食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04920430104
タイトル Emerging Infectious Diseases:「アルジェリアにおけるヒトコブラクダのプリオン病」
資料日付 2018(平成30)年4月16日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  Emerging Infectious Diseases (Volume 24, Number 6?June 2018、4月16日付け電子版)に掲載された論文「アルジェリアにおけるヒトコブラクダのプリオン病 (Prion Disease in Dromedary Camels, Algeria)、著者Baaissa Babelhadj(Semi Arides University Kasdi Merbah Ouargla, アルジェリア)ら」の概要は以下のとおり。
 プリオン病は致死性の伝達性神経変性疾患で、ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病、小型反すう動物のスクレイピー及び牛海綿状脳症(BSE)などが含まれる。BSEが流行した後に関連するヒトの感染症が英国で1996年に始まり、動物のプリオンに対する公衆の懸念が高まった。
 我々はアルジェリアのヒトコブラクダ(Damelus dromedaries)においてプリオン病を検出した。プリオン病の症候は、2015~2016年にOuarglaと畜場でと畜用に搬入されたヒトコブラクダの3.1%でみられた。我々は、臨床症状のあった動物3頭の脳組織において特徴的な神経変性及び疾病特異的なプリオンたん白質(PrPSc)を検出したことで、診断を確定した。リンパ組織でのプリオン検出は当該疾病の感染性の特徴を示唆している。PrPScの生化学的特性分析ではBSEやスクレイピーとの相違がみられた。
 広範囲な地域で飼育されている家畜種での当該プリオン病を我々が特定したことから、ヒト及び動物の健康衛生上におけるリスクの可能性の調査及び評価の強化が求められる。
<補足情報>
 アルジェリア南東部にあるOuarglaと畜場は、牛、ラクダ、小型反すう動物のと畜量ではアルジェリア最大規模のと畜場の一つである。過去5年間に、と畜前検査において神経症状がみられる成体ヒトコブラクダが高い頻度で観察されるようになった。
 飼育者によれば、症状の進行は遅く、疾病期間は3~8か月とさまざまであった。初発例が出た時期に戻ることは不可能ではあるが、飼育者及びと畜場従業員の情報を収集すると、疾病は1980年代には存在していたことが示唆された。
 ここでは神経症状の見られた3頭のヒトコブラクダの脳検体及びそのうちの1頭の頸部、浅頚部及び腰部の大動脈リンパ節を採取した。これらの動物は全て雌で、それぞれ10歳、11歳及び13歳であった。これらの検体は組織学的及び免疫組織化学的検査用にホルマリン固定を行った。またウエスタンブロット法及び遺伝子解析用に2頭の冷凍脳検体を採取した。
 遡及的調査から、と畜場に搬入されるヒトコブラクダにおいて罹患を示す神経病理学的症状の現れた動物の発生率は3.1%と示されたが、この数字は検査所検査が実施された3頭全頭において臨床的疑いが確認されたことから信頼に足るとみられる。しかしながら、プリオン病は長い潜伏期間という特徴があり、疾病が顕在化する年齢(8歳超)というのはヒトコブラクダのと畜年齢(5歳未満)よりもかなり齢が進んだ状態であることから、高齢動物での有病率は恐らく(若齢動物を除く)実際の有病率よりも高くなっている。
 ラクダプリオン病(Camel Prion Disease, CPD)が自然環境下での感染性疾病であるかどうかは重要な問題である。スクレイピー及びCWDでは、リンパ組織が広く関与しており、自然環境下での水平伝達率は高い。末梢リンパ組織が実質的に関与しないBSE、非定型/Nor98スクレイピー及び多くのヒトのプリオン病では水平伝達は起きにくいとみられる。環境へのプリオン放出を促進するには、生体での末梢組織へのPrPScの拡散が必須条件であると考えられる。我々は単体動物から検体を採取したが、全てのリンパ節にPrPScを検出し得たことから、大量の神経外病因が示され、またと畜場の臨床例での顕著な有病率もあり、CPDが感染性であることの示唆が是認される。これらの観察結果はまた、当該疾病が偶発的発生ではなく、感染によることを示唆するものである。
 CPDの起源はわからない。起源を辿ることは困難である。CPDの場合、ヒトコブラクダの伝統的な集約的遊牧の慣行は、広範囲における疾病拡散に拍車を掛ける厄介な要因となっていることから、拡散経路を決定するのを困難にしている。他国からのCPD起源の可能性を追跡するには、アルジェリアへのニジェールやマリ、モーリタニアからの生体動物の主要輸入経路を調査するべきである。
 この10年間に、都市周辺の酪農場や酪農施設設置、ラクダ製品の多様化及び市場普及率の増加によって、ラクダ飼育システムは急速に変化した。この改革によって感染症及びプリオン病の、特にCPDについての衛生基準の改善が求められる。
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/疾病管理予防センター(CDC)
情報源(報道) Emerging Infectious Diseases
URL https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/24/6/17-2007_article