食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05890090384
タイトル フランス公衆衛生局、フランス国民の鉛ばく露の現状に関する質問に回答
資料日付 2022年7月25日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス公衆衛生局は7月25日、フランス国民の鉛ばく露の現状に関する質問に回答した。概要は以下のとおり。
 フランス公衆衛生局は、論文「二つの補完的アプローチを用いたフランス人集団の血中鉛濃度の評価: ヒト・バイオモニタリング計画の一環としてのEsteban調査(2014年~2016年)及び小児鉛中毒の全国監視システム(2015年~2018年)」がEnvironmental Research誌に掲載された旨を紹介した。当該論文の著者である同局のAmivi Oleko氏及びMarie Pecheux氏が、フランス国民の鉛ばく露の現状に関する質問に回答した。
(※以下、抜粋)
Q: 論文は、フランス国民の鉛ばく露のモニタリングに関する二つのアプローチに基づいている。これらのアプローチとは何か?また、どのような人々を対象としているのか?
 二つのアプローチは以下のとおり。
・Esteban調査(環境・バイオモニタリング・身体活動・栄養に関する健康調査)(※訳注)
・子供の血中鉛濃度に関する全国監視システム(SNSPE)
 SNSPEは、鉛への過剰ばく露のリスクのある0歳~17歳の子供を対象とする。これらのばく露状況は、住居又は生活の場所(例: 鉛含有塗料)、レジャー(例: スポーツ射撃)、生活習慣や慣行(鉛を含む伝統薬の使用)、職業の見習活動(例: ステンドグラスの制作又は修復の見習い)から生じることもある。SNSPEは、Esteban調査のようなバイオモニタリング調査では収集するのが難しい、過剰ばく露のリスクがあると考えられる子供の鉛中毒の罹患率を評価する。
Q: 鉛ばく露に関する国家バイオモニタリング計画の展望とは?ばく露を低減させるために、現在の知見に照らして、どのような予防措置を優先すべきであり、また、どのような集団に注意を促すべきか?
 フランスでは、鉛ばく露は依然として公衆衛生上の問題である。鉛ばく露の源に対する医療従事者の注意を継続的に喚起することにより、リスクのある子供をより良く特定することができる。Esteban調査及びSNSPEの結果は、鉛ばく露のモニタリングの継続及び関連するリスク要因の継続的な実証が必要であることを証明している。また、これらの結果は、公共政策に関連する努力(鉛管の交換、住居の鉛診断、無鉛ガソリン、古い住居の改修等)が続けられなければならないことを示している。最近、明らかにされたのは、具体的な予防措置の実施を必要とする、金属回収作業に関連する鉛中毒の症例である。
 鉛の毒性及び鉛が健康に及ぼす有害影響を考慮すると、血中鉛濃度のレベルを可能な限り低く保つことは公衆衛生の課題である。国家バイオモニタリング計画の結果は今や、鉛ばく露の低減努力を継続するための公共政策の意志決定を支えることのできる判断材料である(例: 住居及び飲用水の水道管における鉛の存在に関する規制等)。
 今後は、複数の化学製品の混合(cocktail)へのばく露の実態を評価できるような、複数の物質への複合ばく露に関心を向けることが重要である。一般集団におけるレベルの継続的な低下及びリスク要因の持続の有無を検証するため、次のバイオモニタリング調査では、特に幼児における血中鉛の測定を含める必要がある。また、新興のばく露源を明らかにするために、他の公衆衛生機関との協力により、環境データとバイオモニタリングデータを組み合わせて使用することが適切であろう。
 最も脆弱な人々とは、依然として妊婦と子供(職業の見習活動中の青少年を含む)である。
(※訳注)Esteban調査の鉛に関する調査結果は、食品安全関係情報詳細(2020年4月2日)「フランス公衆衛生局、フランス国民の鉛の体内負荷量に関するバイオサーベイランス計画の調査結果を報告」https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05360010384を参照のこと。
 当該論文(Environmental Research
, Volume 213
, October 2022
, 113630
, doi.org/10.1016/j.envres.2022.113630)は以下のURLから閲覧可能。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0013935122009574?via%3Dihub
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス公衆衛生局
情報源(報道) フランス公衆衛生局
URL https://www.santepubliquefrance.fr/revues/articles-du-mois/2022/surveillance-de-l-exposition-au-plomb-de-la-population-francaise-par-deux-approches-complementaires-l-etude-esteban-2014-2016-dans-le-cadre-du
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