食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04990460314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、コーティングされていないアルミニウム合金製の食品接触材料からのアルミニウム及びタリウムの放出に関する論文が公表された旨、情報提供
資料日付 2018年8月14日
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分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は8月、コーティングされていないアルミニウム合金製の食品接触材料からのアルミニウム及びタリウムの放出に関する論文が公表された旨の情報提供を行った。概要は以下のとおり。
1.概要
 BfRは、食品接触材料からのアルミニウムイオンの放出について調べるために、コーティングされていない3種類のアルミニウム製使い切りトレー(仕切り付き)に食品を乗せて実験を行った。
 アルミニウムの放出は、欧州評議会で定める特定放出下限値(SRL)である5mg/kg食品を、最大で6倍超えていた。更に、タリウムの放出も予期せず検出された。
2.論文より抜粋(結論)
・この研究では、酸性食品模擬物質であるクエン酸へのアルミニウムの移行は、外側の酸化被膜の初期溶解がゆっくり進むこと、また、その結果アルミニウム自体が均一に溶解することに起因すると考えられる。アルミニウムの均一溶解過程から導き出された活性化エネルギー(Ea)は62kJ/molであった。更に、Eaを導き出すための、冷却試験を活用した迅速な方法が開発された。
 当該手法を用いた場合、Ea測定に関する温度範囲を低温域まで広げることが可能であった。これにより、広範な温度範囲から導き出される値の妥当性が示される。この方法で導き出されたEaである68kJ/molは、様々な温度で一定に保った状態で行った当初の実験結果と十分整合性がある。
 これらの結果は、文献データによる再計算でも裏付けられた。時間のずれを考慮すれば、EAの算出において一貫した結果が得られた。
・今回、アルミニウム製の食品接触材料からのタリウム放出が初めて確認された。タリウムは、アルミニウム塊ではなく、主にアルミニウム製品の表面に由来することは実証可能と考えられる。これは、アルミニウム塊が、箔の機械処理過程で表面に移動し純度が落ちたこと、又は圧延油による汚染に起因すると考えられる。タリウム放出の原因は解明されるべきである。
・コーティングされていないアルミニウム製トレーを「Cook & Chill」(加熱調理及び冷却)」工程に使用すれば、欧州評議会が定めるSRLである5mg/kg食品に達する可能性がある量のアルミニウムが放出されることは実証可能と考えられる。
 その後、高温で保存された場合(移動ケータリング業者が行うように)、指標酸性食品及び食品模擬物質から多量のアルミニウムが検出される可能性がある。
 一般集団における総アルミニウムばく露量は多いことから、更なるばく露は可能な場合において最小化する努力がなされるべきである。特に、「Cook & Chill」工程におけるアルミニウム製の食品用トレーは、回避可能なばく露源である。アルミニウム製の食品用トレーを「Cook & Chill」工程で使用することは、保育園及び介護施設のケータリング業者が日常的に行うことから、特に重要性を有する。小児および高齢者などの脆弱な集団におけるアルミニウム摂取を不要に増やすことに繋がる。
・アルミニウム製トレー及び繰り返し使用するキャンプ用調理器具のどちらからも、多量のアルミニウム放出が検出される。酸性食品を調理する際にこれらの調理器具を頻繁に使用することは避けるべきである。
 この論文「コーティングされていないアルミニウム合金製の食品接触材料からのアルミニウムイオン及びタリウムイオンの放出と食品及び食品模擬物質への移行」(Stefan Sanderら、PLOS one、2018年7月23日公表)は以下のURLから入手可能。
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0200778
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://vetline.de/index.cfm?event=cmp.cst.documents.print&cid=3130&documents.id=107369
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