食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06500831535 |
タイトル | 英国毒性委員会(COT)、妊娠前・妊娠中・授乳期におけるカルシジオール補給の効果に関するディスカッションペーパーを公表 (後半2/2) |
資料日付 | 2025年5月14日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06500830535) 英国の新食品・新製造工程諮問委員会(Advisory Committee for Novel Foods and Processes (ACNFP))も、EFSA提案の変換係数2.5に同意している。カルシジオールの認可申請に対するACNFPのレビューに依拠し、英国食品基準庁(FSA)及びスコットランド食品基準局(FSS)は、カルシジオールを「提案された用途・用量の条件下において安全であり、ヒトの健康に対し安全性上のリスクを提起しない」と結論している。 《健康影響に基づく指標値》 ビタミンDについてEFSAは、成人(妊婦・授乳婦を含む)及び11 - 17歳の青少年に対し、あらゆる食事性摂取源を対象として、100 μg ビタミンD/日の耐容上限摂取量(tolerable upper intake level(UL))を設定している。2023年、EFSAはこのUL 100 μg/日を再確認したが、定義を成人(妊婦・授乳婦を含む)及び11 - 17歳の青少年を対象として、ビタミンD当量(VDE)にまで拡大した。EFSAは、製品表示に向け、カルシジオール一水和物からビタミンD3への変換係数2.5を提案しているが、これは、10 μg/日までの用量において、カルシジオール一水和物がビタミンD3と比較して血清中25(OH)D濃度を上昇させる効力が高いことに依拠している。 COTは、ビタミンD及びVDEに対する上記ULに同意している。「妊娠前・妊娠中・授乳期におけるビタミンD過剰摂取の潜在的影響に関する声明」で論じられているとおり、当該ULは、遺伝学的素因の保因者等、ビタミンDの有害影響に対して潜在的により脆弱である個人は対象としていない。 EFSAは、新食品としてのカルシジオール一水和物の安全性評価に対する科学的・技術的支援に関する科学的意見書において、「これらの集団に対し、10 μg/日までは安全性が確証されており、これは、カルシジオール一水和物からビタミンD3への変換係数2.5を考慮すると、25 μg VDE/日に相当する」点に留意している。 EFSAは、成人(妊婦・授乳婦を含む)に対する、提案された使用条件及び最大10 μg/日という用量におけるカルシジオール一水和物の安全性に関する結論を導出した理由として、以下を挙げた。 I) カルシジオール一水和物は、RCTにおいて、10 μg/日までの用量では血清中25(OH)D濃度を107 nmol/L以上に上昇させることはなく、かつ、高カルシウム血症・高カルシウム尿症・その他の健康に対する有害影響のリスクを増加させることもなかった。介入期間は研究により変動し、4週間から12ヶ月までの範囲であった。 II) カルシジオール(新食品 + 背景となる食事(background diet))と背景となる食事由来のビタミンD(最高P95、青年では最大70.2 μg/日、成人では78.5 μg/日)を合算した控えめな(conservative)ビタミンD総推定摂取量は、青年及び成人(妊婦・授乳婦を含む)に対するUL(100 μg/日)を大幅に下回る。 しかしながら、ACNFPはビタミンDのUL(100 μg/日)に換算係数2.5を適用し、成人に対するカルシジオールの調整された上限摂取量を40 μg/日と算出した。COTは、EFSA設定の安全摂取量(最大10 μg/日)よりも高い、ACNFP導出の上限摂取量40 μg/日に同意する。COTは、EFSA設定の安全摂取量が、評価対象であった規制製品に対して提案された用量が最大10 μg/日に限られていたためであるのか、それとも他理由にて導出された値であるのかは認識していない。 《結論》 カルシジオール含有サプリメントを摂取しておらず、かつ、カルシジオールへのばく露が食品供給源由来のみである、妊婦・授乳婦・妊娠を希望する女性におけるばく露量は、ACNFP導出の耐容上限摂取量(UL) 40 μg/日及びEFSA設定の安全摂取量10 μg/日を超過しない。 全ばく露源(食品及びサプリメントを合算した)由来の推定ばく露量を考慮すると、妊娠可能年齢の女性の総摂取量はACNFP導出の耐容上限摂取量40 μg/日を下回る。P97.5摂取量の最小値及び最大量が、EFSA設定の安全摂取量10 μg/日を、それぞれ、1.1倍及び2.1倍超過するのみである。しかしながら、COTは、これらの集団においては、サプリメント類がカルシジオールばく露の最大の寄与要因である可能性が高い点に留意する。さらに、妊娠可能年齢の女性の全てがサプリメントを摂取している訳ではなく、19 - 64歳の女性の20%がビタミンDサプリメントを摂取していると推定されている。 健康な妊婦・授乳婦におけるカルシジオールサプリメント由来及び食品供給源由来のばく露が、ACNFP導出の耐容上限摂取量40 μg/日、ならびに、EFSA設定の安全摂取量10 μg/日を大幅に超過する結果となる可能性は低い。しかしながら、欠損変異又は機能的変異を保有する高感受性者は、カルシジオールの影響をより受けやすいと考えられる。 《COTの見解を要請する質問》 1. COTは、母体又は胎児の健康に対するカルシジオールサプリメントの潜在的リスクに関し、コメントはあるか。 2. COTは、リスクの判定に向け、10 μg/日又は40 μg/日という健康影響に基づく指標値の適用を承諾するか。 3. COTは、本レビューの内容に関し、他のコメントはあるか (注) 本文書はディスカッションを目的とする。COTの見解を示すものではなく、引用されるべきではない。 本ペーパーの全文は以下より入手可能。 https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2025-05/TOX-2025-21%20Discussion%20paper%20on%20the%20effects%20of%20calcidiol%20supplements%20during%20pregnancy%20Acc%20V%20SO.pdf |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国毒性委員会(COT) |
情報源(報道) | 英国毒性委員会(COT) |
URL | https://cot.food.gov.uk/Introduction%20and%20Background%20-%20Effects%20of%20calcidiol%20supplementation%20during%20preconception%2C%20pregnancy%20and%20lactation |