食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06440031535 |
タイトル | 英国毒性委員会(COT)、ディスカッションペーパー「英国における飲料水基準の策定を支援するためのアンチモンの健康影響に基づく指標値(HBGV)の導出-詳細情報」を公表 (2/4) |
資料日付 | 2025年1月29日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | (この記事は 2 / 4 ページ目です) (前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06440030535) 生殖および発達毒性試験(抜粋) 母ラットと仔ラットを三塩化アンチモン(antimony trichloride)(出生前および/または出生後)にばく露しても、妊娠中または出生後の母ラット、または30日齢および60日齢の仔ラットの収縮期血圧の変化は認められなかった(Marmo et al.(1987)(参考文献10)、Rossi et al.(1987)(参考文献8)、Angrisani et al.(1988)(参考文献11))。 妊娠期間における母ラットへ投与量は、妊娠中の母ラットの平均体重(298 g、Rossi et al.(1987)(参考文献8))と、飲料水摂取量と体重のアロメトリックな関係(allometric relationship)(0.041 L/日)を用いて算出した飲料水摂取率(drinking water ingestion rate)を用いて計算することができる(US EPA (1988))(参考文12)。妊娠中の母ラットへの投与量は、三塩化アンチモンで0、140、1,400 μg/kg体重/日、または アンチモンで0、70、700 μg/kg体重/日と推定された。700 μg/kg体重/日の母ラットへの投与量は、母ラットおよび仔ラットの体重減少に基づき、本研究の最小毒性量(LOAEL)と見なされた。低投与量の70 μg/kg体重/日は、母ラットの体重への影響がごくわずかであり、この投与量では仔ラットの体重への影響がなかったため、NOAELと見なされた。 NOAELまたはLOAELが6,000 μg/kg体重/日未満であることを示すその他の経口毒性試験 Kanisawa and Schroeder(1969)(参考文献13)が実施した研究では、チャールズリバー系統(Charles River Strain)のホワイトスイスマウス(CD-1)が、飲料水中の酒石酸カリウム(potassium tartrate)として5 ppmのアンチモン(350 μg/kg体重/日に相当)に生涯にわたってばく露された。対照群と比較して、アンチモン投与群では自然発生腫瘍および悪性腫瘍の発生率に有意差は認められなかった。これらの観察結果に基づき、この研究では350 μg/kg体重/日がNOAELとして特定された(ATSDR (2019))(参考文献6)。 Schroederらが実施した生涯ばく露試験では、ロング・エバンス(Long-Evans)ラットに対して、酒石酸アンチモンカリウムを含む飲料水を用いて430 μg/kg体重/日の用量が投与された(参考文献14)。この試験では、生存率が大幅に低下し、非空腹時の血清グルコースレベルが低下した。これらの影響に基づいて、430 μg/kg体重/日のLOAELが特定された(ATSDR、2019)(参考文献6)。 NTPによるアンチモン腹腔内注射研究(参考文献9) (略) 前回(参考文献4)および今回のディスカッションペーパーからの情報の要約 アンチモンの吸収は少ない。消化管を通じた吸収は、三酸化アンチモン(antimony trioxide)で約1%、酒石酸アンチモンカリウムで約10%と推定される。 アンチモンに関する研究は数多くあり、幅広いNOAELが報告されている。アンチモンの毒性は、WHO(2003)(参考文献5)、ATSDR(2019)(参考文献6)、カナダ保健省(2024)(参考文献7)によって検討されている。 WHO、ATSDR、カナダ保健省はPoon et al.(1998)(参考文献1)の研究結果を使用しているが、研究結果の解釈とNOAELの選択には大きな相違がある。表2(略)は、それぞれの機関において、使用された値とUFをまとめたものである。 表2:さまざまな権威ある機関によって用いられたNOAEL、UF、TDI/最小リスクレベル(MRL)の比較 評価機関(評価公表年):NOAEL (μg/kg体重/日):UF:TDI/MRL (μg/kg体重/日) WHO(2003):6,000:1,000(内訳 種間差および種内差100、亜慢性試験の使用10):6 カナダ保健省(2024):60:300(内訳 種間差および種内差100、亜慢性試験の使用3):0.2 ATSDR(2019):60:100(内訳 種間差10、種内差10):0.6(中間的な試験期間14~365日におけるMRL) COTは、2006年や2017年などの食事における金属の評価において、WHOのTDIを評価の基準として使用した。 COTは、2024年10月の会議で、Poon et al.(1998)(参考文献1)の研究からWHOが使用したNOAEL 6,000 μg/kg体重/日(Lynch et al.(1999)(参考文献2)によって推奨された値)に同意した。この文書で要約したいくつかの研究では、より低いLOAELとNOAELが報告されており、アンチモンの経口ばく露に最も適した重要なPODを検討する必要がある。 委員会への質問 委員は、以下の質問について検討するよう求められている。 i) 委員会は、アンチモンの評価の基準となるPODを特定することができるか? ii) 委員会は、アンチモンのHBGVを導き出すことができるか?できる場合、委員会はNOAELとともにどのようなUFを適用することを提案するか? iii) 委員会がアンチモンの評価で強調したいその他の不確実性または考慮事項はあるか? Iv) 委員会は他にコメントはあるか? (参考文献1) R. Poon et al., (1998), Effects of antimony on rats following 90-day exposure via drinking water, Food Chem. Toxicol., 36(1), 21-35. https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0278691597801202?via%3Dihub (次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06440032535) |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国毒性委員会(COT) |
情報源(報道) | 英国毒性委員会(COT) |
URL | https://cot.food.gov.uk/Antimony%20-%20Introduction%20and%20Background |