食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06540850535 |
タイトル | 英国毒性委員会(COT)、「海洋性生物毒素類と関連する、英国水域にて漁獲される二枚貝軟体動物(bivalve molluscs)(shellfish(貝類))の摂取に由来するヒトの健康へのリスクへの提言に関する声明案」を公表 (前半1/2) |
資料日付 | 2025年7月4日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 英国毒性委員会(COT)は7月7日、2025年7月15日会合用の協議事項及び文書として、「海洋性生物毒素類と関連する、英国水域にて漁獲される二枚貝軟体動物(bivalve molluscs)(shellfish(貝類))の摂取に由来するヒトの健康へのリスクに関する提言の声明案」を公表した(TOX/2025/28)。概要は以下のとおり。 《序説》 食品基準庁(FSA)は、現在、海洋性生物毒素類に関する現行の提言及びモニタリング・プログラムに関して、さらに、既存の法的基準を更新あるは改正する必要があるか否かに関して検討している。本取組の主たる目的は、英国水域にて新興となる海洋性生物毒素類を特定することであり、これには、気候変動の結果として生じる気温上昇に伴い発生量が増加しているか否かの確認も含まれる。特定された新興海洋性生物毒素類がヒトの健康にリスクをもたらすか否かに関し、「食品、消費者製品及び環境中の化学物質の毒性に関する委員会(英国毒性委員会(COT))」は見解を求められている。 2023年にスコーピング・ペーパーが、2024年にはサマリー・ペーパーがCOTに提出されている(TOX/2023/59、TOX/2024/25)。これらには、利用可能な毒性学的情報、英国水域を中心とした発生データ、成人における海洋性生物毒素類への推定ばく露量、追加的関連情報の要約とともに、新興海洋性生物毒素類の概要が記載されている。COTは情報不足から、中でも、毒性学的試験が顕著に不足していることから、新興生物毒素類のリスクに関して結論することは不可能であると決定している。毒性学的試験が存在しない状況では、健康影響に基づく指標値(HBGV)の導出は不可能であった。 海洋性生物毒素類の優先順位付けへの支援とするため、COTは数値によるリスクランク付けを提案し、2025年3月に議論している(TOX/2025/15)。数値的アプローチでは、4種のエビデンス「毒性学的データ・発生データ・ヒトの症例報告・規制/モニタリング」に基づき、各生物毒素群に対しスコアを提示した。 前回のディスカッション・ペーパーにおいて、データギャップを埋めるために類縁体を用いてランク付けされた生物毒素群は、モニタリング・データが存在しない状態にて生物毒素類の発生に関して結論するために類縁体を用いるにはエビデンスが不十分である等のCOTの指摘から、削除された。さらに、当該ディスカッション・ペーパーでは新興海洋性生物毒類についてのみ論じているため、規制に関する考察はランク付け手法から除外された。 本声明案(附属書A)には、新興海洋性生物毒素類に関する背景、用いられたリスクランク付け手法、当該手法の根底にある不確実性に関する議論、及び、COTが前回会合にて要請した変更が含まれている。総括すると、リスクランク付けは数種の生物毒素類を高リスク又は低リスクとして差別化することに成功しており、新興海洋性生物毒素類の優先順位付けに関する結論への考察が含まれている。 ピナトキシン(PnTX)(TOX/2023/37)及びペクテノトキシン(PTX)(TOX/2023/58)に関して、別途議論されており、本声明には含まれない点に留意されたい。 「TOX/2025/28附属書」 《背景》 海洋性生物毒素は、海洋性植物プランクトンにより産生される天然の毒性代謝物であり、貝類において、さらに、食物連鎖に沿って生物濃縮される可能性がある。貝類中に含有されるこれらの毒素の濃度が十分に高くなると、これらの貝類の摂取により、ヒトが疾病を発症する可能性がある。 海洋性生物毒素類は、従来、臨床症状により分類されてきたが、化学構造に基づき分類されるようになってきている。欧州水域にて漁獲される貝類に関連すると一般的に考えられている構造毒素群として以下が挙げられる。 ・ ドウモイ酸群(DA) ・ サキシトキシン群(STX) ・ オカダ酸群(OA) ・ ペクテノトキシン群(PTX) ・ アザスピロ酸群(AZA) ・ イエソトキシン群(YTX) ・ 環状イミン群(CI) 海洋性生物毒素は、分析に必要となる抽出プロトコルを決定する水溶性により分類することも可能である。ドウモイ酸群及びびサキシトキシン群は親水性であり、オカダ酸群・ペクテノトキシン群・アザスピラシド群・イエソトキシン群・環状イミン群は親油性である。ドウモイ酸群は記憶喪失性貝中毒(ASP)、サキシトキシン群は麻痺性貝中毒(PSP)、オカダ酸群は下痢性貝中毒(DSP)と関連する。 英国及び欧州連合(EU)では、現在、貝類中に含有される主要な生物毒素群3群が規制されており、ヒトの健康保護のため法定検査の対象となっている。同化されたEU規則(EC) No. 853/2004(イングランド、ウェールズ、スコットランド)及びEU規則(EC) No. 853/2004(北アイルランド)において指定されている生物毒素類は、PSP毒素群(サキシトキシン及び関連類似体)、親油性毒素群(オカダ酸、アザスピロ酸、ペクテノトキシン及びイエソトキシン)及びASP毒素(ドウモイ酸)である。 英国及びEUでは、生物学的手法の特異性が向上した点、及び、動物の使用に対する倫理的懸念から、海洋性生物毒素検査において、生物学的手法(マウスバイオアッセイ(MBA)等)から検証済みの化学的手法への移行が実施されているが、生物学的手法は、限定的あるいは例外的ケースにおいて引き続き利用される場合もある。 (後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06540851535) |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国毒性委員会(COT) |
情報源(報道) | 英国毒性委員会(COT) |
URL | https://cot.food.gov.uk/Draft%20statement%20of%20advice%20on%20the%20risk%20to%20human%20health%20from%20consumption%20of%20bivalve%20molluscs%20(shellfish)%20harvested%20from%20UK%20waters%20associated%20with%20marine%20biotoxins. |