食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06440041535 |
タイトル | 英国毒性委員会(COT)、ディスカッションペーパー「水銀が母体の健康に与える影響」を公表 (2/4) |
資料日付 | 2025年1月29日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | (この記事は 2 / 4 ページ目です) (前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06440040535) 発がん性に関して、国際がん研究機関(IARC)は、元素状水銀および無機水銀化合物は「ヒトに対する発がん性について分類できない(グループ3)」、MeHg化合物は「ヒトに対して発がん性がある可能性がある(グループ2B)」と結論した。これは、水銀および水銀化合物についてはヒトに対するエビデンスが不十分であること、元素状水銀については実験動物に対するエビデンスが不十分であること、実験動物における塩化水銀(II)の発がん性に関するエビデンスが限られていること(ラットの前胃腫瘍)、および実験動物における塩化メチル水銀(methylmercuric chloride)の発がん性に関するエビデンスが十分であること(雄マウスの腎臓腫瘍)に基づいている(IARC(1993))(参考文献9)。米国保健福祉省(DHHS)は、元素状水銀、無機水銀化合物、またはMeHg化合物がヒトに対してがんを引き起こす可能性を分類していない。 生殖毒性(略) 血圧(無機水銀、有機水銀)(略) 妊娠の結果(無機水銀、有機水銀)(略) 母体の健康への影響(略) 水銀ばく露のバイオマーカー(抜粋) Basu et al.(2018)(参考文献10)は、2000年~2018年に世界中のヒト集団における水銀バイオマーカーのレビューを行った。最もよく使用されるバイオマーカーは、毛髪、尿、血液、臍帯血、足の爪、および手の爪の水銀濃度であり、それらの選択は、潜在的なばく露源、化学形態、およびばく露のライフステージなどの要因によって異なる。 水銀ばく露によるエピジェネティックな変化(略) 2018年のCOT声明「幼児と子どもの食事におけるMeHg」以降に発表されたセーシェル諸島およびフェロー諸島のコホートに関する研究(略) ハザード特性(略) ばく露評価 食品からのばく露 英国食品基準庁(FSA)のばく露評価チームは、母親の食事の代わりに、出産可能年齢(16~49歳)の女性の食事性水銀ばく露データを提供した(表1(略))。水銀へのばく露量は、国民食事栄養調査(NDNS)と2014年のトータルダイエットスタディ(TDS)のデータを使用して決定された。 水銀へのばく露量が最も多い食品は、魚介類とノンアルコール飲料であり、平均ばく露量はそれぞれ0.018 μg/kg体重/日と0.010 μg/kg体重/日、97.5パーセンタイル値はそれぞれ0.089 μg/kg体重/日と0.024 μg/kg体重/日である。 出産適齢年齢の女性の水銀への平均総ばく露量(すべての食品グループからのばく露量の合計)は0.13~0.29 μg/kg体重/週の範囲であり、高摂取者(97.5パーセンタイル)のばく露量は0.62~0.84 μg/kg体重/週の範囲である。 飲料水からのばく露 飲料水の水銀濃度は、イングランドおよびウェールズの飲料水検査局、スコットランドの飲料水品質規制当局、および北アイルランド(NI)水道局によって提供された。2023年の濃度の中央値と97.5パーセンタイル値は、イングランドおよびウェールズで提供された。NIとスコットランドの2023年のデータが要求されたが、NIでは 定量限界(LOQ)(0.041 μg/L)を超える結果はなく、スコットランドでは検出限界(LOD)(0.02 μg/L)を超える結果はなかった。したがって、LODとLOQは、スコットランドとNIの97.5パーセンタイル値の代わりに使用された。中央値については、以前のCOT論文(COT(2018))(参考文献4)のスコットランドとNIの2016年のデータが使用された。 FSAのばく露評価チームは、2014年のTDSのデータを使用して、出産適齢年齢の女性の飲料水摂取量を平均値8 g(ml)/kg体重/日、97.5パーセンタイル値32 g(ml)/kg体重/日とした。イングランド/ウェールズ、スコットランド、NIの飲料水中の水銀濃度の中央値をそれぞれ0.04、0.03、0.01 μg/L、97.5パーセンタイル値をそれぞれ0.12、0.041、0.02 μg/Lとして計算された、飲料水を通した水銀ばく露量は表2に示されている。 表2. 出産適齢年齢の女性の飲料水を通した水銀ばく露量の中央値と97.5パーセンタイル値の計算値(平均体重を70.3 kgとした計算値) 地域:中央値(μg/kg体重/週):97.5パーセンタイル値(μg/kg体重/週) イングランド/ウェールズ:0.00224:0.027 スコットランド:0.00112:0.0091 北アイルランド(NI):0.00056:0.0045 空気からのばく露(略) 土壌からのばく露(略) 異食行動(Pica behaviour)(略) 総ばく露(抜粋) 食品、飲料水、土壌および粉塵、空気からの総水銀ばく露量は、入手可能なデータに基づくいくつかのシナリオを考慮して導き出された(表4)。 表4. 食品、飲料水、土壌、空気からの総水銀ばく露量(μg/kg体重/週) すべてのばく露源から平均レベルのばく露の場合 0.315 すべてのばく露源から高レベルのばく露の場合 0.91 食品から高レベルのばく露、それ以外からは平均レベルのばく露の場合 0.84 飲料水から高レベルのばく露、それ以外からは平均レベルのばく露の場合 0.34 土壌から高レベルのばく露、それ以外からは平均レベルのばく露の場合 0.32 食品 出産適齢年齢の女性が食品から摂取する水銀の平均総量は0.13~0.29 μg/kg体重/週の範囲であるが、多量摂取者(97.5パーセンタイル)の摂取量は0.62~0.84 μg/kg体重/週の範囲である。食事以外の摂取源からの摂取を考慮せず、すべての水銀がMeHgの形態であると仮定すると、これらの推定値はEFSAのMeHgの耐容週間摂取量(TWI)1.3 μg/kg体重/週を下回る。 (次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06440042535) |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国毒性委員会(COT) |
情報源(報道) | 英国毒性委員会(COT) |
URL | https://cot.food.gov.uk/The%20effects%20of%20mercury%20on%20maternal%20health |