Q&A詳細

評価案件ID mob20110900014
タイトル アルミニウムの危険性、表示について
公表日 2012年11月1日
問い合わせ・意見 新聞報道によると、膨張剤にはアルミニウムが多く含まれ、場合によってはWHOが定める許容量を超えるとあった。早急に食品安全委員会が評価することを望む。また、摂取量を減らすには表示の見直しが必要だ。
問い合わせ・意見分類 食品安全委員会活動一般関係
コメント元 食品安全委員会
コメント 食品安全委員会では、リスク管理機関からの要請により行うリスク評価のほか、対象案件を自ら選定して行う評価(自ら評価)も行っています。アルミニウムについては、平成22年3月に自ら評価の対象案件として選定しておりますが、評価に必要な毒性等の所見、知見及びデータが不足しているため、まずは情報収集を行っています。

アルミニウムは、土壌、水及び空気中に存在し、包装材料などに幅広く使用されています。国内での規制としては、水道法に基づく水道水質基準として、アルミニウム及びその化合物の量を0.2mg/L以下としているほか、食品添加物としても、硫酸アルミニウムアンモニウムなどについて食品衛生法に基づく規格基準が設定されています。

国際的には、平成18年にFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)第67回会合において、従来より低い投与量でも繁殖や発達神経に関する健康影響がある可能性があるため、耐容週間摂取量(TWI)の暫定的な値を7mg/kgから1mg/kgに引き下げています。今後、各国が行っている追加試験のデータを基に、再度JECFAにおいて安全性評価が行われる予定です。

なお、TWIとは人が一生涯摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される一週間あたりの摂取量のことであり、この値を超える物質を摂取しても直ちに健康への悪影響があるわけではありません。

また、アルミニウムがアルツハイマー病の原因ではないかという説もありましたが、現時点では、アルミニウムとアルツハイマー病の関連性についての明確な科学的な根拠はないとされています。

食品安全委員会では、アルミニウムについて、リスク評価を行うために必要な情報収集を引き続き行ってまいります。

〔参考〕
○食品安全委員会
「アルミニウムに関する情報」
http://www.fsc.go.jp/sonota/alumi/alumi_201010.pdf

「第32回企画専門調査会「資料4」」
http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20091217ki1&fileId=007

○国立健康・栄養研究所
「アルミニウムとアルツハイマー病の関連情報」
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail970.html
コメント元 厚生労働省
コメント 食品添加物である膨張剤としては、現在、硫酸アルミニウムアンモニウム及び硫酸アルミニウムカリウムの使用が認められています。

現在、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議において、アルミニウムの暫定耐容摂取量(PTWI)の再評価が行われていますが、食品添加物摂取量調査(1998-1999年)では、未加工食品及び加工食品由来のアルミニウムの摂取量調査は、5.23mg/人/日であり、成人の暫定耐容摂取量(PTWI)を下回るものでした。

ただし、幼児など特定の年代で摂取量が大きくなる可能性もあるため、厚生労働省としては摂取量の実態調査を改めて行っているところです。

これらの調査結果やFAO/WHO合同食品添加物専門家会議等の検討状況を踏まえつつ、今後とも、リスク管理の検討を行ってまいります。
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