食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05880450149
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、シガテラに関するF&Q(英語版)を公表
資料日付 2022年7月20日
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概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は7月20日、シガテラに関するF&Q(英語版)を公表した。概要は以下のとおり。
 シガトキシン中毒(発生症例を指す場合は「シガテラ」)は、特定の海産魚介類用いて調理された食事を摂取した後に発生する可能性があり、世界中で発生する最も一般的な非細菌性海産物中毒の1種として認識されている。ドイツにおける発生は稀ではあるが、水産物貿易の世界的な拡大に伴い、今後、シガテラ症例が増加する可能性がある。ドイツにおいてシガテラの発生が繰り返されていることから、BfRは、魚介類中に含有されるシガトキシンによる中毒に関するQ&Aをまとめた。
1. シガトキシンとは?
 シガトキシンは、海洋性生物毒素(藻類毒素)に分類され、Gambierdiscus属及びFukuyoa属の渦鞭毛藻(単細胞藻類)により産生される。渦鞭毛藻の両属は、多くの場合、熱帯・亜熱帯の暖かな海洋環境に生息するが、シガトキシン産生藻類は、地中海地域でも観察されるようになってきている。これらの藻類は海洋性植物プランクトンであり、藻類を栄養源とする多様な海洋動物の餌となる。
2. シガテラとは?
 シガテラ(シガトキシン中毒)とは、シガトキシンにより誘発される様々な臨床症状を表す用語である。
3. シガトキシン摂取後、発生する体内反応は?
 シガトキシンは細胞膜内在性ナトリウムイオン・チャンネルに結合し、長時間活性化(チャンネルのオープニング)させる。その結果として、ナトリウムイオンが細胞内に無秩序に流入し、神経細胞への刺激伝達が阻害される。
4. シガトキシン中毒(シガテラ)の症状は?
 シガテラは、多様な臨床症状を伴い、魚介類摂取後数分から48時間の間に現れる。症状は、消化器系(吐き気、嘔吐、下痢、腹痛等)、神経系(筋肉痛、関節痛、そう痒症等)、循環器系(低血圧、極稀に不整脈等)等がある。
5. 海産魚介類摂取後にシガトキシン中毒の症状が現れた場合、如何に対処すべきか?
 可能な限り速やかに医療機関を受診し、シガトキシン中毒(シガテラ)の疑いがある旨を伝える。
6. 海産魚介類にシガトキシンが含有されるか否かを、消費者が見極めることは可能か?
 シガトキシンは、魚介類の外観、臭い、風味、粘性を変化させないため、シガトキシンの含有は認識できない。
7. シガトキシンは保存や調理によって分解されるか?
 シガトキシンは極めて安定性が高い。海産魚介類中に含有されるシガトキシン濃度は、加熱(煮る、揚げる等)、あるいは、冷凍やその他の保存処理、調理(酢漬け)にも影響されない。
8. 全ての海産魚及び水産物が同等に汚染されるのか?
 シガトキシンは、熱帯・亜熱帯の漁場、中でもサンゴ礁のある地域で捕獲される特定の魚種に発生し易い。肝臓、卵(卵巣)、頭部には、魚肉よりも高濃度のシガトキシンが含有される場合もある。
9. シガトキシン中毒発症の危険性が高い集団は特定されているか?
 一般的経験則として、海産魚類、及び海産魚介類製品を摂取すれば、誰でもシガトキシンにばく露される可能性がある。
10. 摂取しても症状が現れない安全なシガトキシンの量は確認されているか?
 未確定である。2010年、欧州食品安全機関(EFSA)は、魚介類摂取後にシガトキシン類の毒素がもたらす潜在的な健康リスクを評価する科学的意見書を公表している。利用可能なデータが不足していたため、担当ワーキンググループは、急性参照量(ARfD)等、シガトキシンに対する健康に基づく参照値(health-based reference values)を導出不可能であった。一般に、魚介類に含有される毒素が極めて低量であっても、ヒトにシガトキシン中毒症状を誘発する効力がある。シガトキシンを複数回摂取した場合、再発時にはさらに重篤な症状となる可能性がある。
11. 汚染が確認された地域を休暇で訪れた場合等に、シガトキシンへのばく露を回避する方法は?
 最も安全な方法は、海産魚介類を摂取しないことである。
12. 魚、魚製品、貝類に発生するシガトキシンへのばく露から消費者を保護するために法規制が果たす役割は?
 欧州連合内において、水産物製品中に含有されるシガトキシンは、以下の規則により規制されている。
 ・ 欧州委員会施行規則(EU)2019/627(ANNEX VI
, CHAPTER I
, G 3.)
 ・ 規則(EC) No. 853/2004(SECTION VIII
, CHAPTER V
, E.2)
当該規制は、シガトキシンが含有される如何なる製品の市販も禁止している。
 本FAQのPDF版(英語)は以下より入手可能。
シガテラ: 海産魚介類に含有されるシガトキシン(藻類毒素)に由来する中毒症例
https://www.bfr.bund.de/cm/349/ciguatera-cases-of-poisoning-from-ciguatoxins-algal-toxins-in-marine-fish-and-shellfish.pdf
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/en/ciguatera__cases_of_poisoning_from_ciguatoxins__algal_toxins__in_marine_fish_and_shellfish-303026.html
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
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