食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04900390110
タイトル カナダ保健省(Health Canada)、プロビタミンAを強化した遺伝子組換え(GM)コメ(ゴールデンライス)に関して情報提供
資料日付 2018(平成30)年3月16日
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分類2 -
概要(記事)  カナダ保健省(Health Canada)は3月16日、新開発食品としてのProvitamin A Biofortified Rice Event GR2E(ゴールデンライス)に関して情報提供を行った。概要は以下のとおり。
1.概要
 2017年、同省は、Provitamin A Biofortifed RiceイベントGR2E(ゴールデンライス)に関する販売認可申請を受理した。当該GMコメ品種は、プロビタミンA含有量がより多く、主として、ビタミンAに乏しい食事が常である国々での販売を意図している。GR2Eコメは主にアジアの主要な稲作地帯で商業栽培される予定である。申請者の国際稲作研究所(International Rice Research Institute:IRRI)は、現時点で当該製品をカナダで販売する意図はないと表明している。
 評価の結果、当該コメに加えられた改変は、カナダで販売されている従来のコメと比べ、ヒトの健康影響を増加させないと判断された。更に、同省は、GR2Eによりアレルギーに関するインパクトはもたらされないと考えられる、また、プロビタミンA含有量の増加以外は、従来の食用コメ品種と栄養価に差異は無かったとも結論付けた。
 同省は、GR2Eを、2018年3月16日付けで「新規開発食品の決定に関するリスト」に収載した。
2.テクニカルサマリー
2-1.導入
 IRRIは、組換えDNA技術を用いて、プロビタミンAを強化したGMコメイベント(GR2E)を開発した。
2-2.製品開発
 GR2Eコメは、 Agrobacterium tumefaciens (A. tumefaciens)を介在させ、ジャポニカ米の栽培品種KaybonnetをpSYN12424ベクターを用いて形質転換させて作出された。この転換ベクターは3種類の遺伝子カセット(crtl遺伝子用、Zmpsy1遺伝子用及びホスホマンノースイソメラーゼ(pmi)選択マーカー遺伝子用)を有するよう構築された。
 最初の発現ユニット中のctrl遺伝子は、Pantoea ananatis由来であり、 5’末端で、Pisum sativumのRUBISCO(リブロース-1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ)SSUとインフレーム結合した。Pantoea ananatisはグラム陰性菌であり、環境(水中にも土壌にも)や、宿主と関連性がある動植物相中に広く存在する。
 2番目の発現ユニット中のpsy1遺伝子は、Zea mays(トウモロコシ)由来である。発現した酵素ZmpSY1は、ゲラニルゲラニル二リン酸をフィトエンに変えるフィトエン合成酵素であり、カロテノイド生合成経路中のcrtl遺伝子の上流配列を担う。
 これらのたん白質が共に出現した結果、イネ中でリコピンが生産される。リコピンは、イネに天然に備わっている機序に利用されプロビタミンAカロテノイドが生産される。これら2種類の遺伝子カセットの両方の出現は、コメグルテリンプロモーター(GluA-2)により促進され、イネの胚乳での出現を狙う。
 3番目のカセット中に発現した遺伝子pmiは、 大腸菌由来のホスホマンノースイソメラーゼをコードする。当該酵素はマンノース-6-リン酸をフルクトース-6-リン酸へ反転異性化する触媒として働く。このことが、転換カルス及び栄養分体のマンノースを含む培養基上での成長能に関する選択マーカーとなる。Pmi遺伝子の発現は、イントロンと関連性のあるトウモロコシのユビキチン(AmUbi1)プロモーター及び5’-非翻訳領域(UTR)が司り、その結果、構成的発現に繋がる。
 T1世代は、オリジナルの転換体T0世代の自己交配により作出された。その後T1世代に交配が加えられ、3種類のインディカ米イネ(PSB Rc82、BRRI dhan 29及びIR64)に分かれた。これら3種類それぞれに対して戻し交配が行われ、それぞれがBC5F4、BC5F3及びBC5F3世代に到達するまで、自己交配が複数回行われた。
 GR2Eの分子特性を決定するために示されたデータは、各T1世代とインディカ米のスタック品種交配種の繁殖樹に全依存する世代に由来するものである。
2-3.食品経由ばく露
 申請者は当該製品をカナダで販売することは意図していないと表明したものの、同省は、コメのベースライン摂取に関するデータを分析し、カナダ国民が摂取する全てのコメがGR2Eコメに代わった場合のβ-カロテン摂取量に関する推定を行った。カナダにおける全てのコメ及びコメ製品がGR2Eに代わった場合、β-カロテン摂取量の増加は0.8~8%(34μg~239μg/日)と非常に少ないと考えられる。摂取される全てのコメが測定された最大量でβ-カロテンを含むGR2Eコメに代わることは考えにくいことから、この推定値はより安全側に立ったものである点を留意すべきである。
2-4.結論
 同省は、GR2Eの食品使用を支持するために示された情報に関してレビューを行った。その結果、GR2Eは食品安全上の懸念とはならない。同省は、当該イベントに由来する食品の安全性と栄養価は、現在市販されているコメ品種に由来する食品と同等であると考える。
 申請者に対しては、今後もし当該コメをカナダで販売したいと考える場合は、ビタミンの食品への添加に関して「食品及び医薬品規則」を遵守する義務が生じる旨を通知済みである。
 同様に、同製品はプロビタミンAを多く含むことから、同製品に由来する食品は全て、従来品種との差別化を示す一般名称を使用する義務があることも通知済みである。
 同省の意見は、RE2Eの食品使用のみに関するものである。
 「新開発食品の決定に関するリスト」は以下のURLから入手可能。
https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/genetically-modified-foods-other-novel-foods/approved-products.html
 GR2Eのテクニカルサマリーは以下のURLから入手可能。
https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/genetically-modified-foods-other-novel-foods/approved-products/novel-food-information-golden-rice-gr2e.html
地域 北米
国・地方 カナダ
情報源(公的機関) カナダ保健省(Health Canada)
情報源(報道) カナダ保健省(Health Canada)
URL https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/genetically-modified-foods-other-novel-foods/approved-products/golden-rice-gr2e.html