食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05670420314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、麻(hemp)を含有する食品の健康リスクに関するFAQを公表
資料日付 2021年7月16日
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概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は7月16日、麻(hemp)を含有する食品の健康リスクに関するFAQを公表した。概要は以下のとおり。(以下抜粋)
 麺類やエナジードリンク等、多くの食品に成分として使用される麻は、近年大きなブームとなっている。
 最もよく知られているカンナビノイドは、テトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD)である。特にTHCには精神活性作用がある。BfRが行ったばく露の算出からは、麻茶(ヘンプティー)又はTHCを高濃度で含有する麻種子油の摂取は、欧州食品安全機関(EFSA)が設定したTHCに関する急性参照用量(ARfD)を超過する可能性が示された。特に体重が少ない小児においてTHCの過剰摂取リスクがある。
 CBDを含有する製品は健康増進作用があると言われているが、その作用の大半は、科学的に証明されていない。主に食品サプリメントとして供される。現在の知見に基づけば、CBDは精神活性物質ではない。しかし薬理作用がある。CBD製品がTHCに汚染される可能性もある。
 麻を含有する製品を販売する際は、麻薬、医薬品及び食品に関する法律を遵守しなければならない。
 BfRは、麻を含有する食品に関するFAQをまとめた。
Q1:麻とは何か?
Q2:麻の用途は?
Q3:麻を含有する食品で市販されているものは?
A3:近年、市場では麻を含有する食品の種類が増えている。主原料として最も使用頻度が高いのは麻の種子である。以下の食品に使用される。
 麻の種子由来の食用油;当該油を成分として含有する食品;麻の種子又は麻の種子由来のプロテインパウダーを含有する食品(ミューズリーバー、パスタ等);主に麻の種子から作られるプロテインパウダーを含有するダイエタリーサプリメント等。
 さらに、麻植物の他の部位を含有する食品もある。
 麻の葉や花から作られる茶;葉や花由来の抽出物を含有する他の食品(エナジードリンク等);葉や花由来の抽出物を含有する食品サプリメント等。
 重要:一般的に、麻を含有する製品は、麻薬や医薬品に分類されず、食品自体が安全であると判断される場合にのみ、食品として販売することができる。
Q4:麻を含有する食品は麻薬法の範疇か?
Q5:麻はどのような成分を含有するのか?
Q6:麻植物のどの成分が中毒を引き起こすのか?
A6:大麻製品の精神活性作用は、主にカンナビノイドのTHCが原因である。THCに加え、麻植物に少量含まれる他のカンナビノイドにも精神活性作用がある。CBDは、工業用麻により多く含まれているカンナビノイドである。CBDはカンナビノイド受容体への親和性が極めて低いことから、THCに見られるような精神活性作用はない。
Q7:工業用麻の品種と麻薬としての麻及び医療品としての麻との違いは?
Q8:麻を含有する食品による健康リスクは?
Q9:THCの評価過程には特に厳格な基準適用されたというのは本当か?
Q10:THCの摂取が特に多量となり得る食品は?
Q11:食品中のTHCに関する最大基準値はあるのか?
A11:現時点で、EU域内では統一された基準値はない。現在、麻の種子及び麻の種子から作られる製品(麻種子油等)に関するEUレベルでの最大基準値の導入が議論されている。ドイツでは、2000年に種々の食品グループにおけるTHC濃度の指標値が公表された(ノンアルコール及びアルコール飲料において0.005mg/㎏、食用油において5mg/kg等)。BfRは、現在の知見に基づけば、十分な保護レベルを担保するためには、全てのケースにおいて(特に油に関して)、これらの指標値はもはや適切ではないと考える。これらの指標値が遵守されたとしても、ARfDを超過する可能性がある。
Q12:麻に関して、THCの最大規準値は0.2%が適用されるというのは本当か?
Q13:麻を含有する食品の毒性学的評価の根拠として考えられることは?
A13:BfRは、EFSAが設定したTHCのARfDである0.001mg/kg体重を根拠に評価が行われることを推奨する。
Q14:BfRが、評価においてTHCカルボン酸を考慮することを推奨する理由は?
Q15:麻植物中の異なる成分による相互作用はあるのか?
Q16:麻を含有する食品を摂取した後に薬物検査で陽性となる可能性はあるのか?
Q17:店頭ではCBDを含有する多くの製品が見られるが、これらは麻とどのような関連性があるのか?
A17:CBDとは、カンナビジオールという物質の略称である。CBDは、主に工業用麻から得られるカンナビノイドである。THCとは対照的に、CBDは非精神活性のカンナビオイドであると判断される。したがって麻薬法では麻薬のリストに収載されていない。
 一般の人たちの間では、CBDは多くの健康増進効果があると思われている。そのため、CBDは現在、食品サプリメント等の多くの製品に使われる人気の成分である。健康に良いと宣伝されている効果の大半は、科学的に証明されていない。リスク管理当局のドイツ連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)が、「食品(食品サプリメントを含む)中のCBDがEU域内で合法的に販売できるいかなる事例も承知していない」と明言していることを指摘しておく。
Q18:CBDを伴う食品は健康上の問題とはならないのか?
A18:食品中に存在するCBDによる健康影響の可能性に関する入手可能なデータは、現時点でまだ限定的である。しかし、医薬品としてのCBDの使用から、少なくともCBDを多量摂取した場合は、望ましくない影響が生じる可能性があることが既に分かっている。
Q19:ドイツでは、CBDを含有する食品サプリメントは合法的に販売可能か?
Q20:麻を含有する食品は新食品と判断されるか?
A20:EUの新食品規則(EU)2015/2283によれば、1997年5月15日より前の時点で、EUにおいて相当量の食習慣がなかった食品は新食品として判断される。その場合、EFSAによる新食品に関する安全性評価の下での認可が義務付けられる。
 欧州委員会の「新食品カタログ」では、麻植物(Cannabis sativa L.)の抽出物及びCBDを新食品としている。これらは、規則(EU)2015/2283に基づく承認が必要である。当該プロセスの一環として、EFSAは現在、新食品としてのCBDの安全性評価を行っている。結果はまだ出ていない。
Q21:麻を含有する食品と麻を含有する医薬品の違いは?
A21:原則として、食品(食品サプリメントを含む)の成分は、薬理作用(疾病の治療や症状の緩和作用等)があってはならない。このような作用を有する製品は医薬品法の範疇となり、販売が可能となるためには医薬品としての承認が必要である。
FAQ(8ページ)は以下のURLから入手可能。
https://www.bfr.bund.de/cm/349/frequently-asked-questions-about-the-health-risks-of-foods-containing-hemp.pdf
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) -
URL https://www.bfr.bund.de/en/frequently_asked_questions_about_the_health_risks_of_foods_containing_hemp-279961.html
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