食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05030370314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、マイクロプラスチックによるヒトの健康影響に関する調査研究について情報提供
資料日付 2018年10月29日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は10月29日、マイクロプラスチックによるヒトの健康影響に関する調査研究について情報提供を行った(2018年10月29日付け情報提供 No.033/2018).。概要は以下のとおり。
1.初めに
 オーストリア連邦環境省及びウィーン医科大学が、ヒトにおけるマイクロプラスチック(マイクロプラスチック粒子)に関する初めてのパイロットスタディーを行い、その結果が公表された。同パイロットスタディーでは、8人の被験者の便検体からマイクロプラスチックが検出された。 
 BfRは、マイクロプラスチック粒子によるヒトの健康影響の可能性に関する結果をまとめた。
2.食品中のマイクロプラスチック
 BfRは、食品中のマイクロプラスチック粒子に関して、化学物質の種類、粒子サイズ及び含有量についての信頼に足るデータを持ち合わせていない。信頼できるデータがないことから、マイクロプラスチック粒子により汚染された食品の摂取がもたらす健康影響に関してリスク評価を行うことは、現時点では限られた範囲でしか可能ではない。BfRの要請を受け、欧州食品安全機関(EFSA)は、食品(特に魚介類)中のマイクロプラスチック及びナノプラスチックの存在に関する包括的な意見書を公表した(2016年5月)。
 EFSAによれば、特定のサイズのマイクロプラスチック粒子は経口吸収される可能性がある。しかし、消化管内での機序及び分解の可能性に関しては、現時点で、分析手法及び確実な根拠に基づく研究がないことから、十分な調査は行われていない。
 EFSAは、入手可能な研究に基づき、腸における吸収は非常に少ないと考える(げっ歯類での試験から得られた結果)。また、150μm(1μmは0.001mm)未満のマイクロ粒子のみが腸のバリア機能を通り抜けることができ、1.5μm未満のマイクロ粒子のみが、より奥に位置する各器官に到達することができると考える。現時点で、ヒトで行った調査研究に由来する入手可能な結果はない。
 BfRが初めて独自に行った調査では、ヒトの腸管上皮細胞(培養)及び動物実験での試験が行われた。その結果、腸管上皮細胞からは、最大で直径約4μmのプラスチック粒子が吸収される場合があることが示された。しかし、動物実験では、1~10μmのプラスチック粒子を大量投与したにも拘らず、腸管上皮細胞からの検出は散発的であった。BfRは、マイクロプラスチック粒子の経口摂取に関して、種々の粒子モデルを用いて調査研究を行った。現時点で、腸組織の損傷を示すエビデンスは明らかになっていない。
 BfRは、マイクロプラスチックは体内に蓄積するかに関する疑問に対応するいかなる結果も持ち合わせていない.
3.オーストリア連邦環境省のプレスリリース(2018年10月23日付け)より抜粋
 同省及びウィーン医科大学が行ったパイロットスタディーでは、ヒトの便検体から初めてマイクロプラスチックが検出された。被験者は8人で、全員から検出された。当該研究結果は、ウィーンで開催されている欧州消化器病週間(UEG)(訳注:2018年10月20~24日)の会議で発表された。
 被験者は、女性5人及び男性3人(フィンランド、イタリア、日本、オランダ、ポーランド、ロシア、英国及びオーストリア在住、年齢は33~65歳)であった。
 被験者は、1週間「フードダイアリー」を記録し、その後、便検体を提出した。全員が、プラスチック包装の食品又はPETボトル入り飲料の摂取を介してプラスチックにばく露していた。ベジタリアンはいなかった。大半が魚(海産魚など)を摂取していた。
 マイクロプラスチック粒子の検出量は、便検体10g当たり、平均で20粒子であった。便検体からは、10種類のプラスチックが検出された。9種類については、サイズは50~500μmで、最も多く検出されたのは、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレンテレフタレート(PET)であった。
 筆頭著者のPhilipp Schwabl(ウイーン医科大学)は、「被験者数が少ないことから、食事とマイクロプラスチックばく露との関連性を明らかにすることはできない」「ヒトの器官、特に消化管から検出されるマイクロプラスチックによる影響に関しては、より規模の大きい調査研究を行う中で追及していくしかない」と述べる。
 当該プレスリリース(ドイツ語)は以下のURLから入手可能。
http://www.umweltbundesamt.at/aktuell/presse/lastnews/news2018/news_181023/
 当該パイロットスタディー「ヒトの便検体中のマイクロプラスチックの濃度に関する評価」(英語、16ページ)は以下のURLから入手可能.
http://www.umweltbundesamt.at/fileadmin/site/presse/news_2018/UEG_Week_2018_-_Philipp_Schwabl_Microplastics_Web.pdf
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/cm/349/is-there-a-risk-to-humal-health-from-microplastics-more-research-and-scientific-data-needed.pdf
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