Q&A詳細

評価案件ID mob20110100002
タイトル トランス脂肪酸について
公表日 2011年9月7日
問い合わせ・意見 大手小売業事業者のトランス脂肪酸削減に対する取り組みについて、消費者は食生活からトランス脂肪酸を完全除去することは困難であることを認識し、正しい知識を身につけ、自己責任で食品を選択する判断を養うことが重要である。
問い合わせ・意見分類 食品安全委員会活動一般関係
コメント元 食品安全委員会
コメント トランス脂肪酸とは、マーガリンやショートニングなどの加工油脂や、これらを原料として製造される食品のほか、自然界において牛などの反すう動物の乳や肉などに含まれる脂肪酸の一種です。トランス脂肪酸を大量に摂取することで、動脈硬化などによる心臓疾患のリスクを高めるとの報告や、飽和脂肪酸と同じように、トランス脂肪酸の摂取と心臓疾患のリスク増大には相関関係の可能性があるといわれています。

日本人の一般的な食生活の中ではトランス脂肪酸の摂取量は少ないと考えられますが、脂肪の多い菓子類や食品の食べ過ぎなど偏った食事をしている場合は、平均を大きく上回る摂取量となる可能性があるため、注意が必要です。

食品安全委員会では、平成21年度の「食品安全委員会が自らの判断により食品健康影響評価を行うべき案件」の候補として議論した結果、若い世代の食生活がかなり変化しており、また、国民栄養調査において総カロリーが減っているのにもかかわらず女性の脂質や菓子などの消費量が増えている可能性がある等の指摘があったことから、トランス脂肪酸を評価することを決定し、平成22年度から新開発食品専門調査会において審議が始まったところです。

トランス脂肪酸は、特に関心が高いため、ホームページ、メールマガジン等での迅速な情報提供に努めているところであり、今般、国際機関におけるリスクに関する科学的知見、諸外国における対応、国内の対応など、新たな情報が蓄積されたことから、ファクトシートを更新(平成22年12月16日)しております。

なお、脂肪は三大栄養素の中で単位当たり最も大きなエネルギー供給源で、脂溶性ビタミンの溶媒になる大切な栄養素ですが、トランス脂肪酸のみならず、脂肪のとりすぎ、飽和脂肪酸や食事性コレステロールの多量の摂取も心疾患のリスクを高めるため、日頃から脂肪の摂取について注意し、バランスの良い食事をとることが大切です。

〔参考〕
○食品安全委員会
「新開発食品専門調査会」
http://www.fsc.go.jp/senmon/sinkaihatu/index.html
コメント元 消費者庁
コメント 消費者庁では、国内外の科学的知見等を踏まえ、消費者が食品を適切に選択し栄養バランスのとれた食生活を営む観点から、トランス脂肪酸などの脂質や栄養に関する情報提供、普及啓発を充実することが重要と考え、平成22年9月、「栄養成分及びトランス脂肪酸の表示規制をめぐる国際的な動向」及び「脂質と脂肪酸のはなし」を当庁のホームページに掲載したところです。
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