Q&A詳細

評価案件ID mob20110500008
タイトル 生食用食肉の安全基準
公表日 2011年10月18日
問い合わせ・意見 牛肉の生食による集団食中毒を受けて、厚生労働省の「衛生基準」を厳しくするとともに、食品安全委員会として「生食用食肉の安全性について」厳しい提言をするべきと考えます。生食禁止の方向も含めて検討すべきです。
問い合わせ・意見分類 食品安全委員会活動一般関係
コメント元 食品安全委員会
コメント (平成23年5・6月)
食品安全委員会では、7月8日に厚生労働大臣からの評価要請を受け、微生物・ウイルス専門調査会において「生食用食肉(牛肉)における腸管出血性大腸菌及びサルモネラ属菌」に関する評価(案)をとりまとめた後、国民の皆様からの御意見・情報の募集を経て、8月25日に厚生労働省に評価結果を通知いたしました。

評価の内容は、厚生労働省の諮問に関して、

・腸管出血性大腸菌又はサルモネラ属菌としての「摂食時安全目標値」(FSO)は、我が国の既知の食中毒の最小発症菌数から推測すると、0.04 cfu/gよりも小さな値であることが必要であるが、厚生労働省から提案された「摂食時安全目標値」(FSO)の0.014 cfu/gは、0.04 cfu/gとした場合より3倍程度安全側に立ったものであること

・加工時の「達成目標値」(PO)について「摂食時安全目標値」(FSO)の1/10とすることは、流通・調理時の適正な衛生管理下では相当の安全性を見込んだものであること

・生食部分は、直接は加熱処理されない部分であり、「加工基準」はリスク低減効果はあるものの、それのみでは加工時の「達成目標値」(PO)の担保はできず、微生物検査を組み合わせる(※)ことが必要であること

・加熱方法の決定等の加工工程システムの設定の際は、こうした検査等により、あらかじめ食品衛生管理の妥当性の確認(バリデーション)が不可欠であることに留意する必要があること

等としています。

※25検体(1検体当たり25g)以上が陰性であれば、高い確率(97.7%の製品につき95%の確率)で、「達成目標値(PO)」(0.0014cfu/g)の達成が確認できると評価
  
なお、評価書の作成に際しては、海外の文献を含め、多数の文献を活用して検討が進められました。

コメント元 厚生労働省
コメント (平成23年5・6月)
本年4月に発生した飲食チェーン店における集団食中毒事件については、関係自治体で調査中ですが、患者が全員ユッケを食していること、多数の重症者がおり死者が4人も発生していることから、現状の指導通知では不十分と判断したものです。

そこで、厚生労働省では、生食用食肉について、今般の食中毒事件を受けて、強制力のある法律に基づく規制の策定が必要と考え、10月の施行を目標に規格基準の策定に向けた所要の手続きを進めているところです。
添付資料ファイル -