させると上記の腫瘍プロモーション作用が認められたが、0.1%のオロチン酸含有する飼料を摂取させた場合には認められなかったと報告されている。ANSパネルは、オロチン酸の無毒性量(NOAEL)を50 mg/kg体重/日と導出し、その結果として、当該NOAELと提案された用量における消費者のばく露量との間のマージンは0.94と算出された。(i)有害影響の性質が腫瘍プロモーション作用である点、(ii)オロチン酸塩に関する他の毒性学的研究(生殖・発生毒性及び遺伝毒性)がない点を踏まえ、ANSパネルは、算出されたマージンは不十分であり、提案された用量にての食品サプリメントにおけるオロチン酸マグネシウムの使用には安全性上の懸念が認められると結論している。 3. 欧州連合(EU)における認可 本科学的意見書の日付時点において、オロチン酸マグネシウム二水和物は、指令2002/46/ECの下、EU域内において食品サプリメントへの使用は認可されていない。 (後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06541001149) |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9528 |