食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06260380505
タイトル スイス連邦食品安全獣医局(BLV)、「スイスの食品安全はウクライナ戦争の影響を受けるのか?」と題する報告書を公表
資料日付 2024年2月5日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  スイス連邦食品安全獣医局(BLV)は2月5日、「スイスの食品安全はウクライナ戦争の影響を受けるのか?」と題する報告書を公表した。概要は以下のとおり。
(※以下、エグゼクティブ・サマリーより抜粋)
 BLVが導入した食品の安全性を脅かすハザードの早期発見システムは、食品に関連する消費者の健康へのリスクを発見・評価することを目的としている。これには、戦争の勃発等、地政学的な事件に関連するリスクも含まれる。2022年10月14日に発表された、国連環境計画(UNEP)の報告書に基づき、ウクライナでの戦争が食品安全分野に及ぼしうる影響について詳細な熟考が行われた。その目的は、この戦争の後遺症が、スイスの食品安全に中長期的な影響を及ぼす可能性があるかどうかという疑問に答えることであった。
 ウクライナは、基本となる食品の主要輸出国である。量的に最も輸出されている産物はトウモロコシ、小麦、野菜、大麦、ヒマワリ油である。スイスは2022年2月~2023年7月に、量の多い順に、穀物、植物油、大豆、固形飼料、果物及びその調合品を輸入した。欧州連合(EU)の主要貿易相手国であるウクライナは、スイスにも間接的に商品を供給している。
 ウクライナは長年、様々な環境問題に直面している。急速な工業化は、集約農業と不十分な汚染管理と相まって、過去に深刻な環境汚染を引き起こしたが、これは現在でも課題となっており、食品の安全性に影響を及ぼす可能性がある。
 ロシア連邦との戦争前に実施された、ウクライナの食品安全に関する欧州委員会(EC)の監査は、当時存在していた欠陥を明らかにしていた。これらは紛争によってさらに悪化したと推測される。
 2022年8月~2023年7月に国際輸送で不合格となったウクライナ産の食品130製品のうち、31製品(23.8%)がカビの生えた飼料であり、次いで26製品(20%)が農薬の残留物を含んでいた。クロルピリホス(chlorpyrifos)は、農薬残留物の分析の対象となった26検体のうち23検体(88.5%)から検出され、主に大豆油とヒマワリ油から検出された。クロルピリホスはEU域内ではもはや認可されていない。
 潜在的なハザードを評価し、優先順位を付けるために、フードチェーン全体を通じてモデルが開発された。本モデルは、インフラ、専門知識(技術)、サプライヤー(下請け業者)、主要農畜産物、動物製品・植物製品の加工、保管、輸送を考慮に入れている。インフラが損なわれたり、専門知識が不足する又は利用できなくなったりすると、フードチェーン全体に影響が及ぶ。
 BLVが選任した専門家が研究会に招集され、ハザードに関する初期のリストについて討議した。専門家らは、食品安全に対するハザードの重要度に関して、潜在的な追加のハザードを特定し、評価した。その結果、スイスにおける食品安全に対する潜在的なハザードの優先順位付けがなされた。
 専門家は合計59の潜在的なハザードを、その発生確率と、スイスの食品安全にとっての重要度に基づいて評価した。スイスの優先度に関しては、1つのハザード(1.7%)が「非常に関連性がある」、27のハザード(45.8%)が「関連性がある」、31のハザード(52.5%)が「あまり関連性がない」と分類された。
 熟練人材の不足による一次生産・加工企業における専門知識の欠如は、スイスにとって「非常に関連性があり」、優先度が高いとみなされている。専門知識の欠如は、企業における自主管理(autocontrole)を危うくする。政府の管理当局についても同様の評価が当てはまる。ここでも、熟練人材の不足が、輸出管理を妨げる恐れがある。食品のトレーサビリティの欠如も、熟練労働者の不足に関係している。食品安全に関する誤った情報の流布は、関連性のあるリスクとみなされる。
 さらに、カビ(マイコトキシン)による商品の汚染は、保管及び輸送が最適ではないことや、殺菌剤が不足しているため、最も重要である。専門家の意見によると、植物の一次生産における細菌汚染も予想する必要がある。インフラの破壊に起因する関連リスクには、飲料水や工業用水の供給システムの化学的・微生物学的汚染、コールドチェーンの断絶や不適切な保管が含まれる。
 ウクライナ産の製品は、その潜在的なリスクに応じて評価することが推奨される。さらに、リスクのある製品については、より厳格な管理を行うべきである。ウクライナ産の製品に関する結果は、体系的に収集し、定期的に分析を行い、それに応じて管理措置を適合させるべきである。
 当該報告書(69ページ、ドイツ語)(仏文・英文エグゼクティブ・サマリーあり)は以下のURLから閲覧可能。
https://www.blv.admin.ch/dam/blv/fr/dokumente/lebensmittel-und-ernaehrung/publikationen-forschung/bericht_ukr_ii_version_1.1_%28ohne_anhangen%29.pdf.download.pdf/bericht_ukr_II_version_1.1_%28ohne_anhangen%29.pdf
地域 欧州
国・地方 スイス
情報源(公的機関) スイス連邦食品安全獣医局(BLV)
情報源(報道) スイス連邦食品安全獣医局(BLV)
URL https://www.blv.admin.ch/blv/fr/home/lebensmittel-und-ernaehrung/lebensmittelsicherheit/frueherkennung-sicherheit-lebensmittel.html
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