食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05940300475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)のワクチン接種鶏群及び非接種鶏群におけるゲノム進化に関する研究論文の科学誌掲載を公表
資料日付 2022年10月27日
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概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は10月27日、鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)のワクチン接種鶏群及び非接種鶏群におけるゲノム進化に関する研究論文の科学誌掲載を公表した。概要は以下のとおり。
 ANSESが実施した研究により、コロナウイルス科に属する鶏伝染性気管支炎(avian infectious bronchitis)ウイルス株は、ワクチン接種済み又は非接種の鶏のどちらに感染するかによって、ゲノムの進化が異なることが明らかになった。
 2022年6月に科学誌「Viruses」に掲載されたこれらの結果について、ANSES研究所家きん・ウサギのウイルス学・免疫学・寄生虫学(VIPAC)ユニットの科学者で研究主任のPaul Brown博士が説明を行った。
1. 鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)とは何か?
 家きん、主に鶏に感染するIBVは、特に呼吸器の症状を引き起こすが、ウイルス株によっては腎臓や生殖の問題も引き起こす。IBVは現在、関連産業にとって二番目に大きな経済的損失をもたらす鶏の呼吸器系ウイルスである。IBVはコロナウイルス科に属するため、この研究結果は、動物衛生にとって興味深いだけでなく、ヒトの健康にとっても示唆に富むものとなるだろう。
2. IBVに対するワクチン接種に強い関心を寄せる理由は?
 IBVに対するワクチン接種は1950年代に始まった。それ以来、養鶏場ではワクチン接種が一貫して行われているが、IBVの進化が続いていることが確認されていた。科学界が主張する仮説は、集中的なワクチン接種がウイルスの進化に寄与している可能性があるというものだが、この仮説を実証するための具体的な研究はこれまで行われたことはなかった。
 したがって、我々は、ANSESのPlouzane-Ploufragan-Niort研究所の複数のユニット及びユトレヒト大学獣医学部(オランダ)の研究者と共に、新しいバイオインフォマティクスツールを有効活用してこのテーマに取り組んだ。
3. どのような研究経過だったのか?
 IBVに対するワクチンを接種した鶏と、非接種の鶏の2つのグループを研究に用いた。ワクチン接種から3週間後に、各群の5羽をそれぞれ感染させた。5日後、これらの鶏が産生したウイルスを採取し、別の5羽に感染させ、次にさらに別の5羽でこの作業を繰り返した。この目的は、経時的な鶏間でのウイルス伝播を模倣することであった。各段階で、産生されたウイルスのゲノム分析を行った。
4. どのような結果が出たのか?
 両群でウイルスが急速に進化していることが確認された。ウイルスのゲノムは、最初に鶏を感染させるのに使われたウイルスのゲノムと比べて変異していた。感染サイクルの終了時には、両群間で多数のゲノムが異なっていた。すなわち、ワクチン接種群由来のウイルスは、ただ1つの突然変異が選択されていたのに対し、非接種群では8つの突然変異が選択されていた。
 突然変異の数が増えれば増えるほど、ウイルスへの影響も大きくなると考えるかもしれないが、必ずしもそうとは限らない。実際、重要性の低い、つまり変異遺伝子の機能にとってあまり決定的ではない場所での複数の変異よりも、適切に配置されたただ一つの突然変異の方が重大な影響をもたらすことが分かっている。したがって、各変異の影響を具体的に研究する必要がある。
5. 養鶏でのワクチン接種にどのような結果をもたらすのか?
 鶏伝染性気管支炎を管理するためには、家きんへのワクチン接種は必須である。しかし、この研究では、ワクチンが誘導した免疫の存在下で、ウイルスが進化し続けることが分かった。したがって、ウイルス感染をできる限り完全に阻止することのできるワクチン戦略を確立することが極めて重要である。
 そのためには、現場で循環しているウイルス株に適応した適切なワクチンを選択することが重要である。実際、ワクチン株が循環している株に近いほど、ワクチンの有効性は高くなる。
6. この研究結果は、ヒトのCOVID-19に対するワクチン接種に応用できるのか?
 全てが比較できるわけではない。同じ種ではなく、ヒトと家きんでは課題も異なる。ワクチンの種類は、ヒトでは主にmRNA、家きんでは弱毒性生ワクチンであり、非常に異なる。それでも、この研究により、ヒトにおいて遭遇する可能性のある問題を予測することができる。
 また、我々は、ヒトのワクチン接種者と非接種者におけるSARS-CoV-2の進化の違いについて、ヒトでの結果と鶏で得られた結果を比較するために、リヨン大学病院センターと共同研究を開始した。
 当該論文(Viruses (2022), 14(7):1392、doi:10.3390/v14071392)は以下のURLから閲覧可能。
https://www.mdpi.com/1999-4915/14/7/1392
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL https://www.anses.fr/fr/vaccination-evolution-coronavirus-poules
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