食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05910730535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、緑茶に含有されるカテキン類の安全性に関する第一次声明案を公表
資料日付 2022年9月1日
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概要(記事)  英国毒性委員会(COT)は9月1日、緑茶に含有されるカテキン類の安全性に関する第一次声明案を公表した(PDF版30ページ)。概要は以下のとおり。
1. 背景
 2017年、緑茶サプリメントの摂取の結果として生じる有害影響に関する一連の報告を受け、欧州委員会(EC)は欧州食品安全機関(EFSA)に、食品サプリメントや伝統的煎じ液等の調整物を含め、食事由来にて摂取される全ての緑茶カテキン類(主として、- エピガロカテキン-3-ガレート(EGCG))の安全性に関し、利用可能な情報を評価するよう要請し、2018年4月、EFSAによる科学的意見書が公表された。イングランドにて食品サプリメントに関する政策を主導する保健社会福祉省(DHSC)の要請を受け、食品安全基準庁(FSA)はEFSAの科学的意見書を非公式に検討し、その結論に同意している。
 EFSAによる科学的意見書の採択を受け、ECは、緑茶カテキン類含有食品がヒトの摂取において安全であることを確保するため、緑茶カテキン類使用の制限あるいは禁止を目的とするEU法の改正を提案している。提案されているリスク管理措置には、規則(EC) 1925/2006第8条に基づき、緑茶カテキン類の禁止や許容量の制限、一定期間共同体による監視下におくこと等が含まれる可能性がある。これらの措置は、2022年第1四半期に予定されている。
 EFSAの意見書公表後、2019年に、英国及び欧州の食品サプリメント業界はDHSCに対し、規則(EC) 1925/2006第8条に基づき緑茶カテキン類(EGCG)の含有に対してリスク管理措置を実施する可能性について、多くの懸念を提起した。これらの懸念は、ECにも提起されている。
 FSAは、対応策を検討できるよう、2018年のEFSAによる科学的意見書の結論がその採択後に入手可能となった新たなデータを考慮してもなお適用可能か否かを評価するよう要請された。2018年のEFSAによる科学的意見書に関する本評価は、緑茶カテキン類や緑茶煎じ液・抽出物全般の安全性に関する評価ではなく、緑茶カテキン類及びそれと関連する特異体質的肝毒性の可能性が高いと推測される事例に関するものである。
 本声明案では、緑茶カテキン類の安全性に関するEFSAによる科学的意見書の主要な知見の概要を提示する。緑茶抽出物の安全性と肝毒性に関連するEFSAの科学的意見書の公表以降に新たな文献が利用可能となったか否かを調べるため、2018年から現在までの期間を対象に文献検索が実施され、当委員会に提示された。検索したデータベースは、PubMed、Google Scholar、LIVERTOXである。使用した検索語は、「緑茶抽出物」、「肝障害」、「肝毒性」である。論文2件が当委員会の潜在的な関心に関連すると確認され、付録Aの声明にてさらに詳述される。
2. COTの結論
 本稿の目的は、2018年に緑茶カテキン類に関するEFSAの科学的意見書が採択されて以降、緑茶抽出物の肝毒性の可能性に関し、EFSAの結論に影響を与える得る新たな文献が公表されたか否かを評価することであった。新たな研究が数件利用可能となった一方、潜在的な緑茶誘発性肝毒性への寄与要因の解明には更なる研究が必要であると推測され、当該肝毒性は、遺伝的要因、特異的体質、そして恐らくは全般的な肝臓の健康状態等、複数の要因によって影響を受ける可能性があると推測される。
 ヒトの研究データは一貫性に欠け、肝毒性は様々な用量、製剤、処置期間において発生している。さらに、ヒトのデータからは、摂取されたサプリメント中の緑茶抽出物(ひいてはEGCG)含有量の定量が困難である点が示唆される。
 総じて、800 mg/日の用量においてEGCGは安全であると推測されるというEFSAの結論が適切ではなくなったことを示唆する新たなデータは得られなかった。既存及び追加のデータの双方に基づき、緑茶抽出物あるいはEGCGに対する無毒性量(NOAEL)の特定は、未だ不可能である。
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/The%20safety%20of%20green%20tea%20catechins-%20first%20draft%20statement#background
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