食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06120132535 |
タイトル | 英国毒性委員会(COT)、食品中の無機ヒ素が公衆衛生に与えるリスクについての欧州食品安全機関(EFSA)の2023年再評価に関するペーパー(TOX/2023/46)を公表 (3/3) |
資料日付 | 2023年8月23日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | (この記事は 3 / 3 ページ目です) (前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06120131535) 結論 条件付き不確実性解析と皮膚がんに関する2件の研究を考慮すると、平均ばく露量が関連するBMDを超える確率は、可能性が低い(約0.17)から可能性が高い(約0.86)の範囲である。 利用可能なデータに基づき、MOEが1であるということは、皮膚がんの発生率5%上昇に関連する可能性があるばく露レベルを示しているため、EFSAはMOEが皮膚がんに対する健康上の懸念を提起すると結論した。 子供のMOEは小さいが、これはiAsへの食事ばく露量が多いためであり、必ずしもリスクが高いことを示すものではない。iAsの影響は長期的なばく露に基づくものであると共に、ほとんどの疫学研究は成人を対象として実施されているため、幼少期の食事ばく露量も多くなる。したがってEFSAは、子供は当該リスク判定の対象となると結論した。 しかし、EFSAは、遺伝的リスクに対する感受性の高い人々は、疫学研究に十分に反映されていない可能性があるため、そのような人々にとっては、一般集団よりも食事ばく露がより大きな懸念となる可能性があることに留意した。 EFSAは、リスク評価、特にBMDLモデリングとそれに続くヒトのデータに基づく遺伝毒性発がん物質の評価におけるヒトのデータの使用に関するガイダンスの必要性を指摘した。また、EFSAは、次のA~Fに関するさらなるエビデンスが必要であることを推奨した。 A) Asによるエピジェネティック変化の関連性 B) AsとDNAの相互作用様式 C) Asによる遺伝的不安定化の基礎となる機構 D) 出生前および周産期におけるばく露の健康への影響 E) 幼少期のAsによる変化が成人期の特定の疾患の発症に及ぼす影響 F) 生体内変換およびDBA(※訳注7)修復の違いに焦点を当てた、感受性における個人差の役割 EFSAは、2021年の食事ばく露評価に関するいくつかの勧告が依然として有効であることも指摘した。 (※訳注1) 魚介類に含まれるヒ素の主要な形態、ベタイン(betaine)の一種として知られるトリメチルグリシン(N,N,N-trimethylglycine)の窒素原子がAsに置換された分子 (※訳注2) ヒ素含有脂質 (※訳注3) ヒ素含有糖誘導体 (※訳注4) 正しくは、「μg/L」または「μM」であると思われる。 (※訳注5) D. Gilbert-Diamondら、(2013) A population-based case?control study of urinary arsenic species and squamous cell carcinoma in New Hampshire, USA. Environmental Health Perspective, 121, 1154-1160. https://doi.org/10.1289/ehp.1206178 (※訳注6) G. Leonardiら、(2012) Inorganic arsenic and basal cell carcinoma in areas of Hungary, Romania, and Slovakia: A case-control study. Environmental Health Perspective, 120, 721-726. https://doi.org/10.1289/ehp.1103534 (※訳注7) 正しくは、DNAであると思われる。 (注) 当該資料は、2023年9月5日開催予定の会議(COT Meeting)用の資料であり、COTの意見を反映するものではないことから論文などへの引用は禁止する。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国毒性委員会(COT) |
情報源(報道) | 英国毒性委員会(COT) |
URL | https://cot.food.gov.uk/EFSAs%202023%20re-evaluation%20of%20the%20risk%20to%20public%20health%20from%20inorganic%20arsenic%20in%20food |