食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05030290149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、新たな毒性学的情報を踏まえた農薬有効成分イマザリルの現行の残留基準値(MRLs)のレビューの更新に関する理由を付した意見書を公表
資料日付 2018年10月30日
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概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は10月30日、新たな毒性学的情報を踏まえた農薬有効成分イマザリル(Imazalil)の現行の残留基準値(MRLs)のレビューの更新に関する理由を付した意見書(2018年9月28日承認、52ページ、doi: 10.2903/j.efsa.2018.5453)を公表した。概要は以下のとおり。
 イマザリル作業部会は2014年、農薬有効成分イマザリルのかんきつ類、りんご、なし、バナナ、じゃがいもにおける現行のMRLsの改定のための申請書を提出した。
 EFSAは2018年6月8日、理由を付した意見書を公表し、イマザリルの代謝物R014821、FK-772及びFK-284に関するデータが不十分でありこれらの化合物の遺伝毒性について結論付けることができないとする評価担当加盟国(EMS)の意見を支持した。EFSAは欧州委員会より新たな毒性学的情報が既に評価された使用量に与える影響を評価するよう指令を受けた。更に代替MRLsを特定するよう要請された。
 イマザリルの代謝は3つの作物グループ(穀類、果樹類及び根菜類)における3つの異なる施用法(葉部、ポストハーベスト及び種子処理)に対して調査された。規制のための残留物定義はイマザリル(構成する全ての異性体比)として提案された。イマザリルは定量限界(LOQ)を0.01mg/kgとして4つの主要な作物において実施可能である。リスク評価には葉部施用及び種子処理が行われる作物にイマザリル(構成する全ての異性体比)を提案することができるが、ポストハーベスト施用の作物に対してはリスク評価のための残留物定義に関する結論は導出できない。イマザリルのポストハーベスト施用後に発生すると推定される代謝物R014821の毒性学的データがないため、イマザリルとイマザリルに換算されたものとしてのR014821の和として以前提案された暫定的な残留物定義は保留された。
 残留物の性質は標準的な加水分解を通して変わらない。代謝試験が利用できないため、輪作作物における残留物の性質に関する結論は提案できなかった。
 利用可能な残留物試験データにより、ほとんどの評価対象の作物に対する(暫定的な)MRLsの提案及びリスク評価値が導出できた。将来飼料におけるMRLsを設定する必要性を考慮して、穀物のわらに対する暫定的なMRLsも導出された。ポストハーベスト処理を十分に行っていない作物に対する残留物定義が提案されてなかったことを考慮して、ポストハーベスト施用のある農業生産工程管理(GAP)からリスク評価値は導出できなかった。したがって、MRLはかんきつ類、りんご、なし、バナナ及びじゃがいもについて報告されている様々なポストハーベストの使用量から算出可能だが、リスク評価値はこれらのGAPから導出されなかった。じゃがいもの代替MRL及びリスク評価値は種子処理のGAPから導出可能であり、完全にデータで裏付けされている。代替MRL及びリスク評価値を導出するためのかんきつ類、りんご、なし、バナナ及びメロンの代替GAPは利用できなかった。 
 皮を剥いて食する果樹類(かんきつ類、バナナ及びメロン)及び多くの加工食品の確固とした加工係数が導出された。
 かんきつ類、りんご及びじゃがいもについて認可されている重要なGAPに対してリスク評価値が導出できないことを考慮して、本レビューで報告されている全てのGAPを考慮した包括的な飼料中の残留濃度は算出できなかった。家畜の飼料中の残留濃度の算出はポストハーベストのGAPを考慮しないで算出された。算出された飼料中の残留濃度はトリガー値の0.1 mg/kg 乾物(DM)を下回っていた。 
 慢性及び急性消費者ばく露は残留農薬摂取量算出モデル2版(PRIMo)を用いて算出された。ポストハーベスト施用される作物に対するリスク評価の残留物定義に関する最終結論がないため、消費者ばく露量の計算は、かんきつ類、りんご、なし、じゃがいも、バナナ及びメロンについて認可されているポストハーベスト施用のあるGAPを考慮に入れずに実施された。メロンの急性参照用量(ARfD)で606.7%を示す超過が1件あったが、それを除いた慢性ばく露量の最大値は許容一日摂取量(ADI)の1.7%であった(世界保健機構(WHO)のCluster diet B)。また、急性ばく露量の最大値はARfDの18.6%であった(トマト)。
 このレビューの枠組みで評価されているMRLs以外に、国際的に推奨されているコーデックスの残留基準値(CXLs)もイマザリルに対して設定されている。ポストハーベストの使用量から導出されるCXLsは考慮に入れずに、CXLsを考慮した消費者ばく露量も算出された。現行のCXLに対して、ARfDの超過がかきで特定された(131%)。これを除いた慢性ばく露量の最大値はADIの6.0%であった(ドイツの小児)。また、急性ばく露量の最大値はARfDの62.4%であった(いちご)。
 EFSAの導出したMRLではかんきつ類、りんご、なし、バナナ等では更なる検討が必要とされている。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5453
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