食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05000920328
タイトル  英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)、食品基準庁(FSA)及び公衆衛生庁(PHE)、慢性消耗性疾患(CWD)に関するリスク評価書を公表
資料日付 2018(平成30)年8月13日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)、英国食品基準庁(FSA)及び英国公衆衛生庁(PHE)は8月13日、慢性消耗性疾患(CWD)に関するリスク評価を公表した。概要は以下のとおり。
 これらの評価書は、ノルウエーから英国へのCWD侵入リスクや、英国における食品及び非食品経由のCWDばく露経路を考慮している。
1.背景情報
(1)2017年3月、政府の科学委員会は、英国動植物保護庁(APHA)、PHE及びFSAに対し、シカ科動物における伝達性海綿状脳症(TSE)による公衆衛生リスクに関して調べるよう委託した。
(2)指針とする国際基準は機関により異なり容易に統合できないことから、3件の個別のリスク評価書が作成された。本背景情報資料は、全体としての結論を示すことを意図している。
(3)ハザードは、2016年にノルウェーのトナカイ(Rangifer tarandus)から初めて検出されたCWDプリオン(北米のシカ科動物で確認されたCWDに類似)と、ノルウェーのヘラジカ(Alces alces)及びアカシカ(Cervus cervus)から検出された非定型CWDプリオンと特定された。入手可能な証拠からは、患獣における組織分布が異なる2種類のTSE疾患の存在が示唆される。実際、北米におけるCWDは、感染性及び病原性の異なる複数の株が特徴である。
(4)カナダで行われた最近の研究では、北米のシカ科動物に由来するCWDがマカクザル(Cynomolgus macaques)に感染する可能性(頭蓋内感染及び経口感染の双方)が示された。また、マカクザルとの濃密接触を介した感染拡大も見られた。しかし、これらは当該試験のみから得られた結果であり、再現性があるかを示すには更なる調査研究が必要である。種々の手法及び異なる種類のCWDプリオン株を用いて行われたと考えられる最近の他の実験では、マカクザルへの感染は見られなかった。
(5)英国へのCWD侵入リスクは非常に低い~低い(侵入経路による)、また、CWDが他のシカ科動物に拡大するリスクは高いと結論付けられた。他の家畜動物種に拡大するリスクは非常に低いと結論付けられた。
 ヘラジカ及びアカシカにおける非定型CWDに関しては、CWD感染組織の分布が異なること及び非定型CWDと考えらえる症状を考慮し、英国のシカ科動物集団への侵入リスクは低いと考えられる。しかし、不確実性は大きい。
 英国には、管理されたヘラジカ集団は動物園での複数の飼育群の他に2種類しかないことに注目することも有用である。英国における死亡家畜サーベイランスからは、非シカ科動物の間ではCWDは蔓延していないことが十分に担保されている。
(6)英国におけるシカ肉摂取は主に英国産のシカ肉である。したがって、食品安全上の観点に立ったリスク評価は、既に英国にCWDが存在している場合を仮定して行われた。
 現在、米国及びカナダで、感染動物の肉を摂取したことが分かっている人たちのコホートを追跡した研究が行われている。これらの研究は、リスク評価の種々の過程における不確実性を伴う多くの領域を取り上げる予定である。しかし、潜伏期間及び必要感染用量は分かっていないことから、これらの研究から得られる有害な結果は決定的なものであるとは考えられない。
 他の反すう動物と比べ、シカ科動物の場合は、と体の取り扱い及び肉の生産には種々の方法がある(脊髄などの特定危険部位(SRM)を除去しない)。しかし、消費形態及びと畜施設に求められる要件を考慮すれば、リスク評価全体としては、公衆衛生上のリスクは非常に低いと考えられる。
(7)公衆衛生上のリスク(職業ばく露又は非食品経由ばく露)を考える場合も、リスク評価は、既に英国にCWDが存在すると仮定し、感染シカ科動物との種々の濃密さでの接触を考慮して行われた。リスクが考えられる集団は、感染シカ科動物と直接接触する集団(狩猟で得た動物の管理者、ハンター、獣医、動物の解体業者、レンダリング業者及び精肉業者など)、ダイエタリーサプリメント(シカの袋角など)を摂取している集団、感染動物由来の肉を給餌された愛がん動物と接触する人たち及び環境ばく露が考えられる人たちである。
 全体的なリスクは非常に低いと考えられる。信頼性は中程度である。既に、牛海綿状脳症(BSE)感染と体の取り扱いに関する予防措置が実施されており、これらによっても、CWDばく露が予防できると考えられる。
(8)したがって、全体的なリスクレベルは、無視できるレベルではないが非常に低い。これは、現実性の低い(既に英国のシカ科動物集団にCWDが存在するという)シナリオ、エアロゾル吸入を介した他の家畜動物種及びヒトへの感染では種間バリアが存在するとの前提及びシカ肉の摂取量は少ないことを考慮したものである。
(9)しかし、英国における感染レベル(仮に感染があるとして)に関しては、非常に大きな不確実性がある(潜伏期間及び必要感染用量)。したがって、これらのリスク評価書は随時更新される資料であり、新たな証拠が入手可能となれば見直される予定である。
(10)ノルウェー当局は、2018年6月24日時点で、41,891頭のシカ科動物に関して検査が行われたことを確認した。その結果、Nordjfella地域の放牧トナカイ2,117頭のうち19頭がCWD検査陽性であった(有病率は1%)。
 10,000頭を超えるヘラジカに関して検査が行われ、3頭が非定型CWD陽性であった。7,000頭近くのアカシカについて検査が行われ、1頭が非定型CWD陽性であった。
 背景情報「CWD及びTSEによる動物の健康、食品安全及び公衆衛生リスクに関する評価:概要書」(3ページ)は以下のURLから入手可能。
https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/733401/Cover_paper_for_CWD_RA_26062018.pdf
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)
情報源(報道) 英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)、食品基準庁(FSA)及び公衆衛生庁(PHE)
URL https://www.gov.uk/government/publications/chronic-wasting-disease-risk-assessments