Q&A詳細

評価案件ID mob20110500003
タイトル 食品に含まれる放射性物質の基準値について
公表日 2011年10月18日
問い合わせ・意見 食品に含まれる放射性物質の基準値の決定については、被ばくの影響がより高いと思われる小児や飛散量の多かった地域の人々の安全を守る観点から、ICRPの定めた平常時の基準「年間1ミリシーベルト」を基礎として決定していただきたいと提言いたします。
問い合わせ・意見分類 食品安全委員会活動一般関係
コメント元 食品安全委員会
コメント (平成23年5・6月)
食品安全委員会では、厚生労働省から諮問を受け、「放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループ」を設置し、人体の低線量被ばくに関する疫学データ等を含む最新の科学的な知見をもとに健康への影響について評価、審議を行ってまいりました。

その結果、7月26日の第9回同ワーキンググループにおいて、評価(案)がとりまとめられ、現在、国民の皆様の御意見・情報の募集(30日間のパブリックコメント)を行ったところであり、今後、食品安全委員会において評価書を最終的にとりまとめ、厚生労働省へ評価結果を通知する予定です。(評価(案)の詳細については、P.3をご覧ください。)

 なお、国際放射線防護委員会(ICRP)では、放射線による健康への影響について、平常時の一般公衆の線量限度として、「1mSv/年」と示していますが、これは、

・ 「低線量」での健康影響に対するICRPの仮説に基づくモデル計算によれば、誕生から一生涯にわたって毎年1mSv被ばくすると、各年齢別死亡率が75歳まで10000人に1人以下となる点に加え、
・ 自然界からの放射線による被ばく(ラドン以外※)が1mSvである
ことを考慮して、リスク管理のために定められたとされています。

※ )ラドンによる被ばく量は、住居等により異なり個人差が大きいため除外されたとされています
※ )【参考文献:ATOMICA「ICRP勧告(1990年)による個人の線量限度の考え」、ICRP(国際放射線防護委員会)「1990年勧告」附属書C(表C-5)】

今回の「放射性物質の食品健康影響評価(案)」では、こうしたモデルに関しては、
・ ある疫学データに基づき直線仮説の適用を検討している論文もあるが、モデルの検証は難しく、そのデータだけに依存することはできない
・ 国際機関において、閾値がない直線関係であるとの考え方に基づいてモデルを適用してリスク管理上の数値が示されているが、仮説から得られた結果の適用については慎重であるべきである

と判断され、仮説に基づくモデルによるのではなく、放射線を被ばくした人々の実際の疫学データで言及できる範囲で結論をまとめ、生涯の追加の累積線量でおおよそ100mSv以上で健康影響が見い出されているが、100mSv未満については現在の知見では健康影響についての言及は困難とされています。
コメント元 厚生労働省
コメント 食品の放射性物質の試験法や、地方自治体における検査計画及びその検査結果に関連する情報については、厚生労働省ホームページを通じて幅広く情報提供しています。報道発表資料や関係通知については厚生労働省ホームページを御確認下さい。

〔参考〕
○東日本大震災関連情報【食品中の放射性物質の検査について】
http://www.mhlw.go.jp/shinsai_jouhou/shokuhin.html
添付資料ファイル -