Q&A詳細

評価案件ID mob20110900017
タイトル マスコミの過熱節約情報に警告を
公表日 2012年11月1日
問い合わせ・意見 雑誌等では割高なバターの代用として割安なケーキ用マーガリンを紹介しているが、節約志向の高い読者獲得のためとはいえ、リスクの高いトランス脂肪酸を勧めてくるのは安全性の点からすると疑問だ。
問い合わせ・意見分類 食品安全委員会活動一般関係
コメント元 食品安全委員会
コメント トランス脂肪酸とは、脂質の構成成分である脂肪酸の一種です。

大きく分けて、工業的に加工した植物油に由来するものと、牛などの反すう動物に由来し乳製品・肉に含まれるものの2種類があります。

諸外国等では、トランス脂肪酸の含有量の規制措置、含有量表示の義務付け、自主的な低減措置等の対策がとられている状況等を踏まえ、我が国においても食生活の変化により若年層のトランス脂肪酸の摂取が増えていると考えられることから、食品安全委員会において、トランス脂肪酸に関し自ら食品健康影響評価を行うことを決定し、このたび、昨年10月20日に評価結果(案)をとりまとめ、国民からの御意見・情報の募集を実施したところです。

評価(案)の内容は、諸外国における研究結果によれば、トランス脂肪酸の過剰摂取は、

・冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症等)を増加させる可能性が高い
・肥満、アレルギー性疾患(喘息、アレルギー性鼻炎等)について、関連性が認められた
・妊産婦・胎児への影響(胎児の体重減少、流産等)について、報告がある

とされています。

ただし、これらは平均的な日本人よりトランス脂肪酸の摂取量が多いケースの研究です。

日本人のトランス脂肪酸の摂取実態と健康影響については、

・日本人の大多数は世界保健機関(WHO)の目標(※)を下回っている。通常の食生活では、健康への影響は小さい
(※ WHOの目標:トランス脂肪酸摂取を総エネルギー摂取量の1%未満とする。)
・ただし、脂肪に偏った食事をしている人は、留意する必要あり
・脂質は重要な栄養素、バランスの良い食事を心がけることが必要

等の見解をとりまとめております。

今後、正式に評価結果としてとりまとめ、リスク管理機関へ評価結果を通知する予定です。

〔参考〕
○ 第404回 食品安全委員会
資料3:新開発食品専門調査会における審議結果について「食品に含まれるトランス脂肪酸」
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20111020sfc
添付資料ファイル -