食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05490420184
タイトル ノルウェー自然研究所(NINA)、鹿慢性消耗病(CWD)に関するオンラインミーティングでのFAQを公表
資料日付 2020年11月4日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  ノルウェー自然研究所(NINA)は11月4日、鹿慢性消耗病(CWD)に関するオンラインミーティングでのFAQを公表した。概要は以下のとおり。
 2020年10月19日、ノルウェー食品安全庁(NFSA)、ノルウェー環境庁、NINA及びノルウェー国立獣医学研究所(NVI)が共同でFacebookでのオンライン会議を開催し、一般の人たちがCWDに関して抱いている疑問に回答した。これらの質問の多くは詳細な内容に関するもので、特定の学術分野に及ぶものもあった。質問への回答はNVIが行った。
 北米では、研究者らは、ノルウェーのヘラジカに由来するCWDプリオンを遺伝子組換え(GM)マウスに移す試みを行った。驚くべきことに、当該マウスでは、米国のプリオンを使った場合と比べ、CWDが発症するまでの期間が遥かに短かった。このような非定型の感染症例数は、ここ数年で北欧地域において2桁台となった。うち7例はノルウェーで確認されている。
 これらの症例はスカンジナビアに限定されスカンジナビアが初出であると考える者はいない。現時点で、ヘラジカ数頭及びシカ1頭でしか確認されていない。このような非定型症例はこれまでに多く見られてきた可能性がある。
 FAQ(全21問)より抜粋。
Q:現時点で、このような非定型の症例が感染源であるかどうかを突き止めるために何が行われているのか?
A:感染に関する特別な追跡は行われていないが、前述のとおり、ノルウェーのヘラジカに由来するプリオンが種々の動物モデル(マウス)に移植されている。これは、ノルウェーで見つかった種々のプリオンの特性判定を行う最良の試験の一環である。得られる結果は、感染源を明らかにする一助となる知見に繋がる。
Q:Nordfjellaのトナカイには枝角や脚をかじる傾向が見られるが、このことが感染の端緒となる可能性は?(回答省略)。 
Q:トナカイのCWDは、自然発生的に(ヘラジカ及びシカにおける場合と同様、非定型として)発生したのではないのか?その後、角を介してプリオンが伝播し複数の動物に感染したのではないのか?
A:非定型CWDは、高齢のヘラジカ(雌)7頭及びシカ1頭から検出された。どの個体にも枝角はない。もし雄でCWDが発生しても、角にプリオンが存在するかは不明である。非定型CWDが定型CWDの起源であるかどうかも不明である。トナカイでは非定型CWDは検出されていないが、その可能性は排除できない。そのような症例が発生した場合、それがトナカイに定型CWDを発生させるかどうかは興味深い考えである。いずれにしろ、そのようなケースは極めて稀であると言える。
Q:その場合、ノルウェーのトナカイにおけるCWDは感染性ではないが伝播可能であり、塩場の土壌を介した感染あるいはCWD陽性トナカイの糞便を介した感染によって説明され得るものではないか?この問いが的外れでないとすれば、ノルウェーの山岳地域におけるトナカイの更なる殺処分を開始する前に何らかの解決策を見つける努力をすべきではないか?(回答省略)。
Q:CWD陽性の個体に由来する全ての枝角に関して検査が行われたと認識している。枝角からプリオンは検出されたのか?
A:現時点で、ノルウェーの野生のトナカイに由来する枝角からはプリオンを検出することは不可能である。
Q:トナカイのCWDがノロジカに感染する可能性は?
A:ノロジカのCWDに関しては以前に記録はないが、CWDは種々のシカ科動物で検出されている。ノロジカが感染しないことを示すものはない。
Q:CWDのプリオンは、加熱調理(フライなど)により無害になるのか?
A:プリオンは、煮る又はフライすることにより完全に無毒化はできない。CWDがヒトに伝播することは示されていないが、牛の(異常)プリオンはヒトに伝播し発病させることが分かっている。故に、何に由来するかに拘わらずプリオンの摂取に対しては予防措置的な立場が取られている。
Q:現時点におけるNFSA及びNVIからの情報提供によれば、今後に向けた複数のシナリオ及び提案されている様々な措置の概要がまとまった。それらはNordfjella地域及びHardangervidda地域における感染に疫学的な関連性があるという事実に基づく。プリオン接種試験により感染がNordfjella にも北米にも由来しないことが示される可能性については言及していない。両地域での感染に疫学的な関連性が認められない場合にどのような措置を講じるか計画しているのか?
A:NVIは、Nordfjella及びHardangerviddaにおけるCWD症例には関連性があるという考えを有力視している。地理的な近さや、動物の間で行き来があるという事実がその理由である。更に、Nordfjellaの野生のトナカイとHardangerviddaのCWD症例との間には、検査所見に類似点が見られる。
 マウスを使ったプリオンの接種試験の結果、Nordfjella Zone1とHardangerviddaのCWDに相違点があることが示された場合、両者に関連性があるとする前提が正しいかを検討する必要がある。接種試験は完了するまでに長期間を要し、結果が分かるのは早くても2~3年後である。
 NordfjellaとHardangerviddaのトナカイでのCWDが同じ型であっても異なる型であっても、トナカイのCWDは感染性である。トナカイだけでなく他のシカ科動物に拡大する可能性がある。したがって、NVIは、接種試験の結果を待ってから措置を講じることは合理的ではないと考える。
地域 欧州
国・地方 ノルウェー
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) ノルウェー自然研究所(NINA)
URL https://www.hjortevilt.no/her-er-svarene-fra-nettmotet-om-skrantesjuke/
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