食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05540170149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、有効成分フッ化スルフリルに関する現行の最大残留基準値(MRL)のレビューに関する理由を付した意見書を公表
資料日付 2021年1月28日
分類1 化学物質
分類2 農薬
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は1月28日、欧州議会及び理事会規則(EC) No 396/2005第12条の規定に従った有効成分フッ化スルフリル(sulfuryl fluoride)に関する現行の最大残留基準値(MRL)のレビューに関する理由を付した意見書(2020年12月18日承認、72ページ、doi: 10.2903/j.efsa.2021.6390)を公表した。概要は以下のとおり。
 フッ化スルフリルは欧州委員会指令2010/38/EUにより2010年11月1日、欧州理事会指令91/414/EEC付属書Iに収載され、欧州議会及び理事会規則(EC) No 1107/2009に基づき認可されると見なされた。
 当該有効成分は2008年9月2日の欧州議会及び理事会規則(EC) No 396/2005の施行後に認可されたため、EFSAは同規則第12条第1項の規定に従って、当該有効成分に関する現行のMRLのレビューに関する理由を付した意見書を提出する義務がある。
 報告担当加盟国(RMS)、加盟国、英国及び欧州リファレンスラボラトリー(EURL)から提出された情報に基づき、指令91/414/EECの枠組みにおいてEFSAにより導出された結論及びコーデックス委員会により設定されたMRLを考慮し、EFSAは2020年5月、理由を付した意見書案を作成し、加盟国及びEURLに配布した。受理された意見により評価の修正が行われ、修正された理由を付した意見書が再配布された。以下の結論が導出された
 植物食品中のフッ化スルフリルの性質は代謝試験で調査されなかった。その代わりに、いくつかの食品作物中のフッ化スルフリルの分解経路に関する公開文献から得られる情報が利用可能であった。しかしながら、くん蒸時の食品中に予想される残留物の性質を完全に明らかにするには十分ではないと考えられた。規制及びリスク評価のための暫定的な残留物の定義が、フッ化スルフリル及びフッ化イオンをそれぞれ表すとして提案された。未加工食品中の残留物の性質を明らかにする追加試験の結果次第で、加工食品に関しても追加の情報(加工食品中で特定された代謝物の加水分解安定性の調査)が求められる可能性がある。したがって、加工食品に関する残留物の定義も暫定的な基準に基づき設定される。フッ化スルフリルは建物内でのくん蒸剤としてのみ認可されているため、後作物における試験は関連しない。
 利用可能な残留物試験から得られたデータは、評価対象の全作物に関してフッ化スルフリルに関するMRL及びリスク評価値を算出するのに十分であると考えられる。
 フッ化イオンに関して、EFSAは試験結果及び植物食品中に自然に存在するフッ化物のバックグラウンドレベルに関する情報を考慮した。バックグラウンドレベルや残留物試験に関する情報が利用できない乾燥した豆類、油糧種子等を除き、全ての植物食品に関するMRL及びリスク評価値を算出することが可能であった。
 EFSAは、規則(EC) No 396/2005に従って、加工食品に関するMRLの設定は想定していないと指摘し、更なるリスク管理の検討のために、干しぶどう及び穀類の製粉食品に関するMRLの推奨値を算出した。
 加工作物中の残留物の性質、及びカカオの実、酸性で高水分の食品、茶、ハーブティーにおける管理のための十分にバリデーションがとれた分析法に関連するデータギャップ、穀類及び干しぶどうに関する残留物試験の欠如を考慮し、またカカオ豆とバックグラウンドレベルに関する残留物試験の更に詳細な情報が出るまでの間、全ての算出されたMRLは暫定的と考えるべきである。
 フッ化スルフリルは家畜に給与される可能性がある穀類への用途に認可されている。しかしながら、認可された用途が空の貯蔵所及び工場に対してであり、現在実施されているリスク緩和措置を考慮し、家畜がLOQ及びバックグラウンドレベルを上回ってフッ化スルフリル及びフッ化イオンの残留物にばく露することは想定されない。したがって、家畜中の残留物を更に調査する必要はない。認可された用途以外の発生源からのバックグラウンドレベル濃度に関して、EFSAの「栄養製品、栄養及びアレルギーに関する科学パネル」(NDAパネル)のフッ化物に関する科学的意見書からのデータが動物製品に関するMRLを導出するために考慮された。しかしながら、これらのMRLは暫定的なものとして考慮されるべきであり、バックグラウンドレベルに関する更に詳細な情報により補強されるべきである。さらに、動物食品中のフッ化イオンの管理のための分析法が利用できない。
 このレビューの枠組みにおいて報告される全作物に関する慢性及び急性ばく露量の算出が、フッ化スルフリル及びフッ化イオンに関してEFSAの残留農薬摂取量算出モデル(PRIMo)3.1を使用して実施された。
 算出されたばく露量の値はEFSAが導出したフッ化スルフリルに関する毒性学的参照値と比較された。慢性ばく露量の最大値はアイルランドの成人に関して算出され許容一日摂取量(ADI)の4%を占め、急性ばく露量の最大値はピスタチオに関して算出され、急性参照用量(ARfD)の4%を占めた。このレビューの枠組みにおける評価されたMRLとは別に、国際的に推奨されるコーデックス委員会によるMRL(CXL)もフッ化スルフリルに関して設定された。このためこれらのCXLを考慮した消費者ばく露量の追加的な算出が実施された。慢性ばく露量の最大値はADIの4%(アイルランドの成人)、急性ばく露量の最大値はARfDの5%であった(ココナッツ)。
 フッ化物イオンに関して、標準的な消費者リスク評価は毒性学的参照値に関する情報がないため実施できなかった。しかしながら、フッ化物イオンが植物及び動物由来の食品中に自然に存在することを考慮し、EFSAは現在認可されている用途がフッ化物イオンへの全体的な消費者ばく露量に大きく寄与するかどうかを推定するために、消費者ばく露量の目安となる算出を実施した。これらの目安になる算出によれば、認可されている用途及びCXLからの全体的なフッ化物へのばく露量への寄与は小さい(JMPR(FAO/WHO合同農薬専門家会議)により評価された穀類への用途を除く)。しかしながら、フッ化物イオンの毒性学的プロファイルに関する追加情報及び植物及び動物食品中のフッ化物イオンのバックグラウンドレベルに関する包括的なデータがないため、検討されている用途に関する全体的、結論的な消費者ばく露量の評価は実施できなかった。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) -
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6390
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