食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05660660160
タイトル 英国食品基準庁(FSA)、ゲノム編集食品に関する消費者意識調査結果を公表
資料日付 2021年7月21日
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概要(記事)  英国食品基準庁(FSA)は7月21日、ゲノム編集食品に関する消費者意識調査結果を公表した。概要は以下のとおり。
1.背景
 当該調査は、遺伝子技術の領域におけるFSAのエビデンスベースを強化するための更なる取組みの一環として行われた。
 このプロジェクトは、ゲノム編集(genome edited:GE)食品に関して、また、将来的にGE食品のどのような表示が可能かに関して一般消費者の認識を知ることが狙いであった。
 現時点で、英国において販売が認可されているGE食品はないものの、一部は、世界の他の場所で入手可能であり、GEはグローバルな食品システムにおいて急速に成長している技術である。
 英国が欧州連合(EU)から離脱して以降、GM食品及びGM飼料の全ての安全性評価や付随する表示規則は、FSA及びスコットランド食品安全局(FSS)の管轄である。
2.報告書のエグゼクティブ・サマリーから抜粋
 英国が欧州連合(EU)から離脱したため、食品中のGEは政策上の分岐点となる領域であると考えられる。英国政府は、この領域における変革促進の意図を口頭で表明している。
 英国政府は、2018年に欧州司法裁判所(ECJ)が出した、「GE生物は、得られた結果が従来の育種法によって作出することが可能であったと考えられる場合でも遺伝子組換え生物(GMO)として規制されるべきである」とする判決に異議を唱えた。現在、遺伝子編集の規制に関するレビューを行うことへの関心が高まっており、GMOの法的な定義の変更が要求されている。
 2021年1~3月に、英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)は、GMOの定義変更を法律改正に盛り込む提案を含め、遺伝子技術に関する意見募集を行った。DEFRAは、当該意見募集の結果を、イングランドにおける法律改正を行うべきかを決定する際の判断材料にしたいと考える。
 英国で使用されているGEの法律上の単一の定義はなく、また、英国政府が合意した定義もない。FSAは、GEは様々なツールを用いることから広範な改変に繋がる可能性があると認識している。当該調査研究に関して用いられたGEの定義は、動植物における、従来の育種法を用いることによっても達成可能と考えられるGEに特化している。
 本調査研究から以下の結果が得られた(抜粋)。
・消費者は、傾向として、ゲノム編集食品についての認識が低く、知識が極めて限定的であった。ほとんどの消費者は、ゲノム編集食品について聞いた経験がなく、GM食品と混同していた。
・消費者は、GM食品と比べ、GE食品はより許容できると感じる傾向にあった。概して、GE食品はより安全であり、自然であるとの認識が理由として挙げられる(一方で、一部の消費者は、GEは自然ではなく、従来の育種技術ではなくGMにより近接していると考える)。しかし、消費者は、GM及びGEの両方とも、植物に応用された場合は、動物に応用された場合(GMであれGEであれ)と比べ、より許容できると考えている。即ち、一般的には、GE動物と比べGM植物の方が許容できると考えられている。
・消費者は、人に対する安全上のリスク(改変及び編集された植物を、改変又は編集された動物よりも安全であると見なしつつ)、及び、動物福祉(改変された耐病性家畜の集約農業に関する懸念を含む)について懸念を抱いていた
・概して、より多くの情報提供を受けた消費者において、GE食品に対する許容度がより高い、あるいは、高くなった。それでもなお、一部の消費者は懸念を抱いていた。
・GE食品の表示に関しては、GE成分が使われていることを消費者が常に分かるように、「ゲノム編集」という完全な用語を用いて情報提供すべきであると感じている。
・大半の消費者は、GEとGMは二つの異なる技術でることから、GE食品はGM食品とは別枠で規制することが適切であると感じている。しかし、多くは、調査、試験及び規制は、少なくとも始めのうちはGMOと同様に高水準であるべきと思っている。また、より新しい技術なので未知のリスクがあるかもしれないと感じている。利益を優先する大企業が、慎重に規制されない限り、消費者、動物、環境への潜在的な利益が損なわれる可能性があることに懸念を抱いていた。
・消費者は、徹底した安全性評価は重要であり、必要に応じて動物福祉に関する規則が強化されるべきであると思っている。これについては、動物福祉は本調査研究の対象ではなかったことから、回答者が現在の動物福祉に関する規則について詳細な情報提供を受けていなかったことに注意する必要がある。情報不足のため、現在のアプローチの適切性を思案するために必要となる知見を得ていなかった可能性がある。しかしながら、適切な動物福祉規制の重要性は非常に明確に認識されていた。
・GE食品が英国市場に入ってきた場合、消費者は透明性のある表示を求めており、規制及び安全性評価が徹底して行われることを通して安心感を得たいと望んでいる。回答からは、GE食品に関する一般消費者向けの啓発活動の一助になると考えられるものとして、英国における現行の動物福祉上の規制に関するコミュニケーションや、テレビのドキュメンタリー及びソーシャルメディアを使った情報提供キャンペーンが示唆された。
 報告書(2021年7月)(55ページ)は以下のURLから入手可能。
https://www.food.gov.uk/sites/default/files/media/document/consumer-perceptions-of-genome-edited-food.pdf
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国食品基準庁(FSA)
情報源(報道) 英国食品基準庁(FSA)
URL https://www.food.gov.uk/news-alerts/news/uk-consumers-give-their-views-on-genome-edited-food
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