研究情報詳細

評価案件ID cho99920141408
評価案件 食品からのアクリルアミド摂取量の統計的推定に関する研究(研究課題番号1408)
資料日付 2015年3月31日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
事業概要  本研究は、統計学的手法を用いて我が国における食品由来のアクリルアミドの長期平均摂取量の分布を推定することを目的とした。農林水産省およびその他の調査研究による食品中アクリルアミド含有量の測定値に基づき各種食品中のアクリルアミド濃度の分布の推定を行うとともに、厚生労働省が実施した平成24 年度国民健康・栄養調査で得られた個票データをもとに、アクリルアミドを含有する各種加工食品の摂取者数および摂取量を推計する方法を検討した。また、食品中のアクリルアミド濃度平均値と吉池らの調査で得られた食品摂取量平均値を用い、アクリルアミド摂取量の点推定を行った。さらに食品ごとのアクリルアミド推定摂取量を合計し総摂取量を推定するとともに、各種食品からのアクリルアミド摂取量の寄与を推定した。
 濃度や原材料に基づき食品をグループ化し、グループごとのアクリルアミドの濃度分布の推定を行った結果、食品グループのアクリルアミド濃度の分布の多くは、非対称の分布形であった。コーヒー飲料、コーヒー豆、焙煎麦中では対称形の分布であると推定された。国民健康・栄養調査では穀類以外は基本的に生の状態における重量に換算した摂取量が記録されるため、フライドポテトや調理された野菜の摂取量については、料理名から調理方法を判定し、調理方法毎の食品摂取量を推計することが妥当であると考えられた。また、家庭で作られたパン類を想定し、料理名と小麦粉類の組み合わせから自家製パンの有無を判定し、小麦粉の摂取量をもとにパンの摂取量を推計する方法を検討した。さらに、パンや和菓子類においては同じ食品でも含みつ糖を原料に含む食品において高頻度でアクリルアミドが検出される傾向があるため、含みつ糖を原料に含む食品の割合が摂取量に影響する要因として考慮すべきもと考えられた。
 アクリルアミドの平均摂取量について、点推定を行った。アクリルアミドの摂取量に対する寄与の高い食品は、じゃがいもの素揚げおよび炒めもの、コーヒー、小麦菓子類と推定された。本推定には種々の不確実性が含まれているため、今後、国民健康・栄養調査の個票データの解析を進め、アクリルアミド摂取量に影響を与える要因を定量化し、各種食品中のアクリルアミド濃度および食品摂取量の分布とともに推定モデルに適用することにより、日本人全体におけるアクリルアミド摂取量の分布を推定する必要がある。

(注)この報告書は、食品安全委員会の委託研究事業の成果について取りまとめたものです。
   本報告書で述べられている見解及び結論は研究者個人のものであり、食品安全委員会としての見解を示すものではありません。
事業名 食品健康影響評価技術研究
実施機関 食品安全委員会
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